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転生先は完璧美少女だった  作者: ルイカ
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第一話 神との邂逅と恩恵

「すまなかった・・・!」

えー、どうも初めまして。恵美です。いまお花畑で、美女に全力で土下座されております。なんのこっちゃねん。

「あのーすみません。状況が理解できないのですがー?」

「おお、すまない・・・!」

いえ謝罪はいいのでその涙と鼻水を拭いてください。罪悪感が半端じゃありません。

「単刀直入に言おう。私は神だ。」

「・・・はい。」

落ち着け恵美。そうだ、まだ質問する時ではない。

「その、大変言いにくいのだが・・・君は死んでしまった。」

「・・・はい。」

いや落ち着け私。まだだ、そうまだ冷静でいろ。

「さらに言いにくのだが・・・君が死んだのは、私のミス」

「ふっざけんじゃねえええ!」

「ひい!?」

「なんだよあんたのミスで死んだっ

て!?そりゃいきなりこんなとこ

連れてこられてしかも目が覚める

前にそれっぽい記憶あるから死ん

だまではぎりぎり信じれるわ!で

もなんだよお前のミスで死ん

だ!?ふざけんな冗談も大概にし

ろ今すぐ生き返らせやがれ!

ゼーハーゼーハー・・・。」

ああ、一気に言いたいこと言ったら疲れた・・・。

「あ、あの、すまないが、その・・・

生き返らせることは、できん・・・。」

前言撤回。まだまだいけるぜ。

「はあてめえふざけ」

「違う違う!ふざけてるとかそうい

うのではなくて、そう決まってる

んだ!」

「決まり?」

「そうだ!神々の間で取り決めがされ

ていて、その、死んだ生物を蘇らせ

れば、時空に歪みができる可能性が

あるから、禁止させれているんだ。」

「決まり破ったらどーなんだよ?」

「私は消されてしまう。この世界も同

時に消えることになるぞ。」

「ッ!?」

最初は、無理にでも生き返らせようと思っていた。でも、こいつが消えると世界も消えると聞いて、思いとどまった。だってこの世界には、私の大切な、友達がいるから。

私が落ち着いたと感じたのか、神はまた話し始めた。

「神は無限にいて、それぞれの神が一

つの世界を管理している。一つの生

命──そうだな、例えば犬。そうい

うモノが世界に生まれでたとき、こ

こ──神々の間でゴッドワールドと

呼ばれている場所に、このような結

晶が作られる。神々はライフクリス

タルと呼んでいるがね・・・。」

そう言いながら取り出したのは、ふよふよと浮かびながらオレンジ色に輝く物体。まるで脈動するかのように、光は強くなったり弱くなったりしている。

「ライフクリスタルは生命の象徴だ。

これが破壊された時、そのクリスタ

ルの主も死ぬ。そして、クリスタル

を管理するのが、神々の役目なのだ

が・・・。その、不注意で君のクリ

スタルを割ってしまってな・・・。」

「・・・はあ。」

もう、呆れて言葉も出ない。つまり、この神様とやらのテヘペロな不注意で、私は死亡したというわけか・・・。怒るのも馬鹿馬鹿しくなってきた。

「それで?私になんの御用ですか、神

様とやら?」

「う、うむ。実は、代行措置を施そう

と思っている。」

「代行措置?」

「ああ。平たく言えば転生だ。別世界

にな。」

「ふーん・・・。」

「い、いや!もちろんただの転生では

ない!三つ願いを叶える特典付きだ!」

「よっしゃ!」

転生の上に願いを叶えるセットとくれば、機嫌はもう直ったも同然だった。

「転生先は決まってんの?」

「ああ。この世界で言う、「剣と魔法

のファンタジー」だ。」

「なおよろしい。」

「それじゃあ、早速願いを言ってくれ。」

「ふーむ・・・。」

そうなると悩む悩む。なんせ生前の私は平凡そのものだったので、欲しいものがあり過ぎるのだ。

「そうだな・・・。まずは記憶の保

持。転生しても、記憶を保ったま

まにしてくれ。」

「わかった。」

まずこれは第一条件。あと二つは・・・そうだ。

「それから無限の魔力。そして、それ

を操作するだけの力が欲しい。」

「ああ!いくらでもやるとも!」

三つ願いを言った途端、体がポワンと暖かくなるのを感じた。これは、魔法・・・?

「いや、魔法ではない。どちらかとい

うと、加護に近いな。」

「神って思考も読めるの?」

「ある程度はな。」

「あっそ。」

「とにかく、これで転生の準備は完了

だ。最後に、なにか言い残したいこ

とは?」

「・・・・・。」

言い残したいこと、か・・・。

「じゃあ、友人に伝言を頼みたい。」

「なんと言えばいい?」

「先に逝ってすまない、またいつか会

おう、と。彼女──小夜が死んだら、

ここに呼んで伝えてくれ。」

「・・・わかった。それじゃあ、な。」

「ああ。」

女神の言葉に応じた途端、意識が途切れていく。なぜか頬に、液体が流れていくのを感じた・・・。

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