一難去ってもまた一難・・?
「けど、この緊急事態にあの老人達は何やってる
逃げたのか?」
「何を言ってる、お前たちが殺したんだろ」
「はぁっ?いや、俺達はやってないぞ」
「老人達は、トイの武器で全員殺されていたんだぞ
お前たち以外に誰がいる」
「とりあえず、トイが下の階で
拳銃使って、人を殺してるのを見つけて捕まえたんだよ
あいつ、甘次郎さんの家で銃を見ていたから
勝手に作っていたみたいなんだ」
「なんだって?」
「だから、俺達は老人は殺してない」
「なら、一体誰が?」
「隊長 !!」
カイの叫び声と一発の銃声で
穏やかになりかけていた、この場が一気に崩れた
「甘次郎さん・・」
穴のあいた扉に甘次郎さんが立っていた
「どうも、お疲れさん
ちなみに、銃を彼に作らせたのは私だ
私の分も作ってもらったがね」
カイは、俺をかばい甘次郎の銃弾に撃たれた
「カイ !!大丈夫か?」
テニムは、カイの所に駆け寄った
「はい・・大丈夫です」
どうにか、俺もカイの所まで行けたが
カイは太ももから大量に出血していた
「血が止まらない
おぃ、真由 !!チコを引っ叩いてでもいいから起こせ
このままじゃ、駄目だ」
「わかったわ」
真由は、横になっているチコを必死に起こそうとしていた
「いや、まさかこんなに
うまく行くとは思わなかったよ
こんな風にこの世界を救うとは
思っていなかったが、
まぁ、結果的に私がここに来れたからよしとしよう」
リムは、甘次郎さんから銃を取り上げようと
甘次郎の目の前に、移動したがそれが裏目に出た
甘次郎は、それを先読みし
リムの後頭部に銃を叩きつけた
甘次郎は、リムの首を腕で抱え
リムの頭に銃を突きつけた
「誰も動くな !!動くと
こいつの命は保証しない」
甘次郎は、壁伝いに中央に置いてある
椅子のほうに向かった
「甘次郎さん、なんで?
俺は、日記は読んでいないぞ」
「別に、読まなくてよかったんだ
日記を受け取った時点で、私の物語は進んでいたんだ」
「うわっ、ズルぃ」
「やかましぃ、頭がいいと言ってほしいね
巧真君、感謝するよ」
甘次郎は、椅子を乱暴に蹴った
椅子は、横に飛んでいったものの
巨大な背もたれだけは、倒れることはなかった
背もたれだと思っていた物は、やはり巨大な扉だった
「駄目 !!そこは開けないで」
真由は、必死に叫んでいる
「私は、この日のためにこれまで生きてきたんだ
誰にも邪魔させない」
「駄目━!!開けないで」
「甘次郎さん、開けちゃ駄目だ真由の様子がおかしい」
「あいつは、私達を日本に帰らせたくないだけだ
私は、帰るんだ」
甘次郎は、扉を蹴りで開けリムを突き飛ばした
両手を広げ扉に近づいて行った
「帰るぞ━━!!」
扉の中は暗闇が広がっていた
そして暗闇が突然、扉から出てきて甘次郎の頭を包んだかと思うと
一瞬にして、甘次郎の頭は体から無くなっていた
「なっ・・」
この場にいる全員が、凍りつき息をのんだ
暗闇は、甘次郎の体に絡み付き
扉に奥へと引きずって行った
真由は、叫び声を上げ、その声でチコは目を覚ました
「何があったの?」
「チコ、カイの手当をしてやってくれ
その後、巧真の手当をしてくれ」
テニムは、そう指示すると
扉の近くに倒れているリムを助けに向かった
巧真は、何とか立ち上がり
フラフラと真由の近くへ行き、その場に倒れこんだ
「真由、ありゃなんだ?」
「・・無の世界よ」
「あれが、か?」
巧真が、いつも見ていた夢の無の世界とは、違っていた
「暗闇があるじゃないか」
「あの闇はもともと、この世界にあったものなの
