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最終話 奇跡を願う

「中畑いくよ」


伊東はそう言うと伊中の所へと走っていった。そして伊中の戦っているゾンビを斬りつけた。するとゾンビは腹が綺麗に斬れてしまった


「とどめ刺しますね」


中畑はそう言うと槍をゾンビの頭に突き刺した。するとゾンビは倒れてしまった。なので中畑は槍を抜くと伊東にこう言った


「これが強いゾンビですか?」


「多分ね。弱かったけど……」


伊東がそう言ったときだった。中畑の後ろで何かが動いているような気がした。なので伊東はそれをよく見てみると、それは今倒したばかりのゾンビだった


「中畑、こっちにこい!」


伊東はそれに気がつくとそう言った。が、すでに遅かった。中畑はゾンビに蹴り飛ばされてしまった。しかもそのゾンビは他のゾンビと違い、力が強く戸田達のいる所まで飛ばされてしまった


「こいつは力が強く、斬れにくい。そのうえ頭に槍を刺したくらいじゃ死なないぞ」


そう言ったのは伊中だった。ようするにこのゾンビを倒すには頭を斬るしかないということだった


「了解」


伊東はそう言うとそのゾンビに斬りつけにかかった。そんな様子を戸田達は少し離れた所から見ていた


「戸田。私やるわ」


そう言ったのは青池だった。そう言われたとき、戸田はどういう意味なのか分からなかった


「あとは任せるわ」


「え?」


青池は戸田が止める間もなく剣を持って伊東と伊中の戦っている場所まで行ってしまった。そして剣でゾンビを斬りつけた



「何やってんだアイツ……」


そう言ったのは有木だった。しかし有木は知っていた。青池がゾンビ対策官の持つような武器を持ってゾンビを倒したいことを。なのでここで戻ってくるよう言っても戻ってこないだろう


「どいて!」


青池は二人にそう言うと何度も剣でゾンビを斬った。しかしここで悲劇が起きた。青池がゾンビに近寄りすぎたせいか、突然ゾンビは青池に飛び付いたのだ。それに気付いた伊中はすぐにゾンビを斬ろうとしたが、遅かった



ガブッ!


ゾンビは青池の左腕に噛みついた。すると青池の左腕からは血が出てきた


「伊東!右をやれ!」


伊中はそう言うとゾンビの左足を斬った。それに続くように伊東もゾンビの右足を切り取った。両足の無くなったゾンビはようやく青池の腕を噛むのをやめた。するとゾンビは足がないため床に倒れてしまった


「この野郎!」


青池はそう言うと剣を捨てた。変わりにゾンビ対策課の警察官に支給される短剣を取り出した。そして青池は短剣でゾンビの首を斬った。しかし短剣というだけあってかなり斬りづらかった。なので何回も斬ってようやくゾンビの首は体から離れた……



「青池さん……」


そう言ったのは戸田だった。ゾンビを倒し終えたとき青池は腕から血を流していた。しかし青池は戸田を見ると笑みを浮かべた


しかしそんな時間も長くは続けなかった。突然青池の前に一人の女性対策官が来ると、青池は倒れてしまった。そしてその対策官の手には普通とは形が違う銃を持っていた……


「何やってんだ!」


そう言ったのは青木だった。もちろんそれを見ていた戸田もあまりに突然過ぎて何が起きたのか把握しきれなかった。しかし青池が倒れているということは分かっていた


「風戸は彼女を上まで運んでおいてくれ」


「了解」


そう言うと女性対策官は銃をしまい、指示通り青池を運び始めた。しかし身長が青池より低いため、引っ張っていた


「笛中か。これはどういうことだ?」


青木はそう聞いた。すると笛中はこう言った


「彼女はゾンビに噛まれた。もちろんあなた方も知ってると思いますが、ゾンビに噛まれた人間は数時間でゾンビになってしまう。だから噛まれた人が出た場合は麻酔銃やスタンガン、テーザーガンなどで動きを封じ、殺所まで運ぶことになってるんだ」


ゾンビに噛まれるとゾンビ化してしまう。このことは当然有木達も知っていた。しかし有木達はどうしても青池がゾンビに噛まれたことが信じられなかった。彼女はゾンビ対策課で一番強く、そんなこと絶対にないだろうと誰もが思っていたからだ。しかし現実は違った。彼女は噛まれてしまった。なので青木達は不思議な感じだった……


「ゾンビに噛まれた99.9%の確率でゾンビになってしまう。君達は残りの0.1%…… つまり彼女がゾンビに噛まれても平気な体だと信じるか?」


笛中は警察官達にそう聞いた。すると突然戸田の頭の中を、今日青池と一緒にいて起きた出来事が流れた。二人で協力してネイブを倒したこと。突然セブンという男が現れ、エイトを倒したこと。そしてセブンと共にこの地下室に来たこと……


「笛中さんは過去にゾンビに噛まれた人間がゾンビ化しなかった例をいくつ知ってますか?」


戸田はそう聞いた。すると笛中ははっきりとこう言った


「俺はこの仕事は五年以上やってるが、生きて現代社会に戻ってきた人は一人しか知らない」


「その人は今何をしているか分かりますか?」


「もちろんだ。そいつはゾンビ対策官として働いている。かなり強いぞ」


笛中はそう言った。しかしそれを聞いたことで青池がゾンビ化せずに終わるとも限らなかった。そんな時だった。エレベーターから誰かが降りてきた。その男性対策官はこの地下空間にいる全員にこう言った


「作戦は終了だ!全員地上に戻れ!」


本来ならこのようなことは無線機を使って行われる。しかしこの場所はかなり深いので、無線機が使えるか分からなかった。なので地下空間とは直接対策官が行き来して情報を伝えることになっていた


「とりあえず上に行こう」


笛中はそう言うとエレベーターに向かって歩き始めた。しかしエレベーターに乗り込む前に立ち止まると、有木にこう言った


「言い忘れてましたが、彼女がゾンビになった場合、我々はすぐに彼女を殺します。それとそのときは報告します」


笛中はそう言うとエレベーターに乗って地上へと行ってしまった。そんな静かになった地下空間で戸田は床に短剣が落ちているのに気がついた。戸田はその短剣を拾うと、青池の使っている短剣だということに気がついた


「青池さん…… 無事を願います」


戸田はそう言うと天井を見た。この地下空間は上にも広く、天井はかなり上に見えた……




警視庁、ゾンビ対策課……


戸田達はマル食品羽町工場から帰って来た。しかし青池だけいないのを見るとおかしな感じがした


「戸田、こんな時に悪いんだがあの工場で何があったか教えてくれないか?」


そう聞いてきたのは大原だった。なので戸田は工場であったことを話そうとした。が、大原はこう言った


「悪いが向こうで話そう」


大原はそう言うと戸田を連れて部屋から出ていってしまった。そんな青池の机には短剣が置かれていた……


中畑昂太なかはたこうた


ゾンビ殲滅局対策官


武器……槍

拳銃



風戸水月かざとみづき


ゾンビ殲滅局対策官


武器……レイピア

テーザーガン

拳銃



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