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絡繰異聞  作者: 和条門 尚樹
かくて騒ぎが持ち上がる
3/55

機械仕掛けの人形たち

 それは、(くる)った研究者の作品群、(かな)しき()(がい)(しゃ)たちの(そう)(しょう)と言われている。

 一人一人に何かしらの特技が()()された、機械()()けの(にん)(ぎょう)たち。早々に(しゅく)(せい)された研究者の作品は多くはなく、それぞれにコードネームが(あた)えられている。

 (ちな)みに(あま)()()(のん)に至っては、その中でも(さら)にイレギュラー(あつか)いされる(しろ)(もの)だ。何せ、(こう)(ざき)(あま)()博士は(しゅく)(せい)された張本人であるし、()(のん)は完全非公式な、(あま)()の死後の作品になる。

 (しゅく)(せい)(のが)れるべく自身を機械(にん)(ぎょう)に改造したものの、(かん)(じん)の精神プログラムに不備をきたして暴走してしまう(あま)()(おさ)えるのが、()(のん)の主な役割だ。それ(ゆえ)に、()(のん)には強力なハッキング能力が備えられている。

 人外レベルも当然、そういう風に作られた人外なのである。

 辿(たど)()いたショッピングモールにて、(とう)(ぜん)と笑いながら()(かい)()()らしている(あま)()をようやく視界内に収め、()(のん)は本格的に、その思考プログラムへの(かい)(にゅう)を開始した。

 ()(のん)にすれば人間は苦手だし、いっそ(あま)()本人が一通り暴れ終わってからの方が仕事は楽だ。動き回るターゲットを(とら)え続けるのは、主に物理的に負担がかかる。

 それでも正気に(もど)った(あま)()(こう)(かい)し、それを見た()(おん)が共に悲しむから、()(のん)は事態の早期(しゅう)(しゅう)(はか)る。特に、()(おん)(なみだ)はいけない。()(おん)は、あらゆる意味で()(のん)の恩人だし、(あま)()()(おん)には(あま)いため、(から)(くり)()内では()(おん)の意見が通りやすい。その()(おん)(なみだ)した日には、()して()るべしである。

 (あま)()(とう)(ぜん)とした()(がお)が不意に(こお)()き、同時にその動きも(にぶ)り始めた。確かな手応えを感じた()(のん)(さら)にハッキングに集中してしまい、結果として、(おのれ)の身の安全確保を(おこた)った。

()(のん)!」

 我を()(もど)した(あま)()が警告したときには、(すで)(おそ)く。

 (ほう)(らく)する建物の鉄骨やコンクリートが、()(のん)(おそ)いかかっていた。

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