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第4話 ロプスさんは凶悪な触手でした。

ジョーカーズさんの作品とのコラボ企画!

「戦隊ヒロインのこよみさん」×「一本から始める異「触」なライフ。 〜 エロスキルしか使えない触手に転生した俺は、 それでも健全な生き方を目指します! 〜」


ラスト! 第4話です!

「つ、次で最後ね……」


 街から外れた森の中。


 今、僕達は僕がこの世界に飛ばされた最初の場所へと向かっている。


 こよみさん達が飛ばされたポイントは三か所すべて回ったけど、結局、僕達の世界への“繋がり”は見つからなかった。


 ……ここで見つからなかったら、僕達は一生この世界で過ごしていかなければいけない。


「耕太くん……」


 見ると、こよみさんが僕の服の袖をキュ、とつまんでいた。


「あ、あはは、大丈夫ですよ! きっと“繋がり”は見つかります!」


 僕は少しでもこよみさんを励まそうと、努めて明るくそう言った。

 だけど、こよみさんはフルフル、と首を振った。


「ちゃうよ。耕太くんが、すごく不安そうな顔してたさかい」


 あ……僕がこよみさんを心配させちゃったのか……。


「す、すいません。僕は大丈夫ですか……ら?」


 すると、こよみさんが僕の腕にしがみついて、下から僕の顔をジッと覗き込んだ。


「耕太くんのことやさかい、ウチとかバイオレット達のこと考えてたんやろ? せやけど、ウチ達のことは心配せんかてええよ? ウチは、耕太くんさえ傍にいてくれたら、元の世界でもこの世界でも、幸せやもん。多分、あの二人もそうちゃうかな?」


 そう言って、こよみさんがニコリ、と微笑んだ。


 ああ……本当に僕の婚約者は……。


「はい。僕もこよみさんが傍にいてくれたら、いつだってどこだって幸せです」

「うん!」


 僕はこよみさんに微笑み返すと、こよみさんは嬉しそうに頷いてくれた。


 僕は……こよみさんを好きになって本当によかった……って!?


 いつの間にか、先輩達をはじめ、ロプスさん達まで僕とこよみさんを白い目で見ていた。


 で、でも……こよみさんが可愛いから、仕方ないですよね? ね!


 ◇


 僕が飛ばされたポイントにたどり着くと、早速ハイネさんが“繋がり”がないか確認を始める。


 すると。


「……ありました。これなら皆さんを元の世界にお返しできそうです」


 眼鏡をクイ、と持ち上げながら、ハイネさんが淡々と答える。


 でも……ハイネさん心なしか少し誇らしげです。

 ま、まあ、触れませんけど。


「では、今から『空間魔法』を……」


 その時。


 ——ヒュッ!


 突然、僕達に向かって一本の矢が飛んできた!?


「フフフ……後をつけたら、おあつらえ向きに人気のないところに来るだなんてあなた達……バッカじゃないの! アッハハハハハハ!」


 すると、木陰から武装した女の人と、他にも武器を持った人達が……これ、二、三十人くらいいる!?


「お前達は誰だ!」

「フフフ……お前達に倒された、副司祭様の部下、とでも言えば分かるかしら?」

「っ!」


 ええと……と、とりあえず、ロプスさん達の敵みたいだけど……。


「(耕太くん、どうする?)」


 こよみさんが小声で僕に尋ねる。


「(そうですね……いつ戦闘になってもいいように、いつでも変身できるように準備だけしておいてください)」

「(分かった)」


 僕はそう告げた後、また視線を女の人達へと視線を戻す。


「とにかく、“ゼロ教 黒”はお前達をこのまま捨て置くわけにはいかないの! ここで死んでもらうわ!」


 その言葉を合図に、連中が一斉に襲い掛かってきた!


「こよみさん! 先輩! 飯綱先生!」

「「「変身!」」」


 僕の掛け声とともに、こよみさん達がヴレイウォッチのダイヤルを回し、“ヴレイファイブ”に変身した。


「さあ! アンタ等、ウチ達にコナ掛けたこと後悔させたる!」


 そう言って、こよみさんは“ブリューナク”を構えて飛び出そうとした、その時。


「いや! ここはこの俺の力であの女を無力化する! 触手流奥義“四点触連撃”!」


 ロプスさんがそう叫ぶと、四本の触手が相手の女ボスへと襲い掛かり……って!?


「な、なああああああああ!?」


 僕はその光景に思わず大声で叫んでしまった。


 だ、だって……だってだって、ロプスさんのあの攻撃……まんま触手じゃないかああああ!


 それこそ、桐谷に借りたエッチな本に出てきた、まさしくアレな感じの!


「こ、耕太くん! 見たらアカン!」

「わ!?」


 こよみさんが勢いよく僕に飛び掛かり、僕の目を塞ぐ。


 だ、だけど……声は聞こえてくるんですけど!?


「あ、あんな技……反則、よ……!」

「むうう……わ、私ではあの技、耐えられる自信はない……!」


 先輩と飯綱先生も震える声でそう呟く。


 あうう……ぼ、僕達はどうしたら……。


 すると。


「……天国、見れたかよ?」


 女ボスの嬌声と共に、ロプスさんの無駄にカッコいい台詞が聞こえてきた。


 ど、どうやら決着したみたいだけど……なんだかなあ……。


「上代くん達、もう大丈夫だ」


 ようやくこよみさんは僕の目を塞いでた手を外してくれたので、周りを見回すと……武装した連中はエリィさん達によって拘束され、そして、女ボスは……うん、地面で顔を上気させながらピクピクしていた……。


「まあ、俺の手にかかれば簡単だったよ」


 そう言ってロプスさんは握手のつもりなのか触手をこちらへと伸ばすと……僕達は全員、それを避けてしまった。


「? どうした?」


 不思議そうに尋ねるロプスさん。


「ほ、ほらバイオレット! アンタ行き!」

「わ、私い!? そ、それだったらシルバーのほうが!」

「ムムム、ムリだ! わ、私はそういった経験がないのだぞ!?」

「私だってないわよ!?」


 うわあ……先輩と飯綱先輩、ドサクサに紛れてとんでもないこと口走ったぞ!?

