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#06 我々は指示に従う

青池は電話を切ると伊中に手元が見えないようにポケットからUSBフラッシュメモリを取り出した。そしてそれを伊中のスマホに取り付けた。そして数秒してから取り外し再びポケットにいれた


「伊中、ありがとう。私は貴方を信じるわ」


「そりゃどうもね」


伊中はそう言うとスマホを受け取った。そして次の部屋へと先に行ってしまった


「青池さん。行きますよ」


「あ、ごめん。先に行ってて」


「分かりました」


そう言うと戸田は伊中の入っていった部屋に向かった。青池は二人がいなくなったのを確認すると耳に何かをつけた……




マル食品羽町工場B館、衛生管理室……


「ここはその衛生管理室。その名の通り食品に異物が入っていないか調べたデータが送られてくる部屋だ。この部屋はあまり大きくないし、すぐに捜査は終わるだろ」


伊中はそう言うと壁に寄りかかった。そして先程青池に貸したスマホを見始めた


「ごめんごめん。私も手伝うよ」


衛生管理室に青池が入ってきた。青池は部屋に入るとすぐに近くの棚をあさり始めた。そんな青池を伊中はじっと見ていた


「ん?」


戸田はふと窓から外を見るとそう言った


「何かあったの?」


「いえ。今外に誰かいるような気がしたもので……」


戸田がそう言うと青池は窓から外を見た。しかし窓の外には人は見えず、ただ木々が広がっていた


「え?いないけど……」


「気のせいですかね?すみません」


「なら早くこの部屋の捜査を、終わらせるよ」


「了解」


戸田はそう言うと再び部屋の至るところをあさり始めた。二人がそんなやり取りをしている間、伊中は誰かにメールを送っていた……




マル食品羽町工場C館……


ついに戸田達はこの工場で一番怪しいC館に入った。しかし伊中はC館の入り口付近にあった事務室には入らず、奥へと進んでしまった


「伊中、何してるの?事務室あったじゃん」


青池は伊中の後ろにつくとそう言った。すると伊中は歩きながらこう言った


「事務室にゾンビに関する証拠などない。それよりもっと良いところに連れていってやる」


「もっと良いところですか?」


戸田はそう聞いた。すると伊中は戸田のいる後ろを見てこう言った


「C館の地下室と言えば分かるかな?」


伊中はそう言うと立ち止まった。そして壁に手をつけた


「何してるのよ?早くいきましょうよ」


青池がそう言ったものの伊中は無言で壁に手を当てていた。そして伊中が壁に手を当ててから一分がたった時だった。突然戸田達のいる床が下へと下り始めたのだ


「これは?」


戸田は伊中にそう聞いた。すると伊中は剣を抜くとこう言った


「さっきの俺が手をつけた壁の天井に熱感知センサーがあるんだ。そこで一分止まってるとこうなるわけ」


「じゃあなんで壁に手をつけてたのよ」


「それは熱感知センサーの場所が分からなくならないように、あそこの壁だけ少し膨らんでいるんだ。だから壁に手をつけたんだ」


伊中は青池の質問にそう答えた。そして三人のいる床は地下室へと到着した。戸田は自分達の下りてきた地上を見たが、何故か天井があり、この地下室がどのくらいの場所にあるのか検討がつかなかった


「この鉄の扉を開けたらいよいよ戦いだ。剣を持ちな」


伊中にそう言われると戸田と青池は剣を抜いた。伊中は二人が剣を抜いたのを見ると鉄の扉を開けた……



マル食品羽町工場の近く……


「笛中二佐、伊中からC館の地下室に入ったとの連絡が来ました。伊中からの合図があり次第突入します」


「墳本聞いたか?今のことを全班に伝えてこい」


「了解」


笛中がそう指示すると部下の男性は走って行ってしまった


「おいちょっといいか?」


そう言ったのは警視庁ゾンビ対策課一班の班長、有木だった。彼らは戸田、青池がこの工場に行ったと知り駆けつけてきたのだ。しかし藤井の情報通り、ゾンビ対策官が工場の周りに沢山いて警察官である有木達は工場の敷地内に入ることを止められていた


「なんで今すぐ突入しないんだ?まさか仲間を見捨てる気なのか?」


「まぁ落ち着いて下さい。見捨てたりはしませんよ」


有木の後ろから誰かがそう言った。なので有木が振り向くと、そこには一人の男性はがいた


「誰だ?」


「私は本部の司令官の宇土です。それと同時に今回の作戦の主司令です」


男性司令官はそう言うと有木に対策官手帳を見せた。そこにははっきりと「宇土舞哉 准高司令官」と書かれていた


「今回の作戦は全て伊中にかかっています。彼は今までとある組織に潜入しており、今日の作戦までバレていませんでした。なのでこの作戦を失敗する訳にはいかないのです」


「だが、今突入しても作戦は成功するだろ?」


有木はすぐにそう言った。しかし宇土は首を振るとこう言った


「確かにこの工場にいるゾンビは掃討できるでしょう。しかし我々の目的はゾンビを操る裏の人間を逮捕、または殺すことです。今突入したら逃げられる可能性があるのでこうしてます」


有木はそう言われたものの、何がどうなっているのか全然分からなかった。宇土はゾンビを操る裏の人間がいると言っているが、ゾンビ対策課にはそんな情報は入ってきていなかった。これがゾンビ殲滅局と警視庁ゾンビ対策課の違いかとよく理解した有木だった


「有木警部、どうしますか?」


そう聞いたのは大原だった。なので有木は部下全員に聞こえるようにこう言った


「我々はゾンビ殲滅局の指示にしたがって動く。以上」


有木はそう言うと戸田と青池のいるC館を見た……



笛中奏多ふえなかかなた


ゾンビ殲滅局対策官


武器……フォールディングナイフ

ダガーナイフ

特注の短刀

拳銃




宇土舞哉うとまいや


ゾンビ殲滅局司令官


武器……拳銃

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