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絡繰異聞  作者: 和条門 尚樹
かくて都市伝説は現れる
22/55

真理亜は走った

 ()()()が異変に気付いたのは、窓の外の気配が、いつもとは少し、異なるように感じられたからだ。

 異変を()ぎつける感覚については()()()(てん)()の才をもっており、その才能(ゆえ)耀(かぐ)()の専属警護の立場を得るに至っている。

 その第六感が、()()()に窓の外を(かく)(にん)するよう、(うなが)した。

 窓の外を見た()()()は、()(だん)の冷静(ちん)(ちゃく)(かの)(じょ)らしくもなく、絶句する。そこにはそれだけの、とても非常識な光景が、在った。

「大きな鳥……いや、(つばさ)を持った人間!?」

 できれば、前者であって()しかった。それでも、十分に非常識な大きさになってしまうが。後者は、大きさについては()(じゅん)ないが、存在そのものがおかしすぎる。人間に空を飛ばせたければ、グライダーなどを使うべきであり、よもや羽ばたく(つばさ)など意味不明すぎる。

「まさか、こちらに向かってきていませんか?」

 (ゆう)(やみ)(まぎ)れて空を()(かげ)(さき)(ほど)よりも大きくなっていることに、()()()の表情が(しん)(けん)()を帯びる。(しん)(にゅう)(しゃ)に対する警報が不発なのは不思議だが、今はそのような()()よりも耀(かぐ)()の安全の確保だ。

 耀(かぐ)()の部屋に向かいつつ手持ちの(たん)(まつ)から(かん)()カメラの映像にアクセスし、(まゆ)をひそめて(さら)に歩く速度を上げる。それだけの理由が、(かん)()カメラの映像にはあった。

 一言で言えば、完全に過ぎたのだ。正常なようでいて、けれど、()()()の目から見ても二つ(かく)(にん)できる、異常な点。

 一つ目は、言うまでもなく、空を飛ぶ(かげ)が映っていないこと。二つ目は、(はっ)()の部屋で、部屋の主が(しん)(だい)(しゅう)(しん)していること。

 (はっ)()が映像の通りに(しゅう)(しん)していることはないだろうと、()()()は確信している。下手をすれば()()()以上に気配に(びん)(かん)で、何かがあればずっと部屋の()()(すわ)って()ない(はっ)()が、今夜に限って(しゅう)(しん)とは(あや)しすぎた。

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