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少女の違和感
遅くなりました。
「……そうか。」
少年は黙り込んだ。
少女は相変わらず無表情だ。
沈黙が続いた。
それでも、少女は今の沈黙は今までのものとは違う事が分かっていた。
目を閉じてその沈黙を感じていた____
「ん?」
少女は違和感を覚えた。
感じていた?いま?この沈黙を?
少女は感情が無いはずだ。
感じていた、の?
バッと少年を見た。
少女の突然の行動に少年は目を丸くしていた。
「……どうしたんだ?」
「…感じていた。」
「何を?」
「沈黙を。」
「沈黙?」
「そうだ。」
「そうか。」
少女は満足そうに頷いた。相変わらず無表情で。
少年は、少し期待したような瞳で少女に問いかけた。
「…外に出てみないか?」
「外?」
「そうだ。すぐそこの、庭に。」
「外出は、届けを出せば大丈夫だが…君がここにいる事は問題にならないか?」
「………どうにか、する。」
「そうか。」
「そうだ。」
「……一つ聞くが、ここがどういう所か分かっているんだよな?」
少年はなんの迷いもなく頷いた。
「そうか。…君も、いや。何でもない。」
「それでは無い。その逆だ。」
「……逆。」
「そうだ。逆だ。…でも、とりあえず外に出よう。」




