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東方幻探課  作者: 犬上高一
とある怪事件にて
6/49

第6話  メリーさんをてゐっ!!

タイトルは3秒で浮かびました。

―――――

~陸佐視点





「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」


唸る化け物に思わず顔をしかめてしまう。それでも銃の構えを解かないのは長年の経験だろう。そして、声を上げて後ろに倒れこむ少女に向けてこう言った。


「逃げろッ!!」


まるでそれが合図だったかのように、化け物は腕を振り上げながら突っ込んでくる。瞬間体が反射的に銃の引き金を引いていた。


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!


陸自ではすでに旧式となった64式小銃と言えどそこから撃ち出される7.62mm弾は相当な威力を持っている。それを喰らって後ろにひるむ化け物。その隙にそばで放心していた少女を抱えその場から逃げ出す。


「な、なんつー奴」


いくらなんでも7.62mm弾を20発もくらって生きている奴なんて聞いたことがない。まぁ防弾盾で吹き飛ばされても脳震盪も起こさないから只者ではないと思っていたが・・・


「それにしてもこれは無茶ぶりすぎませんかね?」


左手に少女を抱え、右手には銃を持ち全力で走る。さすがにこれはちょっときつい。


「ええい!!こんなことなら機動隊なりなんなりに応援を頼むべきだったな!!!」


それに意外とこの少女はお・・・・いえ、なんでもないです。

愚痴をこぼしているといつの間にか後ろから化け物が追いかけてきた。


「これがリアル青〇!!なんつって!!」


さて、とにかく逃げないとゲームオーバーですねこりゃ!!






―――――――

~優海視点



「・・・いったい何が?それにさっきの雄叫びは・・・」



現在私たちはさっき一人の少女―――宇佐美蓮子を見つけた部屋から出て、屋上へと向かっている。さっき聞こえた銃声と雄叫びが気になるが、鷲子さんが「とりあえず屋上へ行こう。」と言ったので私達はそれに従った。


「いったい何をやってるんだ陸佐は・・・。いきなり銃をぶっ放すなんて・・・怪物にでも追いかけられてるのかな?」


まさか、どこぞのホラーゲームじゃあるまいし。


「ねぇ、メリーは・・・メリーは大丈夫なの?」


そう言って不安そうに聞いてくる蓮子ちゃん。大切な存在なのだろう。あたりをきょろきょろ探しながらメリーと言う子を探している。


「蓮子ちゃん。だったよね?」

「あ、はい!・・・そうですけど」


鷲子さんはそんな蓮子ちゃんを見て話しかけてきた。


「今は落ち着きな、あたし達の仲間があなたのお友達を探しているから。見つけたら屋上に来るようにしてあるからもしかしたらもうそこにいるかもしれないし」

「そ、そうなんですか!?」

「そうだよ。だから早く屋上へ行かなきゃね」


そう言って屋上までの階段を警戒しながら登っていく。

陸佐さん大丈夫かな・・・何か嫌な予感がする・・・・。そんなことを考えながら私たちは階段を上っていった。







――――――




どうやら私は放心していたらしい、そんなことに気付いたのはそばから耳を突き刺すような銃声が聞こえたときだった。



「残弾なし・・・こりゃあまずいかな?」

「あ、え?」

「あ、気づきました?」


そう言うと男はそばにあった部屋に飛び込み鍵をかける。その際に私が床に体を打ったのは些細な問題だった。


「とりあえず、長くは持ちそうにないですね。こりゃ」


見るとさっき鍵をかけたドアを化け物がドンドンとたたいている。どんな馬鹿力なのか。扉が少しずつ歪んできた。


「あ、ああ・・・」


この扉が壊された瞬間、あの化け物に殺されてしまうだろう。あの鋭い爪で引き裂かれるのだろうか?それとも食べられてしまうのだろうか?

自分がどんな殺され方をするのか考えていると、体を揺すられた。

振り向くとそこにはさっき私を抱えていた男がいた。


「大丈夫ですか?」

「・・・あ、はい何とか・・・」


そう言って正気に戻るとその返事はどう見てもおかしいことに気付いた。だって今化け物がそこにいて私たちを襲おうとしているんですよ!?そんな中で大丈夫ですか?大丈夫なわけないじゃない!!


「あの・・・とりあえず言いたいことは分かりましたから一度落ち着いてください・・・。」

「そんなこと言われたって落ち着けるわけないじゃない!!今もあの化け物があたしたちを殺そうとしてるんだよ!!そんな中でどうやって落ち着けっていうの!?」


そう言って男の襟首をつかむ。正直言って私の心はかなり限界に来ていた。逃げるために走り続けた疲労と、あの化け物に対する恐怖・・・。そして死。それらでもう心がぐちゃぐちゃになっていた。



「もういったい何なの!?いったいなんでこうなったの!?」



そう言ってパニックになっているメリーに陸佐は―――



ドスッ←陸佐のチョップがメリーに炸裂する音



「ッ〜〜〜〜〜〜〜!!」←メリーのうめく声



―――チョップをかましてメリーを黙らせた。



「い、いきなり何を!!」

「落ち着いてください」



肩をつかみこちらを見つめながらそう言ってくる男。その言葉には威圧感がこもっていた。


「今はここから逃げるのが先ですよ。私があれをひきつけますので、あなたはその隙に屋上まで走ってください」

「え、ちょどういう事ですか!?」

「説明してる暇はありませんね、とりあえず屋上へ行ってください。そこに助けが来ますから・・・」


そう言って腰に挿してある拳銃を取り出す男。この男・・・何者なの?


「合図をしたらこの部屋を出て屋上へ走ってくださいね」


その瞬間、ドアがものすごい音とともに吹き飛ばされてきた。幸い私たちは部屋の奥の方に居たためドアの破片を喰らわずに済んだ。



「喰らえッ!!」



バムバムバムッ!!



男が拳銃を連射し、化け物の意識が男へ向く。その隙を逃さずに男は


「今だ!!逃げろ!!」

「ッ!!」


そう叫んだ瞬間私は走り出していた。

何度も聞こえる銃声と何かを破壊する音。それらを一切無視して私は部屋から飛び出し、残っていた体力すべてを使って屋上へと走り出した・・・











メリーさんごめんなさい。(笑)

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