79.天外領域
ラーヴァナが案内されたのは大きな広間であった。そこにはセレネの家族である王族以外にも地位の高い文官や武官、それに有力な貴族なども集まっていた。
これは式典を始める前にここで簡単に挨拶を交わしておこうという集まりである。立食の形式でテーブルがあちこちに置かれその上に軽食が乗せられている。広間には使用人の姿も見え、彼や彼女達がグラスに注いだ飲み物を運び、それを求める者へ手渡している。
ラーヴァナが広間へ踏み込むと周囲の空気が張り詰め、少し静かになる。さっきまではあれほど情勢や世間話に花を咲かしていたのに水を打ったよう……それは言い過ぎであるが、それでもはっきりとわかるほど静かにはなった。
緊張が広がっていく。やはり異形の鬼というのは他者の恐怖を煽る物である。これを異性として見られるルミーや純粋に崇拝出来るセレネが若干おかしいと言える。
セレネとお付きのメイドに案内されながらラーヴァナは周囲の人々を観察する。見た限り女性よりも男性の方が多い。それも貫禄を感じさせる者達がだ。こうしてラーヴァナと顔を合わせようとここに集まった彼らの胆力は並々ならぬ物がある。―――一部は恐怖と共に濁った目を向ける者も当然居るがラーヴァナにはわからない。殺気や戦意には敏感だが『欲』に濁った視線という物に晒された経験はラーヴァナには無かったのである。
そんな様々な視線を振り切りながらラーヴァナは正面から歩み寄ってくる人物に注視する。
その男は他の者達よりも豪奢で品の良い服を着込んでいる。立ち上がるような力強い金髪をした偉丈夫であり、口周りには整えられた髭があり太い眉と合わせて剛健な印象を与える。しかしその黄色の瞳を見れば力強さだけではない優しさ、懐の大きさを感じさせる。
ラーヴァナはセレネの付き人にマリーのことを任せると自分も相手に向かって進み出る。
「おはようラーヴァナ殿。今日は良き日になるな」
『おはようシャドル殿。それは我も同感だ』
その偉丈夫の名はシャドル・マハトワ・グリッド・アヨーディ。この国を統べる王であり、セレネの父である。
シャドルは決して小柄ではなく身長190はあるが、それでもラーヴァナと並べば大人と子供ほどの身長差がある。シャドルは和やかにラーヴァナに手を差し出して握手を求める。それに対してラーヴァナも手を出して応える。
体格に相応しい大きさをほこる青い鬼の手。その内に秘めた力は想像を絶する物があるがシャドルは和やかな雰囲気を崩すことなくしっかりとその青い手を握ってくる。それに対してラーヴァナは相手に威圧感を与えないようにしっかり握り返すのではなく、浅く、ゆとりを持って優しく握り返す。
この握手はナーダと協力して考えた握手である。力の扱いに慣れたラーヴァナが相手の手を握り潰すなんてことは起こり得ないが、それでもがっしりと握られると「恐い。本当に恐い」と握手練習相手になったナーダが固い表情をしながらそう言ったほど威圧感がある。
(日常生活に本当に向かない体だな)
天井にかなり余裕のある場所や、出入り口も大きな場所でないと移動がしづらい。しかしこの城の部屋や通路は広さや高さにゆとりをもって作られ、このホールも天井がかなり高くされている。だから巨体のラーヴァナでも安心して動けるのだ。―――それでも客室の扉を潜るのは一苦労ではあったが。
そんなラーヴァナの苦労を察したのかシャドルは苦笑する。握手した手を放して2人はよく通る声で話し始める。
「しかしラーヴァナ殿にはこの城は些か狭かったのではないかね? 窮屈な思いをさせたようで申し訳無いな」
『気にすることは無い。我は慎ましい性質でね。寝る時も部屋の隅で蹲って眠っている』
「それだと鎧を置いてあると勘違いされそうだな。使用人が間違って掃除をするかもしれない」
『それは急に動けば相手を驚かせられて以外と楽しいかもしれんな』
「死霊の鎧と思われて教会の騎士や聖女が派遣されても知らないぞ」
