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#07 よく分かったね

マル食品羽町工場C館地下空間……


伊中が鉄の扉を開けると、扉の奥はとても広い空間になっていた。そしてその巨大空間の中央には緑色の液体の入っている大きな水槽があった。戸田はゆっくりとその水槽に近付くと、中に何か入っているのに気がついた


「気をつけろよ。その液体の中にはゾンビがいるから」


伊中がそう言うと戸田はすぐにその水槽から離れた。そして伊中にこう質問した


「何でゾンビがこの中にいるのですか?ゾンビなら勝手に増えるはずなのに……」


戸田がそう言うと伊中は水槽を触るとこう言った


「この水槽で通常のゾンビよりはるかに強い亜種を作っている」


「亜種?希種のこと?」


そう言ったのは青池だった。しかしどうやらその二つは違うらしく、伊中は首を振るとこう言った


「似ているが少し違う。希種は自然に増え、行動がおかしいゾンビを指す。しかし亜種は自然には増えず、道具を使ったりなど本来のゾンビとは特徴がかなり変わっているゾンビのことを指す」


伊中はそう言うとスマホを取り出した。そして画面をつけると青池に見せながらこう言った


「青池さんでしたか?あなたさっきスマホを貸したとき何かしましたよね?」


伊中はそう言うと青池に近付いた。そして画面を変えると、青池に小声でこう言った


「ウイルス入れたよね?盗聴するための……」


伊中がそう聞くと青池は顔色一つ変えずにこう言った


「分かってたのね」


「いや俺は分からなかったよ。だけど、この仕事用のスマホには外部からウイルスが入ったら自動で削除するシステムを入れてるんだ。だから分かったんだよ」


伊中はそう言うと青池が耳につけていた小型の通信機を取った


「やっぱりか。それに俺と会う前にテンの攻撃をくらっていたようだけど、それあまりダメージ入ってないでしょ。現にさっきまではフラフラしてたのに、今じゃ大丈夫みたいだしね」


伊中にそう言われると青池はため息をした。すると伊中はそんな青池にこう言った


「ゾンビ殲滅局はいつでも待ってますよ。良ければどうぞ」


伊中はそう言うとスマホを使って誰かに電話をかけ始めた。伊中が誰に電話をかけているか青池は分からなかったが、伊中のことなので何か大きな賭けをしようとしているのは予想ができた……




マル食品羽町工場正門前……


「マル食品羽町工場強制捜索開始!」


拡声器を使って皆に指示したのはこの作戦の主司令の宇土だった。彼が指示すると正門前で待機していたゾンビ対策官達は一斉に敷地内へと足を入れた


「有木さん!自分の班と伊東班は伊中と警察官二人のいるC館地下へ行くので着いてきてください!」


そう言ったのは先ほど宇土と一緒にいた笛中という男性だった。彼はどうやらゾンビ殲滅局東京本部の中でも階級が高い人物のようだ。なので有木はこう言った


「分かった。出来る限りのサポートはする」


「了解。無理しないでくださいね」


笛中はそう言うとC館の扉を開けた。そして地下空間への行き方を伊中から教えてもらった通りにやった。すると有木達のいる床が勝手に下へと下り始めた


「全員戦闘用意!」


笛中がそう言うとこの場にいた九人のゾンビ対策官は武器を構えた。ゾンビ対策官は警察官と違い、剣や槍、鎌を持つことができた。なので警察官よりゾンビを倒すことが容易だった。なので有木達にとってゾンビ対策官はとても心強かった



ガチャンッ!


そんな音を立てると有木達はC館にある謎の地下空間に到着した。笛中は素早く手前にあった鉄の扉まで移動すると、扉の隙間から中を見た。すると扉の向こうにはゾンビがいるのが見えた


「ゾンビがいる。みんな油断せずに行け!」


「了解」


笛中は部下からの返事を聞くと、鉄の扉を開けた。有木達はゾンビ対策官のあとに続いて地下空間に入ったが、そこについたときは扉の近くにいたゾンビは全て倒されていた


「有木警部!」


有木はそう呼ばれると声のした方を見た


「青池に戸田、無事だったか」


有木は二人を見るとそう言った。しかし青池は焦りながら早口でこう言った


「向こうに強い人がいます!このままでは伊中がヤバイです!」


有木はそう言われたものの、伊中という人物が誰か分からなかった。しかし近くにいたゾンビ対策官の耳に、青池の言った言葉が聞こえたらしくその人は青池にこう聞いた


「伊中はどこにいるんだ?」


「え?この奥に……」


青池はとっさに来た道を指差した


「笛中二佐!伊中が一人で戦っているそうです!」


「分かった。伊東班は先に向かえ!俺達はここのゾンビを倒してから行く!」


笛中はそう言うとゾンビの首をナイフで斬りつけた


「我々も行きますよ。二人が伊中という人に助けられたみたいですし」


「分かりました。近接はやるので、援護を頼みます」


ゾンビ対策官の伊東はそう言うと伊中にいる場所へと部下を連れて走り出した。有木達も置いていかれないように伊東を追いかけ、走り出した。しかし青池だけは止まっていた


「私もあんな武器使えたら良いのに……」


青池はゾンビと戦っている笛中班を見てボソッとそう言った。彼女はいま剣を持っているが、これは自分のものではなく後で没収となるものだった。なので自分の武器を持てるゾンビ対策官が羨ましくてたまらなかった……




伊東仁いとうじん


ゾンビ殲滅局対策官


武器……剣

爆式銃

拳銃



墳本連つかもとれん


ゾンビ殲滅局対策官


武器……槍

拳銃



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