生き方は人それぞれ
部屋を出るとチコが横に立っていた
「あれ?」
「ごめん、降りてくるの遅かったから
見に来た」
「そっか・・」
そう言って、下に降りようとすると
チコが突然、俺の服を引っ張った
「最後の食事って?」
「別にそのままの意味だよ
テニムも警護に行くんだから
しばらくは食えないだろ
俺達も城に在住するようになるんだから」
「それでも、たまにはここに来る」
「そうだな」
「だから、どういう意味?」
「・・・」
「教えて」
「二日後に俺はこの街を出て行く」
「なんで」
「何でもだ
俺はここにいれなくなる」
「意味がわからない」
「未来が来ればわかる
さぁ、飯だろ食いに行こう」
そう言って俺は一階に下りて行った
下に降りると
テニムが、飯の準備をちょうど
終わらせる所だった
「おぃ、降りてくるの遅いぞ」
「ごめん、二度寝してた」
「まったく、しばらく
ここで飯が食えなくなると言うのに」
「ごめん、ごめん
あぁあとなんか神様に呼ばれたから
これ食ったら行ってくる」
「ん?あぁわかった」
「それにしても
テニムもついに城にお仕事か・・
大変だね」
「まぁ仕方ないさ
こんな時期だしな」
「そうだね」
「まぁ、俺は大体バイロの代わりだろ」
「・・・」
「っと、悪い」
「いいよ、俺のせいだしな
俺の力不足だ」
「だから、巧真のせいじゃないって」
「無理してそんな事言わなくていいよ」
「違うって俺はそんな・・」
「俺にとっては責めてくれた方が楽なんだけどな」
「巧真・・俺はお前のせいだって
思ってなんかいない」
俺は、その言葉についカッとなった
「違う !!
テニムは嘘をついてる
心の中では俺のせいだって思ってる
わかってるんだ
そんな事はそれなのにテニムは」
「巧真、落ち着け」
「御馳走さん
ごめん、神様の所に行ってくる」
そう言って巧真は消えた
「巧真の奴、バイロの事あってから
変わったな・・」
「そんな事ない」
「え?」
「変わろうと思ってるだけ」
「そうなのかもな・・」
「テニムだってそぅ」
「そうかもな・・
チコだって変わっただろ」
「どこが?」
「俺とも会話するようになった」
「・・・・」
巧真は神の部屋に現れた
「神様、来たぞ」
「遅いまた迷ったりしたの?」
「冗談だろ
瞬間移動で迷うかって」
「まぁ、いいわ
もう少しで完成ね」
「あぁ、そうだな
お前にとっては地獄の始まりだけどな」
「私がどうしてこんなことを
やろうと思ったか知ってる?」
「どうしたんだ?突然」
「いいからどうしてだと思う」
「そりゃぁ、争いを失くすためだろ
誰だって考えるだろ」
「実は、私は巧真君の時代より未来から来てるの」
「知ってるよ
第三次世界大戦が始まったんだろ?」
「うん、世界的に
石油、重油、食糧不足
になってね・・
化学兵器や大量破壊兵器も使用されるようになった
一部地上では、暮らせなくなるまで戦争は続いた」
「世も末だな」
「私の父親もその戦争で亡くなったわ」
「そうか・・」
そう言うと、真由は俺を見ながら
しばらく黙ってしまった
「どうした?」
真由は深く息を吐き出し
話を続けた
「そんな中、私はこの世界にやってきた」
「それが5年前か・・」
「そうよ、誰かから聞いたの?」
「いや、まだ聞いていない」
「私が、ここに来た時は
この世界も戦争をやっていたわ
普通の人、能力者だけどお互いに違う能力を使う人」
「壁の向こう側と、この街の事か」
「うん、そんな中に私は放り込まれた
どこに行っても戦争、戦争、戦争
大体の原因は、互いの思想の違い
もしくは、この世界のように能力があるかどうか
あったとしてもその種類の違い
たかがそんな事で、人は争う
だったら同じ人同士分けて
同じ思想を持たせれば争いは無くなるそう思ったの」
「壁や扉で分けてるのは
それが原因だったのか・・」
「偽りの記憶も彼等に入れてね
でも、全てを変えることはできなかった」
「バイロの事か?」
「そう、あれは予想外だった」
「違うね」
「え?」
「あれは予定通りだった」
「そんな事はないわ」
「何を言ってやがる
これからのシナリオを、言ってやるか?
二日後、俺は能力を失い
この街には、いれなくなる
物語も見えなくなり
そして扉の向こうで
誰ともかかわらずゆっくりと過ごす
だが、俺は相変わらず
独立した動きをする
誰とも、関わってはいないが
周りの人が、影響受けるかもしれない
それを防ぐために
神様、直々に俺を無の世界に葬り去る
これで、この世界に害を及ぼす者は
いなくなり世界は、争いもない社会が完成する
どうだ?違うか」
「・・その通りよ」
「俺は、バイロの死が無ければ
物語は見えなかった
正直、あの攻撃ぐらいだったら
バイロだって、避けれたはずだ
未来が見えてなければな」
「・・・」
「つまり、あれは重要な鍵だったんだ」
「違うわ」
「バイロが死ぬ事も予定に入っていた」
「違う」
「何が人の生き死には制御できないだ
純粋そうな顔して
意外とすごいことしてるじゃないか
自ら手を下さずとも人を殺せるんだからな」
真由が突然、俺の前に現れ
頬を思いっきりはたいた
今までで、一番威力はなかったが
今までで、一番痛かった
涙をボロボロと流しながらも
巧真から一切目を離さなかった
「あ・・悪い
そんな事を言うつもりじゃなかったんだ」
「便利よね、多重人格って」
「え・・?」
「私がやったんじゃない
もう一人の私がやったのって言えば
済むことなんだし
巧真だって今、
もう一人の自分のせいにしようとしたでしょ」
「・・・」
「私、思ったの
そんなの意味がない
ただの、自己弁護だって
だから私は、正面から受け止めようと思った
何でも受け入れてた巧真君のように」
「違うよ」
「なにが?」
「俺は、受け入れてたんじゃない
ただ見ていただけだ
周りがどう変化するか、それを見て
俺もそれに合わせて変化しようとしたでけだ
所詮、外から見てるだけなんだよ」
「それは、この世界に来る前の事で」
「ここに来てからもそうだ
自分は、変わろうと思っても
結局は何にも変わってなんかいない
だから、これから起こる事にも素直に従う
それが俺の、生き方だ
あいつにそう言われた」
「違うわ、もぅ一人の自分に
なに言われたか知らないけど
巧真君は・・」
「とにかく !!
話はこれで終わりだこれから
やらなきゃいけないことがあるんだ」
そう言って、巧真は部屋から姿を消した