『その時は命乞いでもしてみようか。我は悪いモンスターではないよ、と』
「人を驚かせるのは悪いことでは? それで敬虔な神の使徒が納得するかな」
『シャドル殿に泣きついたら悪戯ということで何とか処理してはもらえないか?』
「そうだな考えておこう。何せ私と貴殿の仲であるからな」
『それは助かる』
「そういえばセレネは何か迷惑を掛けなかったかな」
『迷惑なことはない。ただ少しばかり肩の力を抜いてもらいたい所だ』
「あれは生真面目な娘だからな。少々頑固な面があるのだ」
シャドルとラーヴァナが会話をしていると周囲から警戒が少しずつ薄れていくのがわかる。完全に消えることはないが、それでも他の者と会話をする余裕ぐらいは出来ている。そんな周囲の様子をラーヴァナは静かに見詰め内心で感心する。
(彼らの胆力もそうだが……シャドル国王も凄いな。俺に対して心を許している姿を周囲に見せ付けてこの場の空気を緩めてくれた)
冗談交じりの会話が功を奏した。その立役者たるシャドルにラーヴァナは尊敬の念を持つ。自分にはこんな人心を操るような真似は出来ないだろうと。
「ラーヴァナ殿。私の妻と子供達にも挨拶をさせたいが、宜しいかな?」
『勿論だ。何せ我と貴様の仲だからな』
「感謝する。シルヴィ。そしてケインズ。コール。来なさい」
シャドルはラーヴァナの返事を聞くと後ろに控えさせていた妻と子を呼び寄せる。
妻、つまり妃であるシルヴィはセレネに良く似た容姿をしたブルネットの長髪の美女である。歳は30後半であるが肌艶などは20代で十分通るほどであり、それと年相応の円熟した雰囲気が合わさり大人の女性の魅力が溢れている。しかし流石にラーヴァナという存在に少し萎縮して表情が固い。それでも優しげな笑顔を崩さないあたりこの王の伴侶である。
子、ケインズとコールは共に男子でありつまりは王子である。
ケインズは19歳になる柔らかな金髪の貴公子然とした男性であり体格などはあまり父に似ずに細身であるが、その身に纏う空気は父と良く似ている。雰囲気だけでなく内面の強さも受け継いでいるのかラーヴァナを前にしても自然体を貫き穏やかな微笑みを向けてくる。
ケインズの弟になるコールは15歳。セレネと同じ髪色をしておりそれを短く整えている。身長は成長期でありケインズよりも多少低いが、体格は父譲りで肩幅などががっしりとしており成長すれば大柄になると予想出来る。しかし内面は兄より成熟しておらず緊張で表情が固い。こちらへ歩いてきた時も最初だけ右手と右足を同時に出して歩きそうになっていた。
「シャドル様の妃になりますシルヴィです。今日という良き日に感謝しますラーヴァナ様」
「第一王子のケインズです。我が国を悪魔の手から救った英雄であるラーヴァナ殿とこうして話せることを嬉しく思います」
「だ、第二王子のコールだ……です。デカ……聞きしに勝る体格ですね。ラーヴァナ殿はまさに屈強な勇士であると」
『シルヴィ王妃。ケインズ王子。コール王子。我もこうして貴様達と出会えた幸運に感謝を贈ろう』
こうしてラーヴァナが王族に挨拶を済ませると、彼の後ろに居たセレネが前に出て来て家族であるシャドル達の傍に並ぶ。そしてシャドルにお前も挨拶を、と促され小さく頭を下げる。
「僭越ながら改めてご挨拶を。第一王女セレネです。今日という日にラーヴァナ様と友好を結べることに喜びを隠せません。願わくば慈悲深きラーヴァナ様の未来に大きな幸福が在らんことを」
その言葉にラーヴァナは力強く頷く。
『セレネ王女。我も貴様達の幸福を願おう』
こうしてラーヴァナはこの国の王族と挨拶を済ませた。
実は数日前に簡単な顔をあわせは済ませていたが、それでもこうして言葉を交わす機会は無かったので新鮮さを感じている。―――後は内心でかなり緊張している。
(こんな人が沢山居る場所で王様とその家族と挨拶とか……これが何の用意も無いぶっつけ本番の場だったら絶対に緊張で喋られなくなる……っ)
