崩壊した日常
チャイムが鳴りホームルームが、終わると
直ぐにざわつき始める教室を出て、俺は約束の場所へ向かった。
「入るぞー」
と言い、空き教室にはいると、既に怜はそこに居た。
「光、きてくれたのね」
「当たり前だろお前に呼ばれたんだから」
突然どうしたんだ怜の奴 いつもの怜となんか違うな
「初めて会った日とか覚えてる?」
初めて会った日?確か小学生2年生だった気がするな。確か、放課後なんか泣き声が聞こえるなと思って..
「イジメられてた、私を助けてくれた」
「そんなこともあったな」
「その後もクラスにいるときに喋りかけてくれてそのおかげであれだけ嫌だった学校も貴方のおかげで好きになれた」
「たくさん友達もできたし、いろんな体験ができて楽しかった。でも、貴方の側にいる時の方がずっと楽しかったんだ」
「だからね...そのー...つまり...あのね、光 私、貴方の事が...その..えっと...す、好きなの!」
怜は顔を朱色に染めて言った。
俺は余りにも突然のことで、言葉を失った。
俺が無言だったので心配したのか
「私みたいな無愛想な女と付き合うのは嫌かな?」
と聞いてきた。
「あ、あぁ嫌なんかじゃないよ。ただ突然過ぎてね。理解が追いつかないんだ。」
「じゃあ?」
そう聞かれて断れる奴が居るかよ。
「あぁもちr」
ザシュ! ポタポタ バタン!
「は?え?」
余りにも突然の出来事に思考が停止した
この赤いのは血? 一体誰のだ?
前を向くとそこには血の海に沈む怜の姿があった
そしてその隣で嗤っている茜の姿も
「木下さんが悪いのよ、私から一条くんを取ろうとするから。だから天罰が当たったの、そうこれは天罰なのよ。身の程も知らない哀れな女に対するねぇ!」
「な..にを..言っているんだ、茜」
茜はこっちを見て背筋が凍りつくような笑みを
向けた。
「何って、私はお邪魔虫を一人この世から消えてもらっただけよ? もう私達を阻む物は何も無いの! これでようやく二人っきりになれるよ。ねぇ嬉しいでしょう?」
「...」
「嬉しいでしょう?」
「...」
「ウレシイワヨネ」
「...」
「嬉しいって言って、嬉しいって言って、嬉しいと言え、嬉しいと言え、嬉しいと言え、嬉しいと言え、言え、言え、い〜えぇぇぇぇ!」
ガンッ!
茜の持っていた、ナイフが俺の足元に刺さる
「ひ、あっ、あぁー」
情けない声を上げて俺は後ざする。
「あれー?一条くんなんで離れて行くのかなー?
おかしいなー。分かったきっとまだあの女に毒されているのだわ。」
そう言って茜は俺の方へ歩いてくる。
一歩ずつゆっくりと
「消毒しなきゃ、消毒しなきゃ、消毒しなきゃ」
と呟きながら 俺は耐えられなくなり、
ドン!
「きゃっ!」
茜を突き飛ばし、空き教室から全力で逃げた。
次でラスト辺りです。