表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/30

昔話は眠くなる

「これぞ柔術成り」

そこへテニムが登場した

バイロのたたき落とされて割れた地面を見て

「はぁ、良かった

 この程度で済んで」

その場で伸びてるバイロの肩を持ち

「巧真、手伝ってくれ

 こいつを家まで運ぶぞ」

「うん、わかった

 あぁちょっと待ってチコ行くぞ」

そう言うと

チコが物陰から出てきた

「テニムはどこに行ってたの?」

「バイロの家だよ

 行っても誰もいないから俺を探しに行って

 迷子になったんじゃないかって思って探してたんだよ」

「おぉ、鋭い」

「それなのに

 バイロとまた喧嘩しようとしやがって」

「いや、ごめん

 でもなんで止めたの?」

「馬鹿か?あんな所で戦ったら

 周りの建物に被害が出るだろ」

「あぁそうか

 でも、俺が勝ったぞ」

「はぃはぃそうですね」



何とか、家まで運び

部屋まで連れて行くと

やけに立派な布団が置いてあった

「何これ、めっちゃフカフカじゃない?」

「あぁ、バイロ布団はこだわってるからな

 たしかなんかの動物の毛だったような

 ほら早くこいつを寝かせるぞ」

「はいよ」


俺達は、バイロの目がさめるまで

ここで待つことになった

「なぇ、バイロは何をテニムに伝えたかったんだ?」

「さぁわかんないな

 リムならわかるかもしれないな」

「リム?」

「ん?聞いてないのか?

 ならズルの事も聞いてないのか」

「その前に戦闘開始になってましたから」

「そっか

 俺とバイロ、リムは昔はヤンチャばっかりして

 ここでは少々有名な悪ガキだった

 バイロは炎、リムは・・」

「なぇその昔話、長くなる?」

「え?あぁ、まぁ長いかな?」

「パス」

「おぃおぃ、聞けよ

 そんでもってこの街で俺達の事を・・」


「なぁ、チコ

 チコって本当はいくつ?」

「19」

「本当なの?」

「本当、今年で20になる」

「だってさぁ

 こんな幼稚体け・・」

チコの強烈なアッパーが俺の顎にさく裂した


気がつくとテニムの長かった話も終わり

バイロが目覚めてやってきた

「テニム、来てたのか」

「当たり前だ、家で待ってる

 と言っておきながら出かけてるんじゃないよ」

「来るのが遅いから心配になったんだよ」

「俺はお前の方向音痴の方が心配だよ」

「それより、宮殿の仕事が決まったんだ

 テニムも来てくれ」

「はっ?何で俺が?

 俺たちじゃ入れないだろ」

「向こうから迎えが来るんだ

 そいつらについて行けば入れるらしい

 リムも一緒に行くんだ」

「リムも?」

「あぁ」

「リムはどこに行ってるんだ?」

「さぁ、お前を探しに行ったんじゃないのか?」

「いやバイロを探しに行ったんだろ」

「そうかもな

 とりあえず、石段の所に行くぞ」

「えぇ?なんで」

「いいからいいから」

そう言ってテニムを連れて行ってしまった


「チコ、後を追うぞ」

「どうして?」

「え・・えっとなんとなく」

「わかった」

「よし、あれ石段の場所ってどこだっけ?」

「私、覚えてるこっち」

「さすがチコ頼りにしてるよ」

チコの後を追い、家を出ると

目の前に青色の長い髪の女性が現れた

「バイロを見かけなかった?」

「石段に向かったよ」

「そう、ありがとう」

そう言って一瞬にしてどこかへ消えてしまった

「なんだ?今の」

「何してるのこっち」

「あぁ、わかった」



石段に到着すると

テニム達とさっきの女性が立っていた

「久しぶり、テニム」

「あぁ久しぶりだなリム」

どうやら、リムとは女だったらしい

男だと思ってたんだけどな

「おぃ、テニムお前は石段の上に入れるか?」

「俺は入れないよ

 バイロも入れないんだろ」

「そ、そうだけどさ

 とにかく、手だけでも入れてみろよ

 入るかもしれないぞ」


さっきから何の話をしてるんだ?

