表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

#03 知ってはいけないこと

「だけど、どうしてあそこにゾンビの死体があったのかしら?」


そう言ったのは青池だった。すでにこの工場から死体が出てきている時点で普通じゃないのは分かっている。しかし、何故あんなバレやすいところに置くのか不思議で仕方なかった


「もしかしたら、この工場でゾンビに関わることをしてたりとか……」


戸田は歩きながらそう言った。しかしゾンビに関わることといっても具体的に何かまで出てこなかった


ガラッ!


青池は次に調べる資料庫に入った。この資料庫には工場で生産している物に関することなど、大切な資料がしまわれている部屋だった


「誰だお前は」


青池は足を止めてそう言った。戸田も何か起きたのかと思い、資料庫に入ると部屋の中に誰かがいるのが見えた。しかしその格好はネイブと同じで、マントを羽織っていた。なので嫌な予感しかしなかった


バッ!


その人は突然剣を振ってきた。青池はそれを避けて戸田のいる所まで下がった


「今のを避けたか。なら本気を出すとしよう」


その人は剣をもう一本抜いた


「剣を両手に持ったところで精密さがなくなるだけ…… やるよ」


青池はそう言うと短剣を手に取った。しかしロングソードに短剣で挑むのは無謀に思えた。そんな時、ふと戸田はネイブの事を思い出した。ネイブの使っていた剣がトイレのドアに刺さっているはず……


「青池さん!ちょっと離れます」


「え?サポートしてよ……」


青池がそう言ったものの戸田は行ってしまった。これでかなり不利になってしまった。しかしすでに退くことの出来ない所まで近付いてしまっていた。なので青池は殺される覚悟で距離を一気に詰めた


「邪魔だ」


青池はそう言われると剣で殴られた。なんとか殴られたのが剣の刃の部分ではなかったので、死にはしなかったが頭を殴られた為、意識がもうろうとした状態で倒れてしまった


「クソ弱いな。ネイブに勝っただけで、この「テン」の実力を舐めていたのが敗因だったな」


テンはそう言うと剣を倒れている青池の首に突きつけた。そして殺そうと剣を振ろうとしたときだった……


バシュッ!



「誰だ?」


テンはそう言うと背中から血を流して倒れてしまった。そしてテンの後ろには血の垂れている剣を持った戸田がいた


「来る遅いわ。死ぬかと思ったよ」


青池はそう言うとゆっくりと立ち上がった。しかし頭から血が出ていて、壁に手をつけてやっと足で立てる状態だった


「ネイブの剣を取ってきましたけど、使いますか?」


「使いたいけど、使える状態じゃない。戸田が持っていて。それよりこの部屋を調べよう」


青池はそう言うとゆっくりと歩き始めた。戸田の倒したテンは資料庫のど真ん中で倒れているが気にしている余裕はなかった。二人に求められていることは、素早く工場を調査し、生きて脱出することだった


「なんだこれ?」


戸田は「見るな危険」と書かれているファイルを手に取った。戸田はそのファイルを開いて中を見た。しかし中に入っていた紙には建物の設計図が書かれていた


「何かあったの?」


青池はそう言いながら戸田の所に来た。なので戸田はその設計図を青池に見せた。青池はその設計図を見るとあることに気がついた


「ここに書かれているのは何かしら?」


青池はそう言いながら設計図の下の方を指差した。その部分はこの工場の建物の地下の部分だった。その設計図を見る限り、どうやらこの工場の地下に謎の空間があるみたいだ


「この空間怪しいけど、どうやって行こうか……」


青池はそう言うと考え始めた。今のところ二人は地下空間への入り口は見つけていない


「この建物を調査しながら、その地下空間への入り口を探しましょ。まだ調べることは沢山ありますし」


「そうだね。悪いけどそいつの剣を取ってくれないか?」


戸田はそう言われると、テンの剣を青池に渡した。二人はこの工場の秘密…… 知ってはいけないことを知ってしまった。なのでいつ殺されるか分からない。なので殺そうとしてくる人間に抵抗するために、怪我人だろうと武器を持たなくてはならなかった……



東京都、警視庁ゾンビ対策課……


「青池はいるか?」


そう言ったのはゾンビ対策課一班の班長の有木だった。しかし青池はこの場にいなかったので返事がなかった


「青池なら戸田と一緒に例の工場を調べに行きましたよ」


副班長の大原がそう言った。すると同じ班の藤井がこう言った


「私はゾンビ殲滅局に話を聞きにいったところ、例の工場は危険だから近付くなと言われたのですが……」


「大原は急いで青池と戸田に連絡が取れないか確かめろ!藤井は対策官に協力要請を!残りはすぐに工場に向かえ!」


有木はそう言うと立ち上がり、ポケットに短剣を入れた。今から出発したところで「マル食品羽町工場」までは一時間以上かかる。なので今から向かっても間に合うか微妙だった。しかし何をせず見殺しには出来ないため、みんな急いでパトカーへと走った……




有木咲翔あらきさくと


警視庁ゾンビ対策課一班、警部


武器……短剣

拳銃



大原拓馬おおはらたくま


警視庁ゾンビ対策課一班、警部補


武器……短刀

拳銃

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