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絡繰異聞  作者: 和条門 尚樹
かくて都市伝説は現れる
24/55

仮説は暴走した

 耀(かぐ)()(はっ)()の部屋へ、走る。その頭の中で加速度的に、(れん)()していく、(おそ)ろしい推測。

 そう、それはただの仮説。

 馬鹿馬鹿しい都市伝説が、本当に実在していたのであれば?

 (から)(くり)()(おもて)()(たい)に姿を現さない、(そう)(どう)()()(にん)たち。一人は(そう)(どう)の火付け人、一人は夜空に(まぎ)れる(あん)(やく)者。それぞれに異能力を持つと(うわさ)される(かれ)()の実在は、この高度情報化社会に()いても(いま)だに明らかにはなっていない。

 しかし、仮にこの(から)(くり)()が実在しており、実際に(いく)つもの事件を起こしていたとしよう。それらの事件を事前に察知し、場合によっては未然に防ぐ(はっ)()の存在は、(かれ)()の目にどう映るだろう?

 (そう)(どう)の火付け人としては、きっと(おも)(しろ)くはないだろう。

 昼間に、(せい)()(せい)(ぎょ)を取り返されたにもかかわらず、再度、()(しき)のセキュリティシステムに手を出した(はっ)()。特に上空を意識して(せい)(ぎょ)しているような、その動き。

 (かの)(じょ)は、上空で何かが起こることを、予測していたに(ちが)いない。そう、今まさに報告されているような、上空からの(しゅう)(らい)を。

 夜空に(まぎ)れる、(あん)(やく)者。それが、言葉通りの意味を持っていたとしたら?

 危険だ。(はっ)()の身が、非常に危険だ。

 そして、そこまで考えた時点で耀(かぐ)()は飛び出した。続きを頭に(おも)()かべることもなく。

 そう、(から)(くり)()の都市伝説は、(いわ)(おもて)()(たい)に姿を現さない(そう)(どう)()()(にん)たち。それぞれに、異能力を持つという。

 一人は(そう)(どう)の火付け人、一人は夜空に(まぎ)れる(あん)(やく)者。

 一人は、実在すら定かではないと言われる、(ゆう)(れい)

 実在すら定かではない、三人目の存在を耀(かぐ)()が思い出していたとしたら。(ある)いは、(はっ)()(むか)えを呼んだ末のこの(さわ)ぎであると、事前に(わか)っていたならば。

 この物語の行く末は、(おお)(はば)に変わっていたのかもしれない。

 だが(しょ)(せん)全ては、仮定と仮説に(もと)づいた(おく)(そく)であり、もしもの話である。耀(かぐ)()(はっ)()の身を案じて飛び出した、それが結果であるのだから。

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