 ……聞かなかったことにしよう。そうしよう。


「そ、それよりハイネさん! “繋がり”は大丈夫なんですか!?」


 一刻も早くこの状況から抜け出したい一心で、僕は全力でハイネさんに話を振った。

だけど、ハイネさんの返事は想定外のもので……。


「……すいません、今の一件で“繋がり”は消えてしまいました……」

「「「「「「ええええええええええええ!?」」」」」」


 どど、どうするの!?


「あ、いたいた! アニキ!」


 その時、一人の女性がニュ、と現れた。


「“クエル”! どうした!」

「どうしたじゃねーよ。気がついたら、いつの間にかみんないなくなっちまってるしさ、慌てて探したらこんなところで何だか襲われてるだろ? むしろコッチが聞きてえよ」


 そう言って、クエルと呼ばれた女性は、溜息を吐いて肩を竦めた。

 どうやらロプスさんの仲間みたいだ。


「それで? アニキ達は何してたんだ?」

「えーっと……私達はここにいる人達が元の世界に帰るのを手伝ってたんだよ」

「あん?」


 ミアさんの説明を聞いたクエルさんは、怪訝な表情で僕達を一瞥した。


「それがここに来るのと、なんの関係があるんだい?」

「ここは彼等がこの世界に来た時に最初にたどり着いた場所なんです。ここから、彼等の世界との“繋がり”をたどろうとしたんですが……」


 ハイネさんが眼鏡をクイ、と持ち上げながらクエルさんに説明すると、なぜかクエルさんは呆れた表情を浮かべた。


「つぅかよ、そんな“繋がり”とか言ってねぇでさ。最初っから『意志の宝石(ウィルストーン)』を使ったら済むんじゃねぇの?」

「「「「あ!」」」」


 うん、どうやら別の方法で元の世界に帰る手段があるみたいだ。良かった。

 だけど……ハイネさん、すごくバツが悪そうな表情を浮かべてるなあ……。


 というわけで。


「皆さん、お世話になりました」


 街に戻った僕達は、早速その『意志の宝石(ウィルストーン)』をお借りして元の世界へと戻ろうとしているところだ。


「ああ、元気でな」

「使い方は先程説明しました通り、戻りたい場所を強く念じるだけです。そうすれば、一瞬で元の世界に戻れますよ」

「はい」


 僕は右手に持つ『意志の宝石(ウィルストーン)』をギュ、と握り締めた。


「では皆さん、お元気で!」

「も、もうあの触手とは遭いとうないなあ……」

「「(コクコク)」」


 僕が爽やかにお別れの挨拶をしたのに、こよみさん達はロプスさんがよっぽど苦手なのか、ものすごく慄いていた。


「さあ! 帰りましょう!」


 僕は元の世界を思い浮かべると、『意志の宝石(ウィルストーン)』が光り輝き、僕達を包み込んだ。


 そして。


「こ、ここは……?」


 そこは、ロプスさん達の世界に飛ばされる前にいた、丸の内のビル街だった。


『ア、アナタ達!? ドウヤッテ戻ッテキタノヨ!?』


 見ると、怪人イリュージョニスタが驚愕していた。


 というか。


「よくもやってくれたわね!」

「貴様! 絶対に許さん!」


 本気でキレた先輩と飯綱先生が、怪人を見るやいなや、ヴレイウィップと二本のショーテルで怪人をズタズタにする。


 そして。


「食らえええええええ! “ブリューナク”!」

『ギャアアアアアアアア!?』


 有無を言わさずこよみさんが“ブリューナク”を怪人に突き刺し、あっさりと倒してしまった。

 みんな、よっぽど嫌だったんだなあ……。(注:ロプスさんが)


「はあ……ホンマ、えらい目に遭うたわ……」

「本当よ……こうなったら、上代くんのおでんをやけ食いしてやるんだから!」

「むむ! 私も食べるぞ!」


 こうして、怪人を倒した僕達は、あのアパートへと帰路についた。


 だけど。


「うーん……何だか、ロプスさん達にはまた会いそうな予感がするんだよなあ……」

「冗談でもそんなこと言わんといて!?」


 モモにタンデムしながら僕の呟きを聞いたこよみさんは、ロプスさんの“四点触連撃”を思い出して、思わず身震いしました。


 おしまい。

お読みいただき、ありがとうございました!


「こよみさん」×「ウネリン」コラボ、いかがだったでしょうか?

今回お付き合いいただいたショーカーズさんには感謝、感謝です!

ありがとうございました!


ウネリンの視点の番外編は下記からお読みいただけます!

物語本編と一緒にぜひどうぞ!


「一本から始める異「触」なライフ。 〜 エロスキルしか使えない触手に転生した俺は、 それでも健全な生き方を目指します! 〜

https://ncode.syosetu.com/n0208gj/

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キネティックノベルス様から8/30発売!
どうぞよろしくお願いします!


【戦隊ヒロインのこよみさんは、いつもごはんを邪魔される!】
― 新着の感想 ―
[良い点] 触手プレイか・・・ ノクターンで先生や先輩がヒロインでやれそうですけどね(笑)
[良い点] お~、久しぶりのこよみさん(*^^*) [気になる点] こよみさんが触手につかまるのかと思ったw ちょっとワクワ…ハラハラしました(*´▽`*) [一言] タイムリーな更新ですね^^ 受…
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