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〇〇〇〇りくじょうぶ!  作者: 天笠愛雅
10/11

他人から仲間に

その時だった。

「やったー!」

背後から聞こえてきた歓声を、僕と鈴村さんは何事かと思い、即座に振り返った。

するとそこには、満面の笑顔で立っている楪凛、茂みの中から顔を出している悠馬、桃子の友達のあの女の子がいた。

「何してるの、あなたたち」

桃子が不審者たちを、厳しく鋭い目とともに問いただす。

「練習を始める前に、たまたま2人を見かけたものだから」

「琉生を追ってきたんだけど、邪魔しちゃいけない雰囲気で…」

「ごめんね、桃子ちゃん。2人がこうして見てたから…」

三者三様の理由だった。

話を詳しく聞くと、まず、グラウンドに出てきた凛が僕たちを見つけたらしい。

見つからないように大回りして、こっそりと僕たちの背後に回った。

その後、僕を探していた悠馬が僕たちを見つけたのだが、僕たちに近づこうとしたところ、その後ろにいた凛にものすごい視線を浴びされて止められ、観察者の仲間入り。

更に、近くのスーパーへ買い出しに行こうと通りかかった桃子の友達も、その光景に目を取られ、静かに加わったと言う。

「さっき集まったとは思えないチームワークだったね」

凛が言うその言葉をそっくりそのまま返したい。

子供というものは、こういうしょうもないことに全力を注ぎがちだ。

高校生にもなってやることではないと思うが。

「そんなことは置いといてさ、入ってくれるの!?鈴村さん」

凛が改めて桃子に訊く。

「それと、風早くんも」

誰が聞かずとも、もう決まり切っている。

青春の歯車は動き出したのだ。

「はい、お願いします」

「よろしく、凛」

「2人ともありがとーう!」

嬉しさのあまり、凛が僕たちに駆け寄ってくる。

ザザザッ

その時、凛が枝に足を滑らせた。

走ってきた勢いでダイブしてくる。

危ない!

と僕が思った時、ベンチを飛び越え、凛のその身体を抱くようにして庇ったのは桃子だった。

流石の運動神経だった。

「あ、ありがとう、鈴村さん。びっくりしたよぉ」

「桃子でいいわ。よろしくね、凛」

2人の距離が一気に縮まった。

体の距離も、そして、心の距離も。

「風早くんも!ほら!」

左腕は桃子を抱いたまま、凛の右腕が僕を迎えようとしている。

「やめろよ」

「ぶー」

口を尖らせて、僕の拒絶を凛は批難した。

「あ、あのー」

悠馬の隣で一連の光景を見ていた桃子の友達が口を開いた。

「私、古賀こが佳純かすみって言います。私も陸上部に入れてください!」

頭を深々と下げて、入部を突然希望してきたその子に、その場にいた誰もが戸惑った。

彼女は確かバスケ部だったはず。

なぜ急に。

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