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冒険の始まり

よくあるゲームの世界に幼なじみと来た話。


 「…隼人…起きて…」


 「…うぅ…今日は土曜日だ…まだ…寝る…」


 「寝ぼけないで…今日水曜日だし、全然朝じゃないし、そんなこと言ってる場合じゃない。」

 

 「それにしても、膝枕ってなんで膝枕って言うんだろう?明らかに俺の後頭部にある感触は太もものそれだと思うんだけど。」


 「じゃあ太もも枕?ちょっと言いづらいわね。」


 「確かにな。けど、膝より太もものほうが…えろい。」


 「たった今隼人は膝枕を使う権利を失いました。」


 「いたっ!急に立たないでよ!」


 「ふざけてる場合じゃない。周りを見てみて。」


 「…あー…ここどこ?」


 「私も知らない。気が付いたらここに隼人といた。」


 「う…うそだろ…俺は…桃華と一夜を過ごしたと言うのか…」


 「そこじゃない。今はもっと大きな問題があるよね?」


 「ああ。意味深な魔方陣に円形に並んだ石柱…見渡す限りの大草原。なるほどね…」


 「…隼人?」


 「わかったぞ。これはお決まりのあれだな。」


 「やっぱり…ラノベによくある…」


 「そう。俺たちは…








 イースター島に拉致されたんだ!」







 「…私イースター島に拉致された物語読んだことないんだけど。」


 「ごめん。冗談俺もない。」


 「まだ異世界のほうが現実的。」


 「異世界より非現実って…イースター島どんだけ異世界なんだよ…」


 「モアイ像の配置ってそれをなぞると島全体が巨大な魔方陣になってるって知ってる?」


 「え!?まじで!?」


 「なわけないじゃん。」


 「俺の純粋な心で遊ばないでくれる?」


 「そんなことより、これからどーする?」


 「…そうだな…とりあえず、ここは異世界って仮定する?」


 「私達拉致されるような家柄でもないし、こんな景色見たこともないし…いいと思う。」


 「あ!もしくは超最先端のVRかな!?」


 「隼人に借りるラノベの主人公達ってどうしてあんなに頑なに異世界って認めないんだろう?」


 「おっさんが主人公の場合は確かになかなか認めないな。けど、高校生とかならすぐに順応するよな。やはり若者は柔軟だな。」


 「それで調子に乗って王様に騙されるか一瞬で死ぬようなモブにはなりたくないね。」


 「お、おう…さ、さて!これからどうするかだけど!」


 「うん。」


 「まあ、とりあえず色々確認しようか…




ステータスオープンっ!!!!!!」




 「うわ…」


 「はい、桃華さん。冷めた目で見ない。」


 「まあ、確かに。隼人のそれは今に始まったことじゃないし。」


 「違うから!ただの確認だから!ほら!出てるから!」


 「手を突き上げながら叫ぶ必要あった?それになにも出てないよ。あるのはイタイ隼人だけだよ。」


 「イタくないから!ちょっとはしゃいじゃっただけだから!それに、ステータスが表示されてるウィンドウみたいなの出てるじゃん!」


 「私にはなにも見えないけど?」


 「確かにここにある!他の人には見えないのかも。桃華もやってみて。」


 「私はあなたの同類に落ちたくないわ。」


 「もう、桃華さんが冷たすぎる…」


 「ステータスオープン…おぉ…でた。」


 「でしょ?」


 「まあ隼人がイタイのはかわりないけど。」


 「俺は正しかったのに何故…」


 「これ、タブレットみたいに触れるね。」


 「まるでゲームみたいだ。」




 沖野隼人 Lv1


 力 10

 耐久 10

 器用 10

 敏捷  10

 魔力 10

 

