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#05 私達は疑うよ

伊中俊という男性は自分はゾンビ殲滅局の潜入捜査官だと言って対策官手帳を見せたが、戸田は伊中が仲間だとは思っていなかった。なぜならゾンビ殲滅局はゾンビを倒す組織。潜入捜査官がいるわけがないと考えていたからだ。そしてこれは青池も同じだった


「ねぇちょっといい?」


青池はそう言うと戸田の腕を引っ張った。そして戸田の耳元でこう言った


「あの男が何かしてきたら射殺して構わない。いいね?」


「了解」


青池にそう言われると戸田は小声でそう言った


「そう言えば二人は何でここに来たの?」


突然伊中は二人にそう聞いてきた。しかし二人は伊中を信用していなかったのでこう言った


「悪いけど教えられない」


「そんなに信用できない?」


「もちろん」


青池は伊中にハッキリとそう言った。すると伊中は呆れたようにこう言った


「さすが警察。色々と駄目だね。まぁ信じるか信じないかは自由だけど……」


伊中はそう言うと歩きだした。しかし戸田はそんな伊中にこう聞いた


「エイトは殺したの?」


伊中はそう聞かれると足をとめ、戸田を見た。エイトは二人を襲い殺そうとしていたところを伊中が剣で倒したのだ。しかし戸田にはエイトを利用したように見えたのだ


「胸の辺りを斬ったからこのままだと死ぬよ。そんな事よりB館を調べるならついてこい。案内するから」


伊中はそう言うと再び歩き始めた。青池は伊中を疑いつつもついていくことにした。戸田もついて行こうとしたとき、ふと血塗れになっているエイトが目に入った。エイトは目を閉じていたが、微かに呼吸をしていた。多分このままだとエイトは出血多量で死ぬだろう。戸田はそう思いながら伊中のあとを追い始めた……




マル食品羽町工場B館二階……


バンッ!


伊中は二階の階段に一番近くにあった部屋の扉を開けて中に入った。青池と戸田もあとに続いて入った。その部屋はかなり広くテレビや新聞、雑誌が置かれていた


「ここは?」


「ここは従業員の休憩室だ。食堂はC館にあるからここはあくまで短い休憩に使ってたんだと思う」


伊中はそう言うと机に置いてあったトランプを二人に見せた。二人もこの部屋を見て回ったが、どうやらこの部屋は休憩室で間違いないようだ。この休憩室には自動販売機も数台あり休憩室として問題なかった


「戸田、何かあった?」


「ゾンビに関する物は何もありません」


戸田は首を振りながらそう言った。なので二人は次の部屋に行くことにした


「ここの捜査は終わりか。次の部屋に案内するよ」


伊中はそう言うと休憩室から出ようとした。が、伊中の持ち物から謎の音がした。戸田が不思議に思っていると、伊中はポケットから小さな無線機を取り出した。そして休憩室にあったコップに水を入れると、無線機をその水の入ったコップに入れた


「何してるの?」


戸田は伊中にそう聞いた。すると伊中は二人にこう言った


「エイトがこの組織でも偉いエースに報告しやがった」


「つまりどういうこと?」


青池は伊中にそう聞いた。すると伊中は深刻そうな顔をしてこう言った


「俺がスパイだということが組織にバレた。俺達は見つかったら間違いなく口封じのために殺される」


伊中はそう言った。このときの伊中を見て戸田は伊中が本物のスパイだと思った。しかしゾンビ殲滅局に潜入捜査官がいるという事実は信じられなかった


「あなた本当にゾンビ殲滅局の潜入捜査官なの?」


青池は伊中に聞いた。すると伊中はゆっくりと口を開けるとこう言った


「もちろんだ。嘘をついても意味がない。現にエイトを殺したんだ」


「だけどゾンビ殲滅局に潜入捜査官がいるなんて、公表されてないわよ」


青池は過去に捜査の都合上、ゾンビ殲滅局について調べたことがあった。その時に分かったのが東京本部にいる対策官の人数、ゾンビ対策官の階級制度、そして本部の仕事の役割分担である「対策課」についてだった。そのとき調べた対策課には潜入捜査に関することは何も書かれていなかったのだ


「警察が知らないのは当然。というか対策官でもほんの少しの人間しか潜入捜査官がいることは知らないよ。何しろゾンビ殲滅局の極秘情報として扱われてるんでね」


伊中は青池にそう説明した。その理由は本当のように感じられた。しかし確証がなかったので青池は伊中にこう言った


「あなたスマホ持ってたら貸してくれない?」


「別に良いけど何に使うんだ?」


「あんたが本物の潜入捜査官か仲間に調べてもらう」


青池がそう言うと伊中はスマホを渡した


「ロックは解除してある。使っていいのは電話だけだ。そのスマホにも多くの秘密がある」


「分かった。助かるわ」


青池はそう言うと伊中のスマホを使って仲間に電話をし始めた。すると伊中は青池が電話しているとき、ボソッとこう言った


「電話しても意味ないんだよな~」


戸田は伊中の言ったことを聞いていたものの、どういう意味なのか全く分からなかったが、まだ怪しい人物だということには変わりなかった……




テン


???


武器……ロングソード



エイト


???


武器……ロングソード


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