表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

昔見た夢の話。

作者: 柳瀬光輝

昔見た夢をメモっていて、読み返してみるとなかなかおもしろかったのでそのまま投稿してみます。

次郎は35歳にしてバツ10である。

資産家であり、その資産の全てが妻達の遺産である。

妻とは全て、死別した。

本日は次郎の数奇な運命について語ろう。


次郎はおとなしく真面目な性格だった。

そして、良く言えば優しく、悪く言えば優柔不断、人の頼み事を断れない性格であった。

将来の夢は「機械の研究開発に携われる仕事につくこと」である。

しかし、彼の家の財政事情がそれを許さず、高校を卒業してすぐに自動車整備工の仕事に就いた。

また、卒業と同時に、高校時代から交際していた澄子と結婚した。

子供ができたわけではない。

ただ、澄子と一緒に暮らしたかった。

澄子は孤児だった。

家庭というものに憧れていた。

次郎の親も、放任主義と言えば聞こえはいいが、二人に対して何の興味も無く、

反対されるわけもない。

式も挙げず、6畳一間、風呂無し、トイレ共同のボロアパートが新居だった。

次郎は働きながら自宅で新しい自動車エンジンの研究開発に取り組んだ。

だが、独学であり、廃車の部品を繋ぎ合わせただけのソレは、巨大で不恰好なものであった。



~澄子view~

次郎の稼ぎは少なく、澄子は年齢を偽り、夜のスナックでの仕事を始めた。

客はじじいばかりだったが、みんな若い澄子をチヤホヤしてくれた。

疲れて家に帰ると、いつも次郎は先に眠っていた。

テーブルの上には不気味な汚らしい機械が置いてある。

無性に腹が立った。

同級生達は綺麗に着飾り、青春を謳歌している。

なぜ私はこんな貧乏くじを引いてしまったのだろう?

「こんなものっ!!」

テーブルの上の機械を蹴飛ばした。

その途端、体に電流が走り、天啓を受けた。

『私は誰でも呪い殺すことができる』

それは絶対的な天啓であった。


澄子は呪った。

親友であったはずのあの女・・・

これ見よがしに着飾り、毎回違う男を彼氏だと言って紹介してくるあの女・・・

私を見下して、「まだ若いのに結婚なんて信じられない!」と嘲笑ったあの女・・・


翌日、元同級生から電話が入った。

あの女が、昨晩死んだと。

笑いが止まらなかった。


その日から澄子は、店の客と積極的に肉体関係を結んだ。

受取人を自分にして、高額の生命保険に入らせた。

さすがに3人目からは疑われ、警察で事情聴取も受けたが、

澄子のアリバイは完璧で、死因は全て心臓麻痺。

澄子が逮捕されることは無かった。


ある日、澄子は同僚に誘われ、ホストクラブへ行った。

一目で恋に落ちた。

毎日のようにホストクラブへ通い、ドンペリも入れて、時計でも車でもなんでも

彼の欲しがるものは貢いだ。

お金はある。いつでも補充できる。そう、いつでも。

そしてついに、彼を射止めた(少なくとも澄子はそう思っていた)

彼と一緒のベッドの中で、澄子は考える。

「彼にはもうこんな仕事辞めてもらおう。お金はあるのだから、二人で遊んで暮らせる」

そこで、ひとつの障害に気付く。

そう。次郎だ。

障害は取り除けば良いだけ。

澄子は呪った。


ドクン!と心臓が強く跳ねて、そして、止まった。



澄子の残した遺産は数億円にも上った。

次郎はそのお金の一部で、ビルを建てた。

1階部分は自動車整備の工場だ。

2階の住居部分には研究室も作った。

3階以上は賃貸のマンションにした。

今、ここに澄子が居たら、どんなに喜んだことだろう。

ガランと広い、真新しい家。冷たく、寂しい家。

孤独に耐え切れず、澄子の勤めていたスナックへと足が向いた。

次郎の席に着いたのは、次郎よりも10歳も年上の、珠美という女だった。

珠美は優しく次郎を慰めてくれた。

何よりも温もりが欲しかった。


朝、目覚めると、隣には裸の珠美が横になっていた。

記憶が無い。

珠美はニッカリと笑って「責任取りなさいよ!」と言う。

生真面目な次郎は、こうして澄子の喪が明けないうちに、再婚する事となる。



~珠美view~

カモが来た!そう思った。

澄子がじじいどもを垂らし込んで、多額の生命保険金を手にした事を知っている。

澄子が死んだ今、そのお金はこの男が持っているはず。

あわよくば、店の1軒でも持たせてもらおう。

そう思い、次郎を酔い潰し、送っていくと言って家に上がりこんだ。

次郎は単純で、なんと、結婚する事にまで同意した。

新居は澄子の臭いが染み付いていない、ピカピカの新築だ。

次郎はちょっと甘えれば、欲しいものはなんでも買ってくれる。

生活費も充分に渡してくれるが、数億円もの資産があるのに、それを自分が

自由にできない事だけが不満だった。


珠美は普段はあまり研究室に足を踏み入れなかったが、今日は気分が良かったので、

ふと、研究室のほうも掃除してあげよう、という気になった。

ずっと欲しかったピジョン・ブラッドの指輪を買ってもらったのだ。

が、研究室に踏み入ってすぐに後悔した。

ガラクタだらけで、どこから手を付けていいのかわからない。


ガラクタの中でも、特に異様な機械に目を捕らわれた。


「なに?これ・・・なんか禍々しい・・・」

指先で触れてみる。

その途端、体に電流が走り、天啓を受ける。

『ワタシハ、ダレデモ、ノロイコロスコトガ、デキル』

絶対的な天啓。


珠美は、次郎の財産だけが目当てだった。

珠美は、次郎を呪った。。。


ドクン!と心臓が強く跳ねて、そして、止まった。



短期間のうちに妻を二人亡くした次郎は、塞ぎがちになっていた。

珠美の喪が明けた頃、友人に一人の女性を紹介される。

美智代は、澄子とも珠美とも違い、地味で真面目な女性だった。

半年の交際を経て、次郎は再婚する事となる。



~美智代view~

美智代はすぐにソレに気付いた。

前妻二人の死因も、恐らくソレに関わるものに違いない。

次郎と自分とのキューピットになった共通の友人、辰夫に、自分が受けた天啓の事や、

ソレの持つ不気味さについて相談してみた。

辰夫はすぐに家に来てくれた。

そして、ソレに触ってみたが、辰夫には何も起きなかった。

女性だけに反応するかもしれない、と、辰夫の妻を呼んで触らせたが、結果は同じであった。

絶対に気のせいなんかじゃない。

次郎の過去について調べ始めた美智代は、澄子が複数の多額な生命保険金を手に入れていた事を知る。

恐らく、そういう事だ。

あの天啓は、本物だったのだ。


自分にも、殺したいほど憎い相手は居る。

だが、辰夫とその妻に全てを話してしまった。

彼らは、勘付くだろう。


美智代は、辰夫とその妻を呪った。

起きてしまったので未完ですw

そのうち書いてみようかな~とも思っています。

多分、男と機械の愛、的な話かなあ?どうだろう?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