いとこのケン太くん
大きくなったら結婚しようと約束していた。
相手はいとこで、家からチャリで15分ほどあるところに住んでいる。
こういうのは案外多いのかもしれない。
いとこ同士の恋は一般に許されているけど、
上手くいくかは別問題。
まぁそれはいいとして、
それは両思いで浮気心などなく、順調に思えていた。
しかし私たちは結局、大きくなっても結婚はしないことにした。
なぜなら、ケン太くんは悪い男だからだ。
自らが結婚生活破綻させちゃう宣言をするくらいだから絶対に上手くいかない。理由は、自分自身の性格にあるらしい。
しかし私はケン太くんに好かれていた。
それはなんとなくな感覚的なものなんだろう。
だけど、そうこうしているうちに高校生になり私に別に好きな人ができてしまった。
名前は聡くん。
この人だったらケン太くん相手よりも安らかで健康的で余計な疲れとか苦心とか悩みなんかない生活ができそうだと思えた。
でもケン太くんの思い入れはすごい。
親戚だから私の父や母から情報を引き出し私の周辺のことを事細かに詮索する始末。
すぐに聡くんのことはばれてしまった。
でも二股はいけない。
私は、私に嫉妬心を燃やすクラスメイトの女子たちへの復讐心を抑えなくてはならないのか。
それはいいとしてもケン太くんを放置できる状態とはいいにくいほど女子たちの猿化が酷いような気がした。