身長なんて関係無い!!
巧真が城の入口に姿を現し
しばらく待ってると
息を切らせカイがやってきた
「隊長、探しましたよ」
「よぉ相変わらず
お前の能力は便利だな」
カイの特殊能力は
能力者の場所が分かるというちょっと微妙な能力
「でも、隊長は突然消えたり
突然現れたり、どこに現れるか
わからないから困るんですよ」
「それが、カイの特殊能力の弱点だな」
そんな、気楽な返事をしていると
カイが真剣な表情をし
「そんな事より・・」
「緊急集会だろ
わかってるよ」
言われる前に口をはさむと
「隊長、
ちゃんと今日は出て下さいよ」
なんて釘を刺された
「はぃはぃ
それから、トイも呼んでおいてくれ」
「トイをですか?」
「うん、じゃぁよろしく」
そう言うと、俺はまた姿を消した
会議室には
隊長格が勢ぞろいしていた
中にはリムもいる
「あれ?もしかして
また俺が最後かい?」
そう言いながら、俺は姿を現した
周りの隊長格の中には
「来なくても、良かったものを」
なんて、呟く奴もいる
この中には
俺の居場所はない
唯一、リムが周りを押さえる感じだ・・
まぁ無理もない
周りは30代後半から50代前半
そんな中に、20歳にもならない俺
明らかに不釣り合いだ
「ったく、だから
来たくなかったんだよ
もぅめんどくせぇ
一応、出席したからな
会議は適当に頑張ってくれ」
そう言うと、俺は扉に向かって歩きだした
「巧真君」
リムが、俺の所にやってきた
「なんですか?」
「ここだけの話なんだけど」
そう言うと
俺に耳打ちで
「巧真君を隊長格から降ろそうとしているの」
「知ってますよ」
「今はなんとか、私と神様で
抑えてるけど
いつまでもつのか・・」
「今日までですよ
後任もすでに、決めてるんです
大体、俺には隊長格だなんて
荷が重すぎるんですよ」
「でも、それでいいの?」
「いいんです。
みんなが、俺を追い出そうとしてる
理由だって知ってるし
丁度いいじゃない」
リムは深い溜息を吐き
諦めたのか
「・・ならいいわ」
そう言うと、リムは自分の席に戻った
扉の前に立つと
俺は、後ろを振り返り
隊長格全員に聞こえるように
思いっきり
「みんな、俺が怖いんだ
だから、隊長格から降ろそうとしてる
そりゃそうだよな、壁の向こうの奴等は
俺が全員nぶっ殺したんだ
それがこの世界で起こることを恐れてるんだろ
安心しろ、
今度お前ら全員ぶっ殺してやる(リムは例外)」
そう叫んで
扉を足で蹴り開け、出て行った
扉を出ると
トイとカイが立っていた
二人とも口を開かなかったが
トイが、口をあけた
「・・隊長」
「また、盗み聞きか?
礼儀がなってないな」
「でも、隊長」
「もう俺は隊長解任だ。隊長だなんて呼ぶな
それで後任なんだが」
「隊長 !!」
「なんだ」
「俺をここに呼んだ理由はこれですか」
「そうだ、カイだけじゃなくて
お前も呼ぼうと思ってな
それで隊長なんだが・・」
「俺は、嫌です」
「ん〜じゃぁ、カイが隊長な」
「俺は認めません」
「え?じゃぁ、トイが隊長やる?」
「隊長は、隊長しか認めません」
「だから、俺は解任・・」
続きを言おうとすると
突然、トイが俺の両肩を掴み
壁に押し付けてきた
改めて見ると、トイは俺よりも
身長が、高い見上げるほどだ
俺が身長小さいのかな・・
「どうして、そんなにあっさりと諦めるんですか
どうして、そんなにあっさりと俺達を残して
去っていくんですか」
「・・・
すまないと思うが、これは決まったことだ」
「隊長はそれでいいんですか?」
「あぁ、自分で選んだ道だ後悔はしてない」
「俺は絶対認めませんから」
そう言ってトイは、掴んでいた手を乱暴に放し
どこかへ
駆け出して行ってしまった
乱れた服を整えていると
今度はカイが口を開いた
「・・隊長」
「部隊とトイの事、よろしく頼むな」
「俺も、認めたくありません」
トイは、俺と身長同じくらいかな?
「そぅ、言うな仕方ないんだ」
「どうしてですか」
「これ以上、周りに影響を与える訳にはいかないからな」
「・・・?」
「それに、お前の探査能力があれば
隊長の仕事なんて、御茶の子さいさいだ
サボってる奴が、いたらすぐにバレちゃうからな」
「隊長は、見周りはよくサボってましたからね」
「あぁ・・ばれてたかやっぱり」
「はい、でも隊長はやろうとすれば
俺にも隊長の位置見えなくなるんでしょ」
「まぁ、頑張ればな・・」
「神クラスはさすがですね」
「まぁ、とにかくこれから頼むぞ
新隊長」
「・・はい」
「それじゃ、お疲れ」
そう言って、カイを残し階段を下りて行った
「おぃ、なかなかいいこと言うじゃないか?