ラーヴァナの顔面が鉄仮面(鉄より遙かに硬い生体装甲)で良かったと今は思っている。もしセーギとして来ていたら笑顔が引き攣っていた自信がある。だからラーヴァナは内心で第二王子のコールに親近感を抱いている。彼の緊張の原因はラーヴァナの所為だが。
ラーヴァナは場をもっと和ませる為にその道のプロの力を借りることにした。
『マリー。お前も挨拶をしようか』
『うん。挨拶する』
付き人に預かっていてもらっていたマリーを呼ぶ。聖獣の幼体、その愛らしい体を動かしてマリーはラーヴァナの足下へ寄り添う。そしてラーヴァナはマリーを掌に乗せるように優しく抱き上げ、国王達と視線を合わせやすいようにする。
『シャドル殿。この子はマリーゴールド。聖獣フォーチュンムース、その幼子であり我の友人でもある』
「これはこれは。とても愛らしい友人だね」
『おはよー』
「はは。おはようマリーゴールド君。私はシャドルという。ラーヴァナ殿と共にこれからもよろしく頼めるかな?」
『いいよ。よろしくねシャドル』
場が和んでいくのがわかる。シャドルとケインズは流石と言うべきか最初の笑顔から変化はないが、シルヴィとコールは目に見えてマリーの美しさと可愛さに目を惹かれている。
(可愛いは正義。……ああ、懐かしいなこの言葉。あの人も元気かな? 男と女どっちもイケるって豪語してたなあ。まあ倫理制限掛かってるからいき過ぎたことは出来ないから〈NSO〉の外で色々してたらしいけど)
ラーヴァナは前世の友人を思い出しながら周囲の人へ挨拶を済ませていく。
しかし、そうしながらも気になっていることがある。
(そういえばシータとルミーはどうしたんだろう。俺と教会が懇意だってアピールするのに丁度良いからここでも一緒に行動する手筈だったけど…………)
姿が見えない2人の聖女。
彼女達もこの場に招かれているのだが、どうしてかラーヴァナが既に着いているのに出てくる様子は無い。そして遅れるという連絡もきていない。
(何かがあった? いったい何が? 俺の感覚器に引っ掛かるものは無かった)
ラーヴァナとセーギ、その両方の感覚器で共通して発達しているのは『視覚』である。それ以外の感覚器はそれより1歩も2歩も譲る。だから索敵する時は周囲を見られる場所に出なければ効果が薄い。
『失礼、シャドル殿』
「どうした? ラーヴァナ殿」
『少しだけ外へ出る』
ラーヴァナの突然の発言。シャドルはそれに困惑して何かを聞こうとしたが、それを聞く前にラーヴァナは動き出す。
ホール内で一番目を引く存在が一瞬で消える。
――え?――
この場に居る全て人間の視線を振り切った。
次に彼らが反応したのは音。ホールにある中庭へ出る為の扉。それが開いた音であった。
開いた扉に居なくなったラーヴァナ。それにホール内に居た人々は呆気に取られ、そして困惑が広がっていく。主賓とも言える存在が一言だけ残して姿を消したのだ。
「……皆よ落ち着け。ラーヴァナ殿は少しばかり席を外しただけだ。直ぐに戻ってくる」
シャドルはホールに響く力ある声で全員にそう言い聞かせる。落ち着けと言ったが彼も内心では焦りが出ている。あまりに突然の行動を取ったラーヴァナの真意を読み切れていなかったのだ。機嫌を悪くした様子は無かったので何か用事でも出来たのかと考えたが、その割にはかなり急いで行動したように見えたからだ。
そんな落ち着かない空気の中で、冷静に、慌てることなく事態を見ていた者が居る。
セレネとマリーである。その2名だけはラーヴァナの行動に不審を抱くことはない。
この2名は立場は違えどラーヴァナという存在に自分達の『命運』を守ってもらったと思っている。だからセレネとマリーがすることはこの場の困惑が少しでも早く収まるようにシャドルの手伝いをすることだった。シャドルはセレネとマリーの手助けでこのホールに落ち着きを取り戻した。
――――――
『……わからない』
