理性の崩壊
今回もかなり短い・・・
太陽の光も届かない、暗い地下室・・・
その真ん中に俺は、ベットにつながれていた。
あれから一体何日たったのだろうか。
長時間、閉塞的な空間にいたことと血を吸われている事による慢性的な貧血により俺の思考は同じことを繰り返していた。
「茜の言いなりになれば開放されるのだろうか・・・」
ついつい、弱音がこぼれてしまう。
茜は、朝と夜の二回だけしか来ず、一日の大部分を薄暗いこの地下室で過ごす事は少なからず俺のメンタルに影響していた。誰かに会いたい、他の人としゃべりたいという孤独から抜け出せるものへの欲求は日に日に増していき、遂には茜の帰りを待ちわびている自分がいた。茜は確かに取り返しのつかない事をしたかもしれない、しかしそれは、自分のためを思ってやってくれたことなんかじゃないか?。自分に好意を向けていてくれる子に俺はなんてひどいことを言ってしまったのだろう。きっと怜も悪いことをしたから殺されたんだ茜がそう言ってんだからそうに違いない。
「あぁ、俺はなんて勘違いをしていたんだ。そうだよな、そうだよな、そうじゃなければ茜が怜を殺す理由なんてないもんな。」
長時間過酷な環境にさらされた俺の思考はいともたやすく崩壊した。
今、ベットにつながれているのは、もはや一条 光ではなく茜の操り人形と化した哀れな一人の男であった
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暗い部屋の中に光るモニターの画面、その光に照らされた少女の顔は歓喜の笑みが浮かんでいた。
「あぁ、やっとわかってくれたんだね。一条君。そうだよ、あいつは悪いことをしたから殺されたんだ。私たちを引き離そうとするとてもとても大きな大罪でね。わかってくれたならもう毒は抜けきったのかな?正直、毒を抜くためとはいえ、一条君の悲鳴とか聞きたくないし傷もつけたくないからね。」
そういって少女はパソコンをいじり始めた。
「・・・桜田高校2年生一条 光をさがしています。か・・・けっ、まだあきらめてないのかよ。まぁいいさ、あと少しで一条君は完全に私のもの。もう手遅れなんだよ?う・じ・虫・さん?」
少女はパソコンをいじるのをやめると席を立ち部屋の時計を見る
「あ、もうご飯の時間だ。待っててね一条君。美味しいご飯作ってあげるからね。」
少女はそう言って部屋から出て行った。そのあとに残るのはモニターに映る哀れな男とSNSに載せられた哀れな男の捜索ポスターであった。
当初のプラットと大分離れてる気がががが