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食人種

 『食人種』という種がある。

 容姿も言葉も、文化も風習も人間と似たような歴史を築いてきている。ほぼ人間といっていい彼らについて話をしよう。差別や偏見、あとは事件に巻き込まれないためにもね。


 まず『食人種』……彼らにはそれぞれの味がある。例えばリンゴやミカン、スパゲッティやミルク……皮膚や血液が何らかの食べ物の味がするのだ。人間の血液は鉄みたいな味がするがね。

 滑稽な話かもしれないが、事実だ。あぁ、食感は変わらないよ。と言っても人を食べたことがある奴なんていないだろうからわからないと思うがね。

 その味は成長するにつれ変化する。子供の時はリンゴの味だったが、中学生や高校生になるとバナナの味がするなど、大きく変化するのは思春期のその頃だ。その後、ちょくちょく味が変わることはある。人間どこでどう変わるかわからないのと同じで、どこでどう味が変わるのかもわからないんだ。


 そして次、彼らが『食人種』と呼ばれた理由。

 これは簡単だ。

 彼らは食べあうんだ。

 同じ種族同士で食べあう。あ、死体ではないよ。生きたまま食べるんだ。

 何故同じ者同士で食べあうのか……。

 それは種の存続だ。

 ここは重要でね。メス……まぁ、女性が男性を食べるんだ。結婚しお腹に赤ちゃんを授かった男女に限ってね。

 何故食べあうのかははっきりしていない。『食人種』とは近年にはいってから交流するようになったからね。

 ちなみに私は赤ちゃんに栄養をやるためだと思っている。栄養を受け取った赤ちゃんは大きくなっても風邪や病気にならないし、何より一年以上食事を摂らなくても生きていけるという結果があるんだ。


 ……と、私の推測は今は必要ないな。

 まぁ、何を言いたいのかというと最初に言ったとおりだ。

 彼らの生態を知ることで、差別や偏見的な考えをなくしてほしいということだが……これは無理かもしれないがな……。まぁ、彼らは悪いことをしているわけじゃないんだ。人は自分の赤ちゃんに離乳食をやるが、彼らは自分の体をあげるだけのことさ。

 あ、あと『食人種』は人間の男性も食べるから君達気をつけろよ。

 食べられてもいいくらい彼女のことを愛している、などと思ってる奴を止めはせんがお勧めはしない。

 死んだら愛もクソもなくなるからな。


 ……よし。以上で講義は終了だ。

 くれぐれも喰われないでくれよ。

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