第1話 〜episode1〜
〜episode1,1〜
「ピーポーピーポー」
私が居酒屋で飲んでいるとサイレンの音がした。
これは事件の予感だ!
だが、きっと事件現場は遠いのだろう。
移動するのはとてつもなく面倒だ。
今こうして目の前にある酒も残っている。
「ま、酒を飲むか」
そう思い酒を一口二口と口に運ぶ。
が、しかし、サイレンがこれでもかというくらい
大きくなったところでパトカーが止まった。
「なに!?」
事件現場は近いのか!
そう思った私はとてつもない勢いで席を立ったため、周りの人に変な目で見られていた。
だが、そんなことは気にしない。
私はカウンターに、払う予定であったお金より絶対多いであろう一万円札をまるで漫画のように「バンッ」っと置き、
「釣りはいらねぇ!ごっつぁん!」
そういってものすごいスピードで店を出た。
「俺、かっちょいい〜♪」
そう思いながら私は店を出た。
店を出て、私は驚きと感動に駆られることになる。
事件現場は道路を挟んだ向かい側の家だったのだ。
そのパトカーには顔馴染みの警部、菊池がいた。
「警部殿!事件ですか!」
「おぉー、古吾郎くん!久しぶりだなぁ。
その通り君の大好きな事件だよ。
なんとも厄介そうなヤマでなぁ。
力を貸してくれんかね?」
「はっ!喜んでっ!」
こういう経緯で捜査に参加させて頂くことになったが、
「うっ!酒くさ!
もしや古吾郎くん、酔っておるのか?」
そう聞かれて素直に答えると酔いが醒めるまで事件の捜査には加えないと、まぁ、当然だが言われ悲しむ私であった。