シロツメクサいっぱい(6)
それから三日程度でとても急だが退院することとなってしまった。
足はまだ動かない、けれど体調はいいし、足以外は快調に向かっている、お兄ちゃんは薬を飲んで家で歩く練習すればいいから、そろそろ退院でも大丈夫だろう、っと言っていた、まあ……叔父さんにこれ以上迷惑はかけられないということもあるのだろう。
「退院……しちゃうの?」
私はこの事を聞いて真っ先に迷わず伝えた、いずれは私達どちらか退院することになるだろうと思っていたし、その時が早く来てしまった、それだけ。……色々まだ話し足りない、リハビリ室にまだ向かってない……。
「……うん、ちょっと早いけどね」
「そ、そうなの、早いの、まだ歩けないの……それにリハビリ室行ってないの!」
「……」
私は諦めが早いほうでは無いと思っているけど、こればっかりは仕方なかった、お金を出してくれているおじさんのことも考えればいくら小学生の私でも遠慮くらいする、仲のいい友達がいるとしても仕方が無いのだ。
気まずい空気の中で荷物を纏めた、七海ちゃんに教えながら折った折り紙に着替え、おにいちゃんが持ってきてくれたウェットティッシュに、萌月が置いていった携帯ゲーム機。
「ずっと、ずっと友達なの」
「うん……」
今私が元気で居るのは七海ちゃんのおかげ、七海ちゃんが居なければあのまま本当に同級生を殺そうとしてたかもしれない、それは七海ちゃんの過去を……待て、こっちは解決したけれど七海ちゃんは……。
「か、紙ある? メモ帳でもお薬の紙でもいいから」
「……? はいなの」
「えーと、ペンも、鉛筆でもいい!」
「……?」
七海ちゃんは首を傾げながらも私に渡してくれた、私は体を変に捻りながら必死に文字を書く。 久々に書いたからかそれこそミミズが地を這ったような文字だけど……。
「は、はいこれ住所と電話番号!」
「あ…………ありがとう……なの……」
それから荷物を纏め終わり、七海ちゃんと肩並べて入院した頃の話をしていた、私が包帯ぐるぐる巻きでまるでエジプトのミイラみたいだったとき、実は全部話聞こえてたということ、七海ちゃんが内心で、とんでもないやつが一緒の部屋になったっと驚いていたこと。
時間が徐々に過ぎて行き、一泊できるんじゃないか? っと期待していると、数時間後に迎えが来てしまった、タクシー取ったりお兄ちゃんの学校が終わるのを待ったりしていたらこんな時間になったという。
「いいのか? 挨拶あれだけで、仲良かったんだろう?」
「バカね、親友っていうのは何も言わなくてもちゃんと通じ合ってるのよ」
◆
......本当に色々あったと思う、私も、七海ちゃんも結局あれから手紙も電話も無かったんだけど、看護婦さんが私があの時書いたメモ見つけて気を使ってくれたのか、七海ちゃんは今意識が無いっと伝えてくれた。
聞いたとき悪い冗談だと思ったけど、それもまた仕方ないのだと自分で言い聞かせた。 看護婦さんが言うにはそこまで危険では無いが、出来ればそっとしてあげてっとのこと。
「はぁ……」
急にこんなことを思い返して、疲れているのだろうか。
私はそのまま保健室に向かい、保険の先生に一言言ってからベッドを借りたのだった。




