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佐原みなみは死んだ。
佐原みなみについてのプロローグにあたります。
佐原みなみは死んだ。
それは、佐原みなみである私自身が一番わかっていることだった。わたしの魂は、天にいざなわれ輪廻転生の輪の中で、たくさんの魂とミキサーで混ぜられたかのように入り混じり、原型などとうに忘れてしまっていたはずだ。
そんな私の魂が、今もなお私自身を形成する事などありえるはずがない。私という人格そのものが存在するはずないのだ。
なのになぜが、私はここで意識をもっているし、感情を表すこともできる。私はしんでなどいなかったのだろうか?
今日もまた朝が始まる。
誰もが知る明瞭な朝が。
読んでくださって、ありがとうございます。
感想などいただければ幸いです。
次はもう一人の主人公の話しになります。