戦争を止めるには、それしか方法がなかった。
戦争で生まれる、憎悪や悲しみそれらをひっくるめて
私は、無の世界に放り込んだの
そうしたら、戦争はピタリと止んだわ
でも、それも一時的なものだった。
光があれば、影ができるように
憎悪や悲しみも日に日に増えていった
それを、私は、龍を使って
毎日回収しては無の世界に捨てていた
そうしていると、いつの間にか、私は神様にされていた。
でも、それでも限界があった
石油や重油に限りがあったように、無の世界にも限りがあった
今のあそこは、存在する物を
全てを欲しがる闇の世界よ」
何も変化がなかった、向こうの世界から突然
黒い無数の手が飛び出してきた
「うわっなんだ !!」
テニムは、リムを急いで担ぎ扉から離れた
「とにかく、あの扉を閉じないと
チコ、カイの治療は終わったか?」
巧真は、確認を取ろうとカイがいる場所に
目をやるがそこにはチコはいなかった
「ここ」
チコは、気付かないうちに巧真の横にいた
「頼む、とりあえず、動けるようにしてくれ」
「わかった」
そう言うと、その後は、まぁその・・言うまでもない
ただ、その光景に全員が目を丸くしてたね
真由が、驚いた表情をしてるので
「まぁ、その、これは・・なんだ、あの〜あれだ」
曖昧な事を言っていると
「フンっ」と言いながらそっぽを向いてしまった
結局、怪我はすべて治った
いや、別にあの状況でしばらくいたかったから〜
とか、そんなやましい理由で完治したわけじゃないからね
ただ全快の方がこの後も楽かなって思ったからであって
本当に、そんな理由じゃないからね
「とにかく、あの扉を閉じないとな」
「でも、閉じるってどうやって」
「そりゃ、決まってる
人力だろ」
巧真は、扉に方へ歩いて行った
すると、真由が引きとめた
「ちょっ、待って
なんで巧真が行くの」
「俺が行くしかないだろ
それに、これは決まっていた事だ
毎回、俺は無の世界に飛ばされる夢を見ていた
この場面が、きっとそうだったんだ
これが、俺の運命なんだ」
「何言ってるの
運命は変えられるのよ」
「そうかもしれない
でも、例えそうでないとしても
夢の中の俺と
今の俺は受け止め方が違う
俺は、死なないし消えたりなんかしない
っと言う訳で行ってくる」
巧真は、扉に向かって走り出した
無数の手をかわし
扉の前に到着した。扉は両側全開になっていた
そして、扉は、向こう側の世界にあった
巧真は、向こうの世界へ一歩踏み入れた
だが、向こうの世界には、地面がなかった
「ヤベッ」心の中で地面を創造すると
この世界に地面という概念が生まれた
周りは、真っ暗
ただ、扉とあっちの世界はくっきりと見える
片側の扉にしがみつき閉じようと踏ん張るがとても重い
反対側までとても手が届かない
そう思ったら、反対側の扉に俺が現れた
「この扉、閉じるぞ相棒 !!」
「なっ、誰が相棒だ ボケ」
「いいじゃねーか、二心同体」
「それただの、多重人格だ !!」
「そうなんだから、仕方ないだろ」
少しずつだが、扉が徐々に閉まってきた
扉をあと少しの所まで持ってきた
無数の手も扉が閉まるにつれ
無くなっていた
「ねぇ、待って
なんで、そっちの世界にいるの」
巧真は、あと少し手閉じるというのに
無の世界側にいた
「あぁ?今それどころじゃないんだょ」
「この扉、結構重いんだ
だからこのまま閉める」
「えっ?なんで
駄目よ、そんなの」
真由は、あと少しで閉まる扉を両手で押さえた
「うわっ、馬鹿押すな!!」
「こっちの身にもなれ」