ラーヴァナは人目に付かないように一瞬だけ近くにあった高い建築物の上に飛び乗り、そして全周をその銅色の瞳で視認、自身が感じた違和感を探ろうとした。
しかし結果は何も掴めなかった。
その時点でラーヴァナは建築物の上から飛び降りて中庭に着地する。その着地は静かで軽やか、それ故に誰もラーヴァナがそうした一連の行動を取ったことに気が付くことは無かった。
『気の所為? 2人はただ遅れてるだけ?』
それに答えが出ることは無い。自分で確認しないことには。
(本番である式典にはあと少しだけ時間が有る。ならその時間ギリギリまで待つか? それとも―――)
ラーヴァナは静かに選択を決める。
◆◆◆
「初めまして『光の聖女』『地の聖女』、歓迎するわ。ようこそ私様達の【天外領域】へ。ちなみに私様達は名乗るような者では無いわ。……そうね名無しの女と呼べば良いわ」
青髪のサイドテールをなびかせて、異形の右目を黒く赤く輝かせ、この世界には存在しない黒いセーラー服の長いスカートをはためかせる。彼女が立つのは何処とも知れぬ『青い世界』。
上には天が、下には地が存在しない。失っている。何もかもが存在しない。そしてその広がりゆく全ての景色が青く透き通った『水』で埋め尽くされている。
地面は果ての無い水面に。上空は鳥が飛んでも届かないであろう高さにまるで円蓋のような水面が広がっている。
一切の波紋が立たぬその水はまるで鏡面のように静謐で、深淵のように底まで見通せない。それなのにこの世界は昼間のような光に満ちている。まるで水の惑星とそれを包む水の膜が発生しているかのような世界。
『水面に立つ女』は言った。ここは【天外領域】だと。
「……上も下も……水?」
「ここはいったい……私達は先程まで街の中に居た筈です」
この【天外領域】に居るのは青髪の女だけではない。ここには彼女が招待した2人の聖女が居る。ここ最近袖を通すことがなかった戦装束を身に纏ったシータとルミーである。
聖光教会に所属していることを表わす白い修道服。その上に金で彩られた白銀の装甲を装着。完全無欠のその装いは戦いを生業とする彼女達のような聖女の正装であり、これから式典に出席する為に着込んできた武装である。シータとルミーはつい先程まで〈城塞都市クルルス〉の中に居た。教会から城へ移動している最中だったのだ。
それなのに気付けばこの空も大地も水に置き換えられたような空間に居たのである。
下は水。それなのに2人は沈まない。それは彼女達が別に水面に立っているからではない。この空間が変わった瞬間に、地面が消失したことを察知したルミーが反射的に足下に結界を発動。それを足場にしてシータとルミーはこの水しかない世界で立っているのである。それが青髪の女にとっては予想外だったようで、その美しい顔に称賛の色を浮かべている。
「あら? てっきり水に沈むと思っていたわ。『光の聖女』と『地の聖女』は素晴らしい反応をしているわ。虫ケラだったら間抜けに沈んで『存在稀薄』で消えてくれそうなのに」
2人は周囲の水からジェーンドゥに視線を向ける。
シータは少しだけ悩む素振りを見せながらも腰に佩いた聖剣を鞘から引き抜いていく。
「状況はよくわからないけど……つまり貴女が私達をこの空間に閉じ込めたのかな? いったい何が目的かはわからないけど、褒められた行動じゃないと思うわ」
ルミーは懐から聖杖を取り出し練り上げた魔力を込める。
「どなたかは存じませんが……相手の同意を得ない監禁は罪ですよ? 私達に用があるのなら話しを聞きますよ。……勿論、ここから出してもらってからですが」
戦闘態勢に入った2人の威圧がこの世界の水に波紋を立てる。
それを向かい見る女はただ静かに微笑む。その足下の水は小揺るぎもしない。
ジェーンドゥは小首を傾げ、そして口を開く。聖女達の問いに答える為に。
「目的? 用? ……ふふふ。それは簡単よ。私様達は―――」
◆◆◆
