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統一の礎

作者: 茶太郎

架空戦記創作大会2022冬参加作品です。


≪日本国防軍兵士諸君、ついにこの時がやって来た≫


日本海を行く艦隊の艦内に司令の演説が流れた。

随伴する揚陸母艦の一隻あきつしま07号艦艦内でも待機する複数のMAV水陸両用車を背景に完全装備で整列する海兵隊たちも司令の言葉に耳を傾ける。


≪ソビエトの裏切りによって本州と北海道が分断されて70年以上が経過しようやく統一への道が見えようとしていた≫


太平洋戦争に敗北した大日本帝国は北海道を奪われ日本人たちは分断されてしまった。

日本とソビエトは中立条約を結びお互いに不可侵としていたが太平洋戦争終盤に突如条約を破棄して侵攻してきた。

守備隊は奮戦するもソビエトは南樺太を占領後、北海道に上陸して占領してしまう。

北海道を占領したソビエト連邦は北日本社会主義共和国を建国。この行動に赤化の脅威を感じ取った米国は統治下に置いた大日本帝国を日本国へと改め、当初は非武装国家とするはずが変更し再軍備させ赤化の防波堤へ計画を変更する。

それからお互いを敵として見るよう強要されお互いに銃口を向け続けていた。

分断から約50年後、統一のチャンスがやって来た同じく分断されていたドイツが統一されたことでこちらも統一へと動き出した。しかし、それを許さない大国が現れた。ソビエト連邦である。


≪しかし、赤の帝国ソビエト連邦が介入し北日本政府を武力で制圧し、ソビエトの一部としてしまった≫


ソビエト連邦はこれ以上東側陣営が弱体化することを恐れ軍隊を送り北日本政府を制圧、噂では首脳陣は射殺され統一派の人間は強制収容所に送られ、北海道はソビエトの一部として統治されることになり統一は果たされることはなかった。

ソビエト連邦にてクーデターが起こるが失敗に終わりいくつかの国が分裂するもソビエトは存続し続けソビエトの一部になってしまっていた北海道は独立することはできなかった。

だが日本国は統一を諦めず、湾岸戦争、イラク戦争などに参戦して経験を積み技術を進歩させ力を蓄えた。

第六世代戦闘機と自立型戦闘機の開発、SLBMと巡航ミサイルを大量に載せた弾薬庫潜水艦と空母の導入、前の戦争で建造中止になった二隻の戦艦を完成させ今日に至るまで近代化改修を続けた現代版の戦艦信濃と出雲。

レールガンを搭載した戦車、そのエネルギーコアとなる融合電池の開発等々、挙げればきりがない。

無論技術の発達は軍隊のみならず社会にまで広がっている。


≪それでも我々は日本統一を諦めず、力を付け、戦力を強化し続けた。そして機会は訪れたのだ。≫


現在西暦202X年、まだ統一されず、二つの日本は分断されたままだったがチャンスが訪れた。

現在の総書記はソビエトの再建を掲げ分裂した国々の

再統合を始めた。まず狙われたのは東欧ウクライナ。

ウクライナに暮らすロシア人の保護を名目に侵攻を開始、対して米国を中心としたNATO軍がウクライナ軍と共に応戦したことで東欧戦争の幕開けとなった。そしてこの戦争は世界へと戦火は広がりソビエト大戦もしくは第三次世界大戦と呼ばれる戦争の始まりとなる。

日本もまた日米同盟を理由に開戦を決定により総力戦体制へと移行。徴兵制ではないが中学から軍事訓練は教育科目に加えられ、高校大学卒業後は兵役に就くことはないが月に最低一回軍事訓練を受けることが義務化されていた。その予備兵役の中から召集して各部隊へと配属される。

今ここにいる海兵隊の中にも召集に応じて来た者たちも多い。大抵は召集されると士気は落ちるが彼らは逆に士気は高かった。


≪これより石狩湾に突入する。諸君ッ北海道にいるアカどもを蹴散らしッ統一の礎となれ!!≫


「「「おぉぉーーーー!!!」」」


兵士たちは一斉に拳を掲げ叫んだ。



後の歴史家たちはソビエト大戦の激戦地の一つに北海道を中心とした極東の戦いを挙げている。

石狩湾上陸作戦、札幌攻防戦、最も激しかった北海道中部の山地に隠された核ミサイル発射阻止のため外骨格システム日本名[22式機動甲冑 草薙]を装着した戦術機甲歩兵部隊による空挺降下作戦。

日本国防軍は数で勝るソビエトに怯むことなく挑み多くの犠牲を払おうとも戦い勝利し、日本は統一され彼らは礎となった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 企画御参加ありがとうございます!物語を戦後すぐではなく、現代に焦点をあてているのがいいですね。 [一言] ソ連の影響による戦後の日本の再軍備への影響ですが、自分とはまた違うアプローチからの…
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