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絡繰異聞  作者: 和条門 尚樹
かくて機械屋の本領発揮
48/55

休憩時間

 ()(おん)が救出され、(だっ)(しゅつ)するということは、世間的にはザイオンサーバーが(かん)(らく)するのとほぼ同義だ。(なん)(こう)()(らく)の大容量ネットサーバーとして、一流と言われる、様々なサービスを()(あつか)っている()(おん)。急に全ての仕事を停止すれば、社会に(あた)える(えい)(きょう)は計り知れない。

 (ゆえ)()(おん)は、(ふう)()の用意した(だい)(たい)()へデータを転送し続けていた。最初は()(のん)の補助が必要だったその作業も、()(おん)自身に(ちく)(せき)される負担が減ることにより、今やほぼ単独で進められるようになっている。

「今はね、十三号機に移しているところ。十二号機までの調子なら、あたしが見た感じは(だい)(じょう)()そうかな」

「私が見た限りでも、(だい)(じょう)()だと思います」

 ()(おん)の報告に()(のん)も口を()え、(ふう)()(うなず)いた。

「二人(そろ)って(だい)(じょう)()そうなら、問題ないわね。それにしても、()(おん)のいた場所に(だい)(たい)()をそのまま置いてくるって決めたけど、ちょっと多くなってきたような気がするわ」

 要は、それだけザイオンサーバーの容量が、大きすぎたということだ。(だい)(たい)()を置けば向こうで何とかするでしょ、と(ふう)()が提案したときに、()(のん)が首を(かし)げたのだが、今ならその気持ちも(わか)る。

「まあまあ。今は(きゅう)(けい)する時間だろう」

 耀(かぐ)()()(てき)(もっと)もだったので、(ふう)()は再度(うなず)き、()()()から水分補給のためのカップを受け取る。その間も()(のん)()(おん)(あま)()義躯(からだ)の組み立て作業を(けい)(ぞく)中だ。機械(にん)(ぎょう)たる二人は生身の人間ほどの(きゅう)(けい)も必要なく、(たん)(たん)と手を動かしている。精神的に(つか)れてくれば、雑談したりもするが、だからといって手を止める必要性はなかった。

(あま)()の組み立ても(おお)()めだな」

 耀(かぐ)()()(おん)にも声を()け、()(おん)はやっと顔を上げた。

「ん、そうだな。(あま)()にぃの注文が多すぎて、新規に造るのと同じくらいは()かるだろうと予想していたが、その通りになった。むしろあの時、(いっ)()(げつ)で造ったのがおかしかった」

 ()(おん)(あま)()とはそれなりに長い付き合いで、(から)(くり)()の制作も何度か見ているし、(あま)()()(のん)の制作に至っては手ずから組み立てに参加している。あの時、と()(おん)が言うのは(あま)()(から)(くり)()になった時で、(いっ)()(げつ)しか(ゆう)()がなかったにもかかわらず、異常なまでに(こう)(よう)した気持ちで手伝っていたら、何故(なぜ)だか間に合ってしまった時のことを指していた。

(いっ)()(げつ)って(すご)いわね?」

 (つい)(おく)(ひた)()(おん)に、(ふう)()が思い出話をせがむ。興味深そうな(いく)つもの視線に負け、()(おん)(とつ)(とつ)と当時のことを語り出す。

 (きゅう)(けい)時間の予定を()えてしまったのは、仕方の無いことかもしれなかった。

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