「初めまして『火の聖女』『鉱の聖女』、歓迎するわ。ようこそ私様達の【天外領域】へ。ちなみに私様達は名乗るような者ではないわ。……そうね名無しの女と呼べば良いわ」
緑髪のサイドテールをなびかせて、異形の左眼を黒く赤く輝かせ、この世界には存在しない黒いセーラー服の長いスカートをはためかせる。彼女が立つのは何処とも知れぬ『緑の世界』。
この世界はもう一つの【天外領域】、そこに満ちていた『水』が違う物へ置き換わったような世界であった。それは地を埋め尽くし空を覆い隠していた。
その正体は『植物』。鮮やかな緑が瑞々しい生命力溢れる植物に埋め尽くされていた。
まるで木々だけで大地を構成しているかのようにみっちりと樹木が詰まり、そこから大量の草葉が生えている。その草葉は緑髪の女の下半身を隠すほどの高さに鬱蒼と生えている。そして空さえも同じように円蓋のように樹木の空が広がっている。
「……木ね」
「木しか無いわねえ」
この【天外領域】に居るのは緑髪の女だけではない。ここには彼女が招待した2人の聖女が居る。ローブに身を包んだディアンサスとロベリアだった。
2人はこれから友人達の晴れ舞台とも言える式典を拝みに行く為に、こうして認識阻害のローブを着て街中に出ていたのだ。そのローブの下は何時かの都市防衛の時に付けていた完全装備だった。装備を付けていた理由はマリーがディアンサスとロベリアの『正装』という物も見てみたいとねだったからである。断る理由も無かった2人はこうして完全装備で外出したのだ。
そして気付けば街中からこんな植物に満ちた世界に移り変わっていたのである。
ディアンサスとロベリアはこの事態を引き起こしたであろう張本人と思わしき人物へ目を向ける。2人から視線を向けられたジェーンドゥは笑顔を見せる。
「あら? てっきり『魔素中毒』で堕ちると思っていたわ。『火の聖女』と『鉱の聖女』は素晴らしい耐性をしているわ。虫ケラだったら間抜けに中毒になってくれそうなのに」
ディアンサスとロベリアはローブを脱ぎ捨てる。
ディアンサスが着ている羽衣と衣服が燃え上がる。そして燃えたそれらは炎のドレスと炎の雷鼓に変化して周囲に火の粉を撒き散らす。
「何の用よこいつ。それに急にこんなことをして名乗らないなんて巫山戯た輩ね。……ムカついたから燃やしてやるわ、この訳のわからない空間ごとね」
ロベリアの腕脚の防具に刻まれた血管のような筋に高濃度の毒が巡り、余剰分が揮発して周囲に赤紫の蒸気を立ち上らせる。
「ちょっと血の気が多いわよディアンサス。……そういうの目的を吐かせてからよ? 逆さまにしても何も出なくなるぐらい吐かせてあげるわ」
戦闘態勢に入った2人の威圧と能力の余波がこの世界の草木を枯らせて焦がす。
それを向かい見る女はただ静かに微笑む。その足下の草葉は変わりなく緑を輝かせる。
ジェーンドゥは小首を傾げ、そして口を開く。聖女達の問いに答える為に。
「目的? 用? ……ふふふ。それは簡単よ。私様達は―――」
―――この都市が滅びるその時まで、貴女達を足止めする為に来たのよ―――
双子は笑う。この都市でもっとも強大な戦力であろう聖女達を自分達が創造した世界に閉じ込めて。
戦いの火蓋を切って落とした。
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名:secret
種族:secret
性別:女
年齢:secret
レベル:900
スキル:【unknown】、【unknown】、【天外領域】
称号:secret、secret、妹愛、自己陶酔
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名:secret
種族:secret
性別:女
年齢:secret
レベル:900
スキル:【unknown】、【unknown】、【天外領域】
称号:secret、secret、姉愛、自己陶酔




