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絡繰異聞  作者: 和条門 尚樹
かくて月夜に騒ぎを起こす
52/55

救出劇は折返し地点

 ()(ねん)されたセキュリティシステムは、強化された(から)(くり)()()(おん)()いたい()(おん)の前では無力だった。あまりにもあっさりと破られたそれに、出番のなかった(せい)()は生気の()けた目をしている。

「そりゃ、そうなるっすね。うちの(たい)(がい)なセキュリティシステムも秒殺してましたもんね。そんな相手が強化されりゃ、人間にはどうにもできないっすよ。ねえ(おれ)、ついてきた意味ありました?」

「備えあれば(うれ)いなしって言うじゃん! 帰りにも何か起こるかもしれないし」

 ()(だん)であれば大いにからかう(あま)()ですら、思わず(なぐさ)めてしまうほどの(ふさ)()みっぷりである。

「このまま何事もなく帰れたら良いのですけれど」

 ()(のん)(あま)()に同意し、()(りょう)(よう)(ばい)(よう)(そう)(のぞ)()んだ。

「難しそうですね。ここから()(おん)を出すには、時間が()かりそうです。まだ、これごと持って行った方が早いと思います」

 (たん)(そく)する()(のん)の判断を受け、(そく)()に、本来なら備え付けられているはずの非常用バッテリーを(かく)(にん)する(あま)()(せい)()()()えの早さは当然のこと、何しろここは、敵地のド真ん中なのだから。

 ()(ほう)改造された()(りょう)(よう)(ばい)(よう)(そう)であったが、(さいわ)いなことに(きん)(きゅう)()(なん)用の備品は一通り(そろ)えられているようであった。一通りどころか、小旅行に出られるくらいの予備バッテリーが積まれていたり、外付けの車輪が(すで)に取り付けられていたりと、もしかしたら組織は近々(きょ)(てん)を移すつもりであったのかもしれない。

(わた)りに船と言うべきか、(かん)(いっ)(ぱつ)と言うべきか」

 警報装置が作動しないよう、念を入れながらも、()(のん)(つぶや)かずにはいられない。

「何だって良いじゃん、ちゃっちゃと出発だ!」

 (あま)()の言うことも(もっと)もなので、()(のん)()(おん)に、出発することを告げる。()(りょう)(よう)(ばい)(よう)(そう)の中の()(おん)はピクリとも動かなかったが、この(しゅん)(かん)、ザイオンサーバーは全ての業務を(だい)(たい)()()()ぎ、活動を停止した。

 一連の動作を(かく)(にん)した()(のん)(あま)()(うなず)き、(せい)()が護衛に指示を出す。救出劇もいよいよ(おお)()め、(だっ)(しゅつ)して()(かん)するまでが作戦なのだ。

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