表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/30

主観と客観

しばらく進むと

そこでは侵入者と警備の人たちが

闘っている声が聞こえてきた

そっちに向かうと

怪我人が周りに倒れていた

「おぃ、案内はもぅいい

 怪我を治せる奴を呼んで来い」

「わかりました」

巧真は声のする方へ急いで行った



警備の人たちは

侵入者が逃げないようにか

周りをぐるりと囲んでいた

何とか人混みをかき分け

侵入者のいるところに行くことができた


そこでは数人の警備の人

バイロとリムも戦っていた

その侵入者の方だが

肌の色は茶色く

目の色は金色

変わった能力を使っていて

自らの手足などを剣に変形させ

警備の奴に襲いかかっていた

今まで見たことのない能力だ


「なんだこいつ等は・・」

「危ない !!横」

警備の人にそう言われ

横を向くと

侵入者が俺に襲いかかってきていた

右手の指を刃物に変え

俺に突き立ててきた

何とかかわし

木刀を出しそいつに振り下ろした

まともに喰らった侵入者は

その場で倒れた

「捕らえとけ」

何人かが侵入者に飛びつき

抑え込んだ



その時、リムの悲鳴が聞こえた

「リム?」

悲鳴の聞こえたほうを見ると

身長は2m以上あるような大男が

リムを捕まえていた

意識がないのか

ピクリとも動かない

大男が他の侵入者に合図を出すと

侵入者は大男の周りに集まり始めた

誰かが

「逃げるきだ」

そう言うとバイロや他の警備の人達が

侵入者に向かって行った

大男が何か力を使っているのが見えた


その時、何となくだが

その力で廊下の壁が崩れるとわかった

ほかのみんなは気づいていない

「駄目だ、みんな離れて」

そう叫んでも誰も聞こうともしない


その時、壁が一斉に崩れ始めた

みんなが気付き慌ててるすきに

侵入者たちはいなくなった

俺は力を使い落ちてくる瓦礫を

途中でとめた

「早くどいてくれ

 力が持たない」

全員が瓦礫の下から抜け出したことを確認し

力を使うのをやめた


「すまない、巧真助かったよ」

「それより、リムが連れ去られた

 どこに行ったんだ?」

「おそらく、壁の向こうだ」

「壁?」

「神様の所に行ってこい

 緊急事態だ」

「あ、あぁわかった」



階段を上がり

神の部屋に入ると

真由はいなかった

ただ五人の老人が座っていた

「あれ?神は」

「何の用だ、今は会議中だ」

「リムがさらわれた

 助けに行かないと」

「怪我人の治療が最優先だ

 幸い死者は出てないみたいだからな」

「なに言ってるんだ

 さらわれたんだぞ助けに行くのが普通だろ」

「今回、我々は壁の向こう側へは

 一切関与しない」

「つまり、助けに行かないってことか?」

「そうだ」

「ふざけるな !!

 神はどこに行った直接話す」

「これが神の意志だ

 我々の考えが神の意志だ」

「どうして、助けに行かないんだよ」

「我々が向こう側に侵入すると言うことは

 宣戦布告を意味するからだ」

「なに言ってるのかさっぱりわからないよ」

「会議の邪魔だ出て行け」

そう言って老人の一人が俺に

右手を向け衝撃波を出してきた

それを喰らい部屋から追い出されてしまった



「あの野郎・・」

「巧真、大丈夫か」

横には何故かバイロが立っていた

「なんで?中に入れないはずじゃ・・」

「緊急事態の場合、壁は全てなくなるんだ

 それより、どうなった?」

「どうもこうもあるか

 助けに行かないらしい」

「なんでだ?」

「知るか

 もぅ一度行ってくる」

そう言って扉に手をかけた時

「無駄よ」

横に真由がいた

「おぃ、どういうことだ

 何で助けに行かないんだ」

すると真由は何かの力を使った

周りを見ると

バイロや他の人たちが突然動かなくなった

「ちょっと、気を付けてよね

 私が未来を創ってるとかはみんな知らないんだから」

「これも考えた未来なのか?」

「違うわ、誰かが書いた物語だわ」

「誰が書いたんだ?」

「わからない」

「って、なんで会議に出てないんだよ

 お前からも言ってくれよ」

「だから、言ったでしょ無理だって

 確かに私は神だけど

 緊急事態になると

 私はお飾りみたいなものなるの」

「政権が変わるってことか?」

「そう、あの老人たちにね

 私は今何も出来ない

 ただどうなるかはわかってる

 この街は私の意思も反映されてるからね

 このまま助けには行かないわ」

「なぜだ?意味がわからん」

「いい?壁の向こうとは

 簡単に言えば一つの国なのよ

 そして互いに

 干渉はしていないけど

 敵対してる

 些細なことで戦争になりかねない

 それなのに助けに行ってごらん

 適当に言い訳を付けて戦争が始まるわ」

「でも、明らかに向こうが仕掛けてきただろ」

「だからと言って

 こっちから戦争をするって言うの?

 馬鹿言わないでよ私はいやよ戦争だなんて」

「それじゃ、リムを見捨てると言うのか」

「一人の命と住民の安全

 天秤にかけるまでもないわ」

「俺は納得いかないぞ」

「でしょうね

 主観的に見ては駄目よ客観的に見ないと」

「・・力を解いていいぞ

 バイロにこのことを話す」

「いい?私が未来を創ってることは」

「わかってる、言わないよ」

「ならいいわ」



バイロや周りの人たちが動きだした

「バイロ、どうやら本当に

 リムを助けにはいかないらしい」

「くそっ、どうして」

「それがこの街の方針らしい」

「やっぱり、駄目だったか」

そう言って、どこかへ歩きだした

「バイロどこに行くんだ?」

「時間はあまりない

 俺一人でも助けに行く」

「そうかその手があるか・・

 俺も行く案内してくれ」


それを聞いた真由が

「ちょっと、さっきの話聞いてなかったの

 向こうに行ってみなさい

 戦争が始まるわよ」

「この国は関与していない

 それでいいんだろ?

 つまり俺とバイロの単独行動

 俺達が捕まっても

 一切の関与を否定すればいいんだ」

「そんなのが許されると思ってるの?」

「もちろん、無理だと思う

 だから急いで

 知られる前に行く」

そう言って俺はバイロの後を追いかけた




「ねぇ、バイロ

 壁の向こう側って何?」

「あぁ?今まさに

 そこに向かってる最中だよ」

「いや、そうじゃなくて」

「扉の向こうの世界と同じだ

 別の世界につながってる」

「それがどうしてこっち側にやってきたんだ?」

「さぁ、向こうの要求もわからないままだしな」

「わからないことだらけだ」

「とにかく、リムの救出だ

 それ以外はどうでもいい」

「わかってる」

「着いたぞここだ」

そこは城の中で

目の前には城の壁とは色が違う

レンガでできた壁があった

「うん、壁だ・・」

だが入口が無い

「バイロ、入口はどこ?」

「レンガに手を入れてみろ」

言われたとおりにしてみると

何にも抵抗がないまま

レンガに手が入って行った

「わかったろ?」

「見えない壁の反対バージョンみたいな感じだな」

「うん?まぁそうだな

 入るぞ」

「待った、待ち伏せされてるってことは?」

「それはないな

 向こうの世界では待ち伏せしても意味がない」

「?」

意味もわからず

俺達はレンガの中に入って行った



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