扉は、また半開き状態になってしまった
「なんで?なんで、そっちに残るのよ
無の世界に残ったりしたら
消えてなくなるのよ」
「いや、もうここは無の世界なんかじゃないよ」
「そうだ、ここは闇の世界だ」
「無も闇も同じよ
お願いだから、戻ってきて」
真由の目には涙が溜まっていた
「真由・・お前、言ったよな
光がある所に影があるって
逆を言えば、影があれば光がある」
「無いかもしれないじゃない
周りを見てよ、暗闇だけよ」
「いや、ある必ずある
それにもし、なくても」
「俺が光になってやる
真由、お前はもう一人でも大丈夫だ
それに、お前はもう一人なんかじゃない」
真由は、ゆっくりと抑えていた手を下した
うつむく真由に巧真は
「真由・・」
「笑え、苦しい時こそ、悲しい時こそ笑え」
真由は、腕で涙をぬぐうと
「私もう、大丈夫
巧真なんかいなくても全然平気だから」
満面の笑顔を巧真に見せてくれた
一人に戻った巧真は、あと少しの所で扉を止めた
「あっ、そうだ。真由」
「え、なに?」
「お前も、あの夢
見た事あるのか?」
「う、うん
一応、私が考えた物語だから」
「聞きたかったんだけど
最後、あれなんて言ってるの?」
「えっ?なにってそりゃ、色々よ・・」
「はぁっ?何?聞こえない
ちょっ最後なんだし教えてよ
ほら、この扉閉まっちゃうよ
俺があと少し力入れたら閉まっちゃうよ」
真由は、しばらく黙っていたが
口を開き、巧真に呟いた
「・・・・」
それを聞いた。巧真は少し驚いた表情をしたが
一瞬、笑ったかと思うと二度と開くことはない扉を閉じた
あの出来事から、しばらく経った
一日で、この国を破壊しようとした奴が
一夜あけると、この世界を救った、英雄称されるようになったのは、
言うまでもない
神は、神と言う名称から姫と名称を変え
絶対的存在から象徴的存在へと変わった
また、扉や壁と言う境は、なくなり
政治の面は、それぞれの代表が合議によって
行われるようになった
そんな中、テニムとカイは
姫のいる部屋の扉の前で警護をしていた
カイは、扉越しに中で楽しそうに会話する
姫の声を必死に拾おうとしていた
「おぃ、カイ
盗み聞きなんかするな品がないぞ」
「だって、おかしくないですか?」
「ん?なにが」
「今、部屋の中には、姫しかいないんですよ
リムさんだって、他の警護だし
チコさんも、何もしゃべらないでどっか行っちゃったし
姫、もしかしておかしくなったんじゃないですか?」
「なんだ、そんな事か」
「え?他に誰かいるんですか?」
「いや、いないさ
姫、一人だろ」
「?」
「俺、一度だけだが
宿で、巧真が独り言を喋ってる所を見た事があるんだ」
「え?でも隊長はもうこの世界には」
「んなもん、簡単なことだ」
テニムは、胸を張りながら
「愛だよ、愛
世界をはさむような障害がある方が燃えるんだよ」
「うわっ・・なんスかそれ?
くさっ、て言うかキモっ !!
テニムさん、キモっ」
「あぁ?なんだとコノヤロー」
「うわっ、冗談ですよ
ちょっと、まって・・ごめんなさい !!」
未だに、問題は山積みだがこの世界は回っていく
創られた世界ではなく、これから自らが創っていく世界で
最後まで読んでいただいて本当にありがとうございます。
もう、ほとんど無理やりっと、投げやりって感じです。
一応、これで終わりです。
最後にまたくだらないオマケみたいな物書いてますけど、終わりです。
最後まで読んでいただいて本当にありがとうございます。
意見や感想、お待ちしています。




