魔神将チエ、こよみさん達を召還する!?
はい! 今回はおなじみGOMさんの作品とのコラボ企画!
「戦隊ヒロインのこよみさん」×「僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜」でお送りします!
全部で5話! どうぞお楽しみください!
「ふあ……こんな朝早ようから呼び出して、なんやっちゅうねん……」
「あ、あはは……」
冬晴れの早朝、青乃さんからの呼び出しで市ヶ谷の一角にあるビルに来た僕達は、エレベーターに乗り込み、司令本部がある階を目指す。
「せっかくの休日やったさかい、ホンマやったら耕太くんとデートしよ思てたのに……」
「まあまあ、しょうがないんじゃない? ブルー……おっと、青乃司令も大変そうなんだし?」
口を尖らせるこよみさんに、紫村先輩が苦笑しながらポンポン、とこよみさんの肩を叩いた。
「……その割にはアンタ、何か嬉しそうやな?」
「え? そ、そうかなあ?」
ジト目で睨むこよみさんの視線に、先輩は微妙に笑いながらそっぽを向いた。
どうやらこよみさんの指摘はあながち間違ってないみたいだ。
——チーン。
お、着いたみたい。
エレベーターの扉が開き、司令本部の中に入ると。
「やあ、おはよう」
そこには、ソファーに座る飯綱先輩がいた。
「先生、おはようございます」
「うむ」
「ところで、ブルーはどこにおるんや?」
こよみさんが本部内をキョロキョロと見回す。
「ああ、もうすぐ来ると思うぞ? ……っと、噂をすれば、だな」
「お! 全員揃ったな!」
すると、青乃さん……司令は、綺麗な秘書を連れてなぜかヘラヘラしながらやってきた。
ま、まあ、一応司令の設定は“チャラい”だもんね……。
「ウッサイわ! こんな朝早ようから呼び出しおってからに!」
「まあまあ、そう怒るなよ……それに、今から話すことはお前達にとっても朗報だと思うぜ?」
「「「「朗報?」」」」
? 一体なんだろう……。
「実はな、“ヴレイファイブ”への補充要因のメドが立ちそうなんだ。“皇さん、アレを」
「はい」
青乃さんの傍に控えていた秘書の皇さんが、タブレットの画面を僕達に見せる。
そこには、僕と同い年……いや、少し若い?
そんな男女の二人が怪人と闘っている映像が映し出されていた。
ええと、これ……。
「そうだ。今は訓練機関でトレーニング中だけど、思ったより早く仕上がりそうでな。多分一か月以内にはお前達に合流できそうだ」
そう言うと、青乃さんはウンウン、と頷いた。
「それより、この怪人って……?」
「ん? ああ、高田光機のせいで怪人にされた連中、うちで働いてもらってるんだよ」
「「「「ハア!?」」」」
ええ!? そんなの聞いてないんですけど!?
「いやホラ、あの闘いも終わって、怪人達も居場所無くなっちまっただろ? だから、反町博士や岐佐一尉とも相談して、うちで引き取って訓練機関で働いてもらってるんだよ」
え、いや、まさかそんなことになってるなんて!?
ま、まあ……そんなこと言ったら、“ヴレイファイブ”全員、怪人だし……うん、考えないようにしよう。
「ということだから、先輩として仲良くしてやってくれよ?」
「まあそれはええとして……ひょっとして、用件はこれだけか?」
「? そうだけど?」
訝し気に尋ねるこよみさんに、司令は暢気に答えた。
あ……これは、こよみさん怒り出すぞ。
「そんなしょうもないこと、いちいち呼び……「はいこよみさんストップ!」モガ!?」
怒って司令につかみ掛かろうとしたこよみさんの口を、僕は慌てて塞いだ。
「と、とりあえず分かりました。それじゃ、今日はもう解散でいいですよね?」
僕はこれ以上こよみさんの怒りが大きくならないように、司令にアイコンタクトして話を切り上げるよう促した。
「お、おお、もう終わりだぞ! 悪かったな!」
ホッ……どうやら司令も察してくれたようだ……。
「さ、さあ! こよみさん、帰りましょう!」
「はわ!? もう……しゃあないなあ……」
こよみさんは苦笑しながら僕の手を握る。
「そうだな、せっかくだし上代くんの朝ご飯でも食べに行くか」
「あ! それいいわね!」
「ようないわ!」
なぜか家に来ると言い出す飯綱先生と先輩。
当然、こよみさんは怒るわけで……。
その時。
「な、何や!?」
「何よこれ!?」
「これは……!?」
突然、僕達の頭上に黒い穴が出現する。
そして。
「う、うわああああああ!?」
「っ!? こ、耕太くん!?」
僕達の身体が黒い穴に吸い込まれてしまった。
◇
「イテッ!?」
黒い穴から落とされた僕の目の前に現れたのは……って。
「ここ……どこ?」
なぜか僕は、古代ローマの闘技場……“コロッセオ”のような場所にいた。
「はわわわわわわわわわ!?」
「うわ!?」
突然こよみさんの驚く声が聞こえ、そして、こよみさんが僕の上に落ちてきた。
「はわわわわ……って、耕太くん大丈夫!?」
「え、ええ……」
僕の上に乗っかっているこよみさんが、心配そうに僕の顔を覗き込む。
すると。
——ドサ、ドサ、ドサ。
「イタタタタ……もう! 何なのよ!」
「ツウ……こ、ここは……!?」
「ッテエ……俺もかよ……」
どうやら先輩、飯綱先生、司令も僕達と同じように黒い穴から落ちてきたようだ。
「こ、耕太くん……ここは……?」
「いえ、僕にも分かりません……イタリアにでも飛ばされてしまったんでしょうか……?」
不安そうにするこよみさんに、僕はとりあえずそう答える。
その時。
「コウタ殿! コヨミ殿! 久しぶりなのじゃ!」
「「ああ!」」
僕とこよみさんは、驚きの声を上げて目の前に現れた女の子を指差した。
だって、そこにはポータムで知り合った……魔神将のチエさんがいたんだから。
お読みいただき、ありがとうございました!
次話は13時を予定!
なお、異世界CSIの武士視点の番外編は下記からお読みいただけます!
物語本編と一緒にどうぞ!
「僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜」
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