桃原こよみ⑤
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本日は3話投稿!(2話目です)
「我々はダークスフィア! そして俺は四騎将の一人、怪人ゴライドウ! ここにいる全ての人間よ、絶望しろ!」
耕太くんが今まさにウチに何か言おうとした時、このクソボケ怪人が台無しにしてしまいよった
オマケに夜のパレードもメチャクチャで……ウチの、ウチの夢の時間を……!
「このアホンダラアアアアアアア! よくも……よくも耕太くんとの大切な時間を邪魔しくさってえええええ! 変身!」
お客さん達が逃げ惑う中、ウチは完全に我を忘れてヴレイピンクに変身すると、戦闘員どもをひたすらヴレイソードでギッタギタにしていった。
コイツ等……絶対に許さへんっ!
しばらく戦闘員をなで斬りにしていると、ブオン、とヴレイビークル……モモのけたたましいエンジン音がこだまし、そして、耕太くんとモモが戦闘員とお客さんの間に突っ込んだ。
「こ、耕太くん!?」
ウチは思わず叫ぶ。
だけど耕太くんはウチの声が届いてないのか、そのまま戦闘員とお客さんの間に割り込んで分断させ、お客さんが逃げる時間を稼いだ。
もう! ホンマに無茶ばっかりして!
ウチは慌てて分断された戦闘員を倒した……そう思っとった。
ところが。
「こ、耕太くんっ!?」
戦闘員の一人にまだ息があって、棍棒を振りかぶって耕太くんに殴り掛かった。
アカン!? 間に合わへん!?
そう思った時、突然ヴレイブーメランが棍棒を弾き、そして、ブルーが戦闘員を倒した。
よかった……!
耕太くんにもしものことがあったら、ウチ……ウチ……。
すると、耕太くんから檄が飛ぶ。
「こよみさん……ヴレイピンク! 僕達の幸せな時間の邪魔をした、怪人ゴライドウをやっつけて!」
そう言って手を振る耕太くん。
ウチは右手を突き上げ、そんな耕太くんに応えた。
「うん! まかしとき!」
そして、ウチ等の邪魔をした、怪人ゴライドウに対峙した。
◇
戦いが始まり、ウチとゴライドウは剣撃による火花を散らせながら、一進一退の攻防を繰り広げる。
クサレ怪人とはいえ、幹部を名乗るだけあって今まで闘ってきた怪人達とは強さが段違いやった。
とはいえウチも負けるつもりもさらさらないし、実際に闘ってみて、ウチのほうが力量は上やった。
「ええい! 面倒だ! 一気にけりをつけてくれる!」
その時、この怪人は勝負に出てきた。
丸の内に現れた時に見せたあの技を使うつもりやな!
怪人は口を大きく開け、その中で稲妻を帯びた光が収束していく。
 
「っ!? ピンクさん! 来ます!」
「うん!」
 
耕太くんの掛け声に合わせ、ウチはすぐに避けられるよう身構える。
ところがこれはフェイクで、怪人はハルバートを肩にかついで突進してきた。
「っ!? 何やて!?」
「ゴアアアアアアア!」
ウチは咄嗟に踏ん張って怪人を待ち構えると、そこに怪人がぶつかった。
「くうっ……!」
「グガガ……! 何っ!?」
 
ウチは怪人の突進を受け止め、つばぜり合いの状態で持ちこたえたった。
 
「ど、どこにそんな力が!?」
「グギギ……知るかあっ! これは元々や!」
「グ、グオオ……!?」
この怪人のボケ、ウチが気にしてることを言いくさりおって!
ウチは怪人を押し返して、決着をつける準備に入る。
その時。
「カアッ!」
「っ!?」
怪人の口からあの技が放たれた。
ウチは身体をひねってそれを躱すと、光の球はそのままウチの後ろ……白雪姫城にぶち当たった。
「お、お前……お前……お前えええええええ!」
許せなかった。
ウチと耕太くんの時間をメチャクチャにしたばかりか、大切な場所……白雪姫城まで壊しよって!
「お前だけは……お前だけは絶対に許さへんっ! くらえええええ!」
ウチは怪人に向けて思いっきり剣を振るい、そして左腕を切り落としてトドメを刺そうとしたところで、怪人はあの技を使うためにまた口を開けた。
「デカイ口さらしおって! 終わりやあっ!」
ウチはその口の中に剣を突き立て、そして、怪人ゴライドウを倒した。
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次話は本日夜投稿予定です!
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