13話 妹達の魔法競技大会当日
今日は妹祭りにします。
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魔法競技大会の日がやってきた。
俺は妹達の応援をするために、学園の野球場を訪れている。
本当は俺も魔法バスケの試合に出なければいけないが、仲間達に託して来た。
当たり前だろう? 妹達の晴れ姿だぞ!
本当は一眼レフカメラを持ち出して、妹達の成長を撮りたいが、自動撮影魔法で勘弁しておこう。
自動撮影魔法は、その名の通り自動で景色などを撮影してくれる便利な魔法だ。
撮った写真や映像は、写生魔法で物質化出来る。
俺は妹達一人一人用と、全体を撮るために10個の自動撮影魔法を発動。
やり過ぎると妹達に叱られてしまうから、10個くらいにしておこう。あ、隠密効果を付けてるから、俺以外にはバレてないよ。
ちなみ、クラスメイト達には、負けたら明日から死ぬ程、絞ると伝えている。
何故かって? それはもちろん、俺も妹達にかっこいい姿を見せたいからだ。
それまで、負けてもらっては困るのだよ。
さぁ、みんなが入場するみたいだ。
自動撮影魔法、しっかり仕事しろよ。
妹達は同じユニフォームを着て登場する。
俺が準備してあげたものだ。胸に『SISHARE9』というロゴを入れておいた。うん。完璧。
対戦相手と向かい合って挨拶をする。
相手は中学級の生徒達だが、果たしてどうなる……
妹達は後攻だ。まずは守備に着いていた。
イクスとサンキとウドは落ち着いてるな。度胸がある組だ。
ロッカ、チセ、キュウカも程よい緊張感を持っている。やる気満々といったところだ。
ジーコとシロは少し硬いな。ジーコはピッチャーだから仕方ない。シロは運動が苦手だからわかるのだが、こと魔法野球においては一番強いと思うので心配しなくてもいいぞ。
ハーピは、寝てても大丈夫だよ。
妹達の様子を伺っていると、いよいよプレイボールだ。
まずは、ジーコが球を投げる。
さて、この前の反省はどう生かされているかな?
ジーコが振りかぶって投げる。
お、これは上下左右ジグザグにボールが進んでいるな。
地球で小さい頃にそんな漫画を読んだことがあるが、まさかホワ◯トボールみたいな球を投げるとは。
これでは相手も球に魔法を掛けるのが難しいだろう。
その上、キュウカがバッターに拘束魔法をかけている。
俺との特訓の成果か。やった甲斐があったな。
ジーコとキュウカは、そのまま3人のバッターをノーヒットノーランで抑え、1回表が終わる。
二人は、こちらを向いてピースをしていた。俺は手を振り返す。
自動撮影魔法! ちゃんと撮ったよね!? 100枚くらい!
その後、集まって来たみんなに、何やら小言を言われている。
恐らく自分達にも、見せ場を作れと言われているのだろう。
ま、守備だけが全てじゃない。
他のみんなには、バッティングで見せて貰おうじゃないか。
1回裏、1番イクスか。
俺の予想では、イクスは4番辺りだと予想してたのだがな。
イクスが打席に入る。
ピッチャーが球を投げた。あれは、加速魔法だな。
イクス自身にもなんらかの妨害魔法が掛けられている。
だが、イクスはそのままバッドを振り抜いて、ホームランを打った。
あの程度では、イクスを抑えることが出来なくて当然だ。イクスは身体能力強化魔法を使えば、巨大な岩も持ち上げてしまうからな。
イクスは俺に手を振りながら、ゆっくりとダイヤモンドを一周する。
ホームベースに着くと、2番のサンキとハイタッチをして、ベンチに戻っていき、何やら話をしている。なるほど、敵の偵察も兼ねていたのか。
さて、2番はサンキか。
サンキは武闘家だからな。バッドは問題なく使えるか? と思ったら心配無用だった。
サンキはゲームが強かったからな。道具を使うことにも優れている。
敵の妨害をモノともせず、ヒットを放ち塁に出た。
打ち返すときに、野手の手前で止まるように工夫したみたいだ。
流石だな。イクスがパワー派なら、サンキは技術派か。特訓の時の力の加減も上手だったし。
サンキもこちらに大きく手を振っていた。大丈夫。ちゃんと見てるよ。
3番ロッカ、4番チセと続く。
2人にはコンビネーションの面で期待しているが、個々でも十分力を発揮出来るみたいだ。
小さい頃から魔法を教えていたから、妨害はもちろん無意味。打った後の球は、まるで生きているかのように野手から逃げていく。
面白い作戦を思いつくものだ。
これで満塁。あれ? 今の感じだとみんなホームインしててもおかしくないくらいの時間はあったと思うけどな。