「なぁ、チコ

 あの石段にみんな上ることができないのか」

「わからない

 ただ、テニムも上がることができないのなら

 レベル5以上が必要」

「チコってなんぼだっけ?」

「私は実はレベル4」

「テニムと同じか

 なら俺が試してみよう」

そう言って俺は石段の方に近づいて行った


「巧真、やめとけ

 俺だってこの通りだぜ」

そう言って、石段の何も無い所で

ノックをすると

何も無い所が歪んで見えた

「見えない壁か・・」

俺はゆっくりと石段に近づいて行った

右手を前に置きゆっくりと進んだ

「おぃ坊主、止めておけ無理だって

 お前はせいぜいレベル3だろ」

「俺は坊主じゃない巧ん・・」

自分で自分の足に躓き

体制を崩してしまった

「だぁぁ・・」

俺はヘッドスライディングの体制で見えない壁に

突っ込んで行ってしまった


ぶつかるそう思い目を閉じていたが

ぶつかるにはぶつかったが

石の感触がした

何とか起き上がり後ろを向くと

みんなが唖然としている

俺の立ってる場所を見ると

なんと見えない壁を通り抜け

石段の上に立っていた

「・・・あれ?」



「まじかよ、信じられない

 あの坊主・・え?リムどういうこと?」

「えぇっと、つまり彼の潜在能力も5以上ってこと?」

「そうかもしれないな

 巧真の能力は謎が多すぎる」

何やら、向こうで話し合ってる

俺はどうしたらいいんだか

「まぁ、巧真とにかくこっちに戻ってこい」

「ちょっと上の方見に行ってきてもいい?」

「なっ、駄目に決まってるだろ

 そこに入るには本来なら許可が必要なんだ」

「つまり滅多に見れないってことだろ?

 じゃぁ、行ってくる」

そう言って、俺は石段を駆け上がろうとした

だが首元を誰かに掴まれたかと思うと

気がつくと確か、リムとか言う

人の横に立っていた


「あれ?」

「リム、助かったよ」

「あれ?テニム?」

「リムの個人能力だ」

???

「物質移動だよ、しかも特殊のな」

「俺、石段にいなかったっけ?」

「そうだぞ」

「なんで、元の場所に戻ってるんだ?」

「リムの場合、俺等がやる物質移動

 より早くて的確に移動させることができるんだよ」

「誰かに首元を掴まれたような気がしたんだけどな」

「リムは、自分の手だけを飛ばして

 捕まえたものを好きな所に置くことができるんだ」

「へぇ〜便利だな」

「闘技場でバイロが突然消えたりしただろ?」

「え?じゃぁ、バイロのズルってこの人の能力だったの?」

「そう言うこと

 俺達みたく遅くないし服が消えるってこともない」

「なるほど」

「とにかく、一度バイロの家に帰るぞ

 ここにいても何も始まらん」

そう言ってみんなが歩き始めた

その時、俺は頭の中で耳鳴りのような物が

聞こえ頭に痛みが走った


「痛っ・・」

その異変に気が付いたチコは

「どうかした?」

「いや、なんでもない

 先に行っていてくれ」

「そう、わかった」

そう言って、テニム達の後を追って行った



俺の頭の中にあの神の声が

聞こえてきた

「石段を上ってきて」

どうして?

「いいから」

許可がいるんじゃないのか?

「私が許可します」

なんだそれ?もしかして城の中にいるのか?

「うん、もちろん

 神様だもん」

どこにいるんだ?

「探してみて、かくれんぼ」

おもしろい、いいよ


そう言って俺は石段を駆け上がって行った

何とか階段を駆け上がると

城の尋常じゃないでかさに驚いた

確かに遠くから物を見ると小さく見えるが

いくらなんでもこれはありえない

この中から探すのかよ・・

「そうよ、頑張って」

制限時間とかないよな?

「なぃなぃ」

まぁ、とりあえず

中に入るか・・


中に入るとそこは西洋風というか

本当におとぎ話に出てきそうな建物だ

入口から入ると目の前には階段があり

左右対称に建物が建てられたいる

「うぅっわ、すごいな・・」

人は誰もいなくガランとしていた

しばらくそこら辺を歩いていると

向こうに人影が見えた

神の場所でも聞こうかと思い

その人に近寄り

声をかけた

「いい忘れてたけど、他の人に

 あなたが見つかったら駄目だから」

本当に言い忘れてたのか?

わざとなんじゃないだろうか?


声をかけるとその人は

俺を見て、驚いた様子で

しばらくフリーズしていたが

だんだんと顔が強張っていき

思いもよらない一言が飛び出した

「し、侵入者だ━!!」

「えぇぇ━?」

最後まで読んでいただき

ありがとうございます

何とか10話書くことができました

これからもよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