心はこもってないけどな
まるで、心に深い穴が開いてるみたいだ」
階段を降りると
横に俺が座っていた
「黙ってろ、これでお前も終わりだ」
「そんなんでいいのかよ
また、あの時見たく物語を変えようとしようぜ」
「黙ってろ
それに俺には、物語を変える力はない」
「はっ何言ってやがる
壁の向こうで、無理やり変えようとしたくせに」
「違うそんな事はしていない」
「過去は、変えられない
バイロが死んだ事も変えられない
なのに変えようとした
だから、壁の向こう側の奴等は
全員、死んだ」
「違う、変えようとしたのはお前だ」
「だから、お前が俺なんだよ」
「俺はお前なんかじゃない」
「全く・・つまらない
そんなんでいいのか?」
「あぁ」
「そうか、もぅ昔のお前には戻らないんだな」
「そうだ
そもそも、お前が存在してる時点で
昔の俺はもういない」
「そうか・・・」
そう言って、そいつは立ち上がり
こっちに近付いてきた
だが、何かおかしい
なぜか、あいつの足音が聞こえる
下にある石ころもあいつに当たると転がり
砂利も踏むと音がする
「まさか・・」
「なんだ、今頃気づいたのか?」
「お前・・具現化したのか」
「あぁ、俺はなんだってできる
神クラスだからな
もぅ、昔のお前はいないんだろ
だったら、俺が取り返してやる」
「・・・」
「そうだな
まずは、俺が今から、神様を殺すか
そうすれば物語がまた大きく変わる」
「そんな事はさせない
具現化したってことは
今ならお前を潰せるってことだ」
「おぃおぃ、自分を殺すって言うのか?
お前の事を思って、こんな事までしていると言うのに」
「お前は周りを不幸にする」
「周りって、どの事を言ってるんだ?
人間なんてこの世界には、いないと思ってる癖に」
「そんな事はない」
「決められた事しかしない
人形だと思ってる癖に」
「違う」
「そうだな・・じゃぁこんな物語はどうだ」
そう言うと、俺の頭の中に
新しい物語が入ってきた
「・・止めろ !!そんな事はさせない
お前をここで倒す」
「まぁ、無理だけどな」
「そんな事はない」
「力は互いに五分五分
ただ、一つ俺がお前に勝ってるものがある」
「人を簡単に殺せる思う気持ちか?
くだらない」
「違うね・・覚悟だよ」
そう言うと、刀を取り出し
俺に向かってきた
俺はナイフを取り出し
構えた
「はっ、そんなんじゃ
俺は殺せないぞ」
巧真の刀が俺の胴体を狙って
振ってきた
俺は姿を消し巧真の横に現れ
喉元にナイフを突きつけた
「あっけないな
これで終わりだ・・」
「それが甘いんだよ」
よく見ると
巧真の腕と刀が無い
俺の後ろで刀が振り下ろされるのを
感じた
横に転がり直撃は避けたが
肩を切られた
「くそっ・・」
「くそじゃねぇよ、馬鹿」
片膝をついてる俺に
巧真は顎を蹴りあげられた
一瞬にして口の中に血の味がしみ込んでくる
あお向けの状態で倒れると
その上にやってきて
俺の右腕に刀を突き刺した
「━━━━━っ!!」
「俺に、とどめを刺さないから、こうなるんだよ
こうなることは、わかっていたはずだ
なのに、お前は俺を殺さなかった」
刀を刺した状態で
傷口を開くように、じわじわと動かしてくる
「がっ・・」
「どうした?
泣けよ、助けてくれって泣けよ
まぁ無理だよな、誰も助けに来ないんだからな
誰も、ここを通る予定が無い
みんな余計な動きを見せないからな
それでも、
お前はこいつ等が人間だなんて言えるのかよ !!」
その言葉と同時に勢いよく
俺の手を足で踏みつけ
腕から刀を抜いた
「くっ・・・」
腕から大量に血があふれてくる
いつもなら止まるのに、止まらない
「全く、俺がいないと
全然駄目だな、出血を止めることもできない
俺が、いないとお前は何も出来ない
バイロに腕を切られた時
助けてやったのは誰だ?
無の世界に入り込んだ時助けてやったのは
誰だ?・・俺だ !!全部俺が助けた」
「・・・」
「それなのに、お前は俺を否定する
・・待ってろよ
お前のその死んだ目を俺が吹き飛ばしてやる
言っておくが、これはお前のためにやるんだ」
そう言うと巧真は姿を消した
遠くではカイが俺の名前を呼んでいる
「カイ・・よく、聞け」
俺は、カイにあることを伝え終わると
意識がだんだんと薄れていくのを感じた