その疑問は、次の打席がシロだということで納得した。
「ほらシロー! 満塁だよー!」
「シロ! 今こそあなたの力を見せつけるときですわ!」
「そうですわ! 自信を持って打つのですわ!」
みんなシロに自信を持たせるために協力してたんだな。
本当に良い妹達だ。
こんな妹達に育ってくれて、兄はもう何も言うことはない。
「わか……りました……がん……ばり……ます!」
よし、シロもやる気のようだ。
シロがバッターボックスに入り、腰が引けつつもバットを構える。
ピッチャーが球を投げた。これは……消える球か。
だがシロには通用しない。
「えい……!」
シロは重力魔法で重力球を発動させる。
これにより、ピッチャーが投げた球が吸い込まれていく。
消えていても関係なかったな。
やがて球が姿を表した。シロは爆発魔法を発動しながら「やぁっ……!」とバッドを球に当たる。
球はそのままレーザービームの勢いで空に消えていく。場外なんてレベルじゃない。
そのまま球が消えたとみんなが思っていた。が、
「おはよぉ。球を遠くにやっちゃダメだよー」
なんとハーピの夢遊能力によって球がぷかぷか浮かびながら戻ってきて、ピッチャーの前に落ちた。
それを見たピッチャーは、膝をついて崩れながら「こ、降参します……」と言った。
なんだかわからないが、完全に心を折られたらしい。
そんなこんなで妹達が一回戦、勝利を収めた。
「私だけ何もしてない!!」
と嘆いていたウドだが、シロがホームランを打ったときに、誰よりも喜んでいる姿はしっかり撮ってあるからな。
さて、次は俺の番だ。
久しぶりに本気で、妹達にアピールしていこうじゃないか。
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現在、俺は体育館に来ている。
仲間達は俺との誓いを守って、一回戦はなんとか勝利してくれたみたいだ。
そのせいか、みんなバテバテでもう動けそうにない。
「シスハーレさん……後は……お願いしますよ……」
マインなんて立ってるのがやっとだ。
バスケだぞ? 何があった?
まぁいい。後は俺がどうにかしよう。
相手は高学級で優勝候補のチームだ。
「噂の"妹の守護神"か。今は"上級生狩り"と呼んだ方がいいか?」
「どちらでも構いません、それよりも始めましょうか」
バスケはジャンプボールから始まる。
もちろん飛ぶのは俺だ。
皆が位置に着くと、審判が中央に立ちボールを高く上げる。
最初に飛んだのは相手だ。跳躍魔法を使っているな。だが甘い。
「時間停止」
俺は時間を停止させ、空中に浮いているボールをコツンと叩く。
そして時間が動き出せば、仲間の位置にボールが転がっていた。
ジャンパーはボールを取ってはいけないルールだからな。最初は仲間に渡すしかない。
相手のジャンパーは、叩くボールが無くなったことで動揺していた。
俺はすかさず、ボールを取った仲間の元へ行き、ボールを受けとる。
その時には、相手チームも全員ディフェンスに戻っていた。
流石優勝候補。ただではやらせてくれないか。
ならばと思い、まずは小手調で加速魔法を発動する。
が、ディフェンスも減速魔法のエリアを作っているようだ。ゴールの近くでは速さを維持出来ないな。
よし、本気を出そう。
「転移魔法」
俺はボールを自分のゴールに転移させる。
もちろん相手に防ぐ手はない。
減速エリアを作るところまでは良かったが、転移対策もするべきだったな。その程度で優勝候補とは笑わせる。
相手は「仕方ない」と切り替えてオフェンスを始めようと、ボールをパスする。
だがな、そう易々とパスなんて出させると思うか?
「時間停止」
俺はボールの進行方向へ移動し、時間を進める。
そうする事でパスを簡単にカット出来た。
ボールを取ったらすぐ転移。あ、3ポイントだったらしい。
入ったらまた時間停止。5秒以内に出さないとうちのボールになるけど大丈夫?
そんな感じで無双してたら、10分間の試合が終わる頃には299対0で圧勝だった。
最初の2点以外は、大体6秒に1本のペースで3ポイントを決めていたからな。
次やるときは、停止時間の中で動ける奴をメンバーに入れることをお勧めするよ。
俺は、妹達の方を見ると、キュウカ以外は大喜びだった。
キュウカは周りの女生徒が顔を赤らめているのを見て、邪気を発していた。
その後は、妹達も難なく魔法野球で優勝、俺も魔法バスケで優勝し、俺達にとって、とても思い出深い1日となった。
あぁ、アルバム30冊、買って来ないとな。
あぁ、癒される




