少年と少女の出会い 少年編
とても遅くなりました。
読んでもらえたらありがたいです。
少年side
目の前で微笑む少女を見て、絶句する。
あの、常に無表情だった少女が笑った。
今日初めて会ったように振舞っていたが、実はもっと前から何度も会っていた。といっても、少年が遠くから見ていただけなのだが。
毎日の検査のために病室から移動する少女を待ち伏せして見ていたのだ。
なんとも言えないストーカー的行為。
それでも、少年は初めて会った時から恋をしていた。
自覚したのは少し経ってからだったのだが。
初めて出会ったのは少年がカウセリングに来ていた時だ。
といっても、少年がカウセリングされるのでは無くカウセリングをするのだ。
少年は生まれつき共感覚と呼ばれる症状を持っていた。それも、確認されている症状すべて。
共感覚とは、数字や音などに色や形が見えるのだ。
他にも、人の性格などに色を付ける等。一般的にオーラと呼ばれる物が見えるような感じだと捉えてもらってもいいだろう。
つまり、少年の世界は色と形に溢れていたのだ。
これを分け与えるために来ていたのだった。
感情ではないから、とはいえ危険が無いとは言えない。
それでも少年は色や音のある世界を見せたかった。
もしかしたら、それこそ、共感して欲しかったのかもしれない。
そこで、失われたモノが比較的軽い患者とのカウセリングをしていた。
そんなある日の事。
カウセリングが終わり、暇を持て余した少年が庭に来ていた。
この病院の庭はとても綺麗で広いのだ。
例え、入院していなくても散歩をするために訪れる事も出来る。
何時ものベンチに座り五線譜を取り出した。
そして、周りを視る。
ふと、硝子張りの廊下を歩く少女を見つけた。
長い黒髪。黒い瞳。真っ白で雪のような肌。
病服の色は白。白く細い手首には症状の重さを示す黒いブレスレット。
黒と白のコントラスト。
思わず目を奪われ___
嗚呼、と息が漏れる。
そこからはあまり覚えていなかった。気づいたら周りに書きあがった五線譜が散らばっていた。
慌ててかき集めてほっと溜息をつく。
おそらく昼間に見た少女は、噂の黒い少女なのだろう。
でも、黒では無かった。白だった。
どこまでも、何も無い。哀しいほどの白。
空っぽで、なんの表情も無い少女らしいと思った。怖いとも思った。
でも、とても綺麗だった。
少年が少女に出会ったとある黄昏時の事。
まだ続きます!