 SP 0 


 スキル


 称号:異世界人




 「…俺めっちゃ弱い気がする…」


 「安心して、私もだから。」


 「ステータスオール10?」


 「うん。」


 「そっか…え?でも、俺のほうが桃華より力あるよな?」


 「卵も割れない隼人より私のほうが数百倍器用だわ。」


 「確かにな。桃華の料理はめっちゃうまい。」


 「え?あ、う、うん…」


 「うーん…どーゆーことだろう。」


 「補正値とか?」


 「ん?どーゆーこと?」


 「例えば、レベル補正とか。」


 「なるほどな。俺たちの元々の能力は計算外ってことか。」


 「それならこの揃った数字にも納得できる。」


 「確かに。」


 「あと、このステータスでここが異世界って確定したね。」


 「そうだな。」







 「…隼人、今、どんな気持ち?」


 「正直言うと…ワクワクしてる。」


 「…はあ…隼人ならそう言うと思った。」


 「さすが幼なじみ。10年以上の付き合いは伊達じゃない。けど、そう言う桃華はどうなんだ?」


 「私は…元の世界に帰りたい。家族にも友だちにも会えなくなるのは嫌だ。」


 「だよな…」


 「…けど。」


 「けど?」


 「同じぐらい、これからが楽しみでもある。魔法とか使ってみたいし、けもみみをモフモフしたい。」


 「くっくっく…さすが桃華。さすが我が幼なじみ。」


 「それに…隼人もいる。隼人がいれば寂しくないし、どんなことも楽しくなる。」


 「…っ!桃華。さてはお前、俺のこと好きだな?」


 「そうね。世界で一番好き。」


 「なっ!?!?」


 「この世界、隼人しか知り合いいない。」


 「俺の純粋な心で遊ばないでくれるっ!?」


 「それより、他にすることある?」


 「あー、魔法とか使えないかな?ステータスには何も書いてないけど。」


 「あなたの得意分野ね。あの漆黒のノートに書かれた魔法でも唱えてみたら?」


 「漆黒じゃなくてただの黒歴史だ…てか、なんで桃華が知ってるんだ!」


 「愛読しているわ。忍び込んだ時は毎回読んでるもの。」


 「愛読するな!てか忍び込むな!」


 「幼馴染みとして当然の勤めよ。」


 「どんな勤めだよ!てかどーやって忍び込んでるんだよ!」


 「幼馴染みに不可能はないわ。」


 「怖い…幼馴染みが怖い…」


 「そんなことより魔法の確認でしょ?」


 「俺の人権がそんなこと…」


 「どーやって確認する?」


 「そうだな…とりあえず…





ファイアアアアボオオオオオオル!!!!」





 「…漆黒ノートに新たな1ページが追加されたわね。」


 「ひどいっ!」


 「さて。でも、魔法はまだ使えなさそうね。」


 「ああ。頭で唱えるとか、イメージするとかしても特になにもないし、丹田に謎の力を感じるとかもないしな。」


 「やっぱり、スキルを取得しないといけないのかしら。」


 「どーやって取得するんだろうな。」


 「このステータスのSPってやつ。これってスキルポイントとかじゃない?」


 「なるほど。0ってことはなにもできないか。レベルが上がれば増えるかな?」


 「やってみるしかない。」


 「てことはレベル上げか…でも、俺たちなんも武器もってないし、防具はただの私服。」


 「木の棒すら持たせないなんてとんだクソゲーね。」


 「桃華はなにを持ってる?俺のリュックの中にはスマホ、充電器。財布、500mlのお茶に塩のタブレット、おにぎりが2つにお菓子、折り畳み傘、それとタオルぐらいだな。」


 「そういや、私たちコミケにいくところだったわね。私も大体同じ感じ。」


 「そうか。それにしても、タイミングがよかったな。物資もそこそこ充実にしてるし容量のあるリュックもある。」


 「学校の帰りとかよりはましね。」


 「ああ。」


 「これで確認するべきことはいい?」


 「そうだな。じゃあ、これからの行動方針だけど。」


 「ええ。」


 「大きな目標は生き残ることだ。」


 「そうね。」


 「そのためには衣食住を整える必要がある。」


 「そうね。」


 「ところで、桃華はサバイバルの経験はあるか?」


 「あるわ。」


 「だよな。あるわけ…って、ええ!?あるのか!?」


 「もちろん。サバイバルの基本はマインクラフトで一通りは学んでいるわ。」


 「ソレハタノモシイカギリデス。」


 「任せて。」


 「はいはい。それじゃあ、とりあえず動くか。」


 「どこにいくの?」


 「とりあえず、川を目指す。」 


 「水源の確保?」


 「ああ。それに川に沿って歩くほうが町も見つけやすいだろうし、町が見つかるまで、食料も確保しやすいだろう。」


 「そうね。でも、野宿はできればしたくないわね。私は隼人と違って文明人だから。」


 「俺も一緒に日本で暮らしてたんだけどなぁ…」


 「それじゃあ、行動方針も定まったところで。」


 「ああ。」




冒険に出ようか。





読んでくださりありがとうございます。

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