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第五話
強引に片付けをして、渋々帰る事を承諾してくれたみなみを引き連れて、道路わきに点々と光る街灯のあかりをたよりに、私達は家路についた。
帰り際もみなみは、もう少し描けたのにだの、いいアイデアが浮かんでいたのにだの愚痴をこぼしてくるが、そんなものにはもう慣れた。
夜の静けさに包まれた住宅街を歩くと、美味しそうなごはんのかおりが鼻に付く。カレー、ハンバーグ、焼肉、たこ焼き、オムライスにグラタン。自分たちの今日の夕食はどんなものがでてくるのかを話した結果、みなみの家はオムライス、私の家はビーフシチューではないかという結論に至った。夕食の予想をするのはいつもの事だけど、一度も当たったことはない。
適当に話題をつなげて話していると、T字路に突き当たった。みなみは右に、私は左にそれぞれ曲がり別れを告げた。
読んでくださりありがとうございました。