表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染Vtuberがビジネスてぇてぇから恋仲に発展した話   作者: 朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます!


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/20

11、『俺は攻めだよ』?

 灰谷さんをきっかけに嫉妬スタンプを押し合ったスクリーンショットをSNSに貼ると、そのやりとりを漫画みたいにしたガクとメイのファンアートがファンアートタグに投稿された。


『ガク、てぇてぇだよ』

 チャットアプリでそれを共有すると、ちょっと照れたみたいなスタンプが返ってくる。

 

 ――ガクは可愛いなあ!


 俺はほんわかとした。



   11、『俺は攻めだよ』?

 

 この事件(?)をきっかけに「こいつら面白い」と思ったのかは知らないが、灰谷さんはガクのSNSアカウントもフォローして、ガクの配信コメントにも出没したようだった。

 するとガクのファンも灰谷さんのファンも大いに盛り上がって、また、ファンアートが増える――、

 しかも、俺と違って社交的なもんだから、ガクは灰谷さんとサクッと相談して突発コラボ配信まで、果たしたではないか。


 コラボ配信を観ながら『フロンティアランド』で料理スキルを上げて、俺はちょっと本格的に嫉妬心を覚えた。


 ――だって、向こうの方が数字を持っているのだもの。

 配信者同士つるんでいて、『雪柳メイ』よりメリットが大きいのは、間違いなぁい……っ!


「く、くやしーっ」

 これはもう、素直にぶつけよう。メイは素直なショタなんだ!

 俺はスキル上げの作業の手を止めて、SNSアカウントでツイートを発信した。


『ガクが灰谷さんとてぇてぇしててジェラ(嫉妬す)るぅ……!』

 ぴえんな顔文字もセットにしてやれば、ハートがついてかくさんされていく。よし、よし。

『ガクは元々かわいいけど、灰谷さんにかわいいかわいいってされてるとボクは不安になるよーっ』

 送信っ!

 しばらくすると、『メイXガク?』『メイ?』ってリプライ(返信)がチラホラとついてくる。

 あっ、これ、ガクに知られたら『メイはピュアなショタで……』ってなるやつだろうか? 俺はそっと背中に汗をかいた。

 でも、ガクが可愛いんだから仕方ない――見た目とかじゃないんだ。内面。中身だよ。性格が可愛い!! 昔から……。


 ちょっと胸をスッキリさせて作業を再開すると、後藤さんのキャラクターアバターがつつとメイのキャラクターアバターに寄って来て、ハグのエモーションをしてくれた。


ありがち(ありがとう)ー」

 お礼をチャットに返すと、「メイくんもやって」とオーダーされる。


「ふふ、バーチャル(仮想世界)の擬似ハグだね」

 ハグエモーションを返すと、後藤さんがチャットに「なでなで」と打ってくれている。(なぐさ)めてもらってる……!


ありあり(ありがとう)

 涙の顔文字を添えてチャットして、ぴったりとひっついたキャラクターアバターの映像を眺めていると、なんだかリアルにハグされたりなでなでしてもらったみたいに気持ちが安らぐのだった。


 なお、ゲームを終えたあと後藤さんはスクリーンショットを投稿していて、それがまたSNSで拡散されていた。

 自分でもハートをつけて(あお)りつつ、俺は責任をとってリツイートし、「しょげてたら慰めてくれたんだよ」と説明を添える。

 

 そして、そんな説明ツイートにガクのSNSアカウントが『俺のメイが!!』と悲鳴をあげてくれたので、ファンが盛り上がってくれて俺はニコニコした。

「お、俺のメイだって~、えへへ。嬉しいね」

 デレデレっとしながらスクリーンショットのお宝『ガクとのてぇてぇ集』を増やしていれば、ガクがさらにサービスしてくれるではないか。

 

 『あと、俺は攻め』

 ――こういうところがキュンっとくるんだ!


 『ボクも攻めた~い』

 リプライで絡めば、返信がくる。

 『許さん』

 ――許さんだって。

 『受けでいいよ』


「あはは!」 

 やりとりにハートがいっぱいついている。

 チャットアプリにまで、ガクが『俺は攻めだよ?』とチャットしてるじゃないか!

 俺たち、めっちゃ仲良しじゃんっ。またスクリーンショットのお宝が増えた……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