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琴乃視点です。


私は放課後、職員室にそそくさと向かった。


決まりに従って「失礼します」と忘れずに挨拶しながら職員室に入り、すぐ右に曲がって先生たちのデスクを横切りながら進むとカウンターがある。


そこに、ケン太くんがいた。



なにやらなんかの用紙に書き込みをしていて、覗いてみると盗難に遭ったらしく記録用紙に名前とクラス、奪われたもの(筆箱)を記載していて、私もちょうど盗難に遭った筆箱を探しに訪れたところだった。


ケン太くんは私の存在に気づくと私の方を見ながら空いている左手をあげて

「よ」

と軽く挨拶してくれたから、「やぁ」と軽く返事をして、カウンター近くにいた職員にカウンター下の無くしものを入れておく透明ガラスケース内をよく調べさせてもらった。


結局筆箱は無くてケン太くんと同じように盗難記録用紙に記入することになった。



「同じタイミングで盗難に遭うなんて面白いね」


すっかり帰る準備を整えたケン太くんが楽しそうにいつものように人懐こい口調で話しかけてきた。


「うん、だいたい思い当たる節があるから喧嘩かな」


「あ、それ僕も」


「お互い大変だねー」


同じことで悩んでそうだったからあえて聡くんのことは口にしないことにした。

でもこれって四角関係っていっていいのか微妙なところだ。


書き終えてケン太くんの方を見ると、ケン太くんはニコニコしていて盗難のことなんて気にしていないみたいだった。

私の事情に気づいているのかもしれない。



「僕たちはきっと物の怪に憑かれる宿命なんだねー」


とあっきらかんとしていて、筆箱を奪われたことにイライラMAXだったため、ケン太くんは大人だなぁと感心してしまったのだった。




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