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東方幻探課  作者: 犬上高一
とある怪事件にて
4/49

第4話  青〇じゃあるまいし

―――京都、とある大学前

〜優海視点



「着きましたよ〜」


そう言われて装甲車から降りる二人。周囲の警官から奇異の目で見られていたが、それどころでないのかちらっと見ただけで全員大学の方に向きなおっていった。


「じゃあ二人はここで待っていてくださいね。現場と話を付けてきますから」

「はいよ~」

「わ、分かりました。」


そう言って警官隊の方へ歩いていく陸佐さん。その後ろ姿を見ながら鷲子さんは


「陸佐もよくやるよね。現場とはよくもめるからただでさえストレスがたまるのに・・・」

「そ、そんなことあるんですか?」

「あるよ、昔現場の刑事ともめちゃって。傍から見てるだけだったあたしですら相手を殴りたくなるほどの嫌味を言われたのに顔にも出さないさ。」

「ちなみに何言われたんですか?」

「思い出すのも嫌だね」

「そ、ソウデスカ・・・」


そんなに印象悪いのかな・・・ここ。と、そんなことを考えていると陸佐さんと警官隊の隊長のような人が話しているのが目に映った。陸佐さんは背中をこちらに向けているためどんな表情をしているのか分からないが相手は渋い顔をして陸佐さんを睨んでいる。そして一言二言ぐらいだろうか。二人が言葉を交わすとこっちを向いて陸佐さんが手招きでこちらを呼んでいた。


「どうやら話が付いたみたいだね。行こうか」

「あ、はい」


そう言って二人の方に歩いていく。二人の所に来ると今度は警官隊の隊長が、話し始めた。


「状況を説明するぞ。犯人は今から約40分ぐらい前、この大学の北の方にある調理室の窓を割って侵入。騒ぎに気付いた教師が非常ベルを鳴らし大学内にいた者のほとんどが屋外へ避難した。今の所犠牲者、およびけが人は出ていないが教員が生徒の点呼を行ったところ2名が行方不明になっている。おそらくはまだあの大学の中だろう。」

「大学から自力で脱出は?」

「無理だ。ここの警備員が慌てて防火シャッターを下ろしたため出ようにも出られない。」

「犯人の情報は?」

「目撃証言によると、全身ブルーベリーみたいな色をした巨人だそうだ。」

「青○じゃあるまいし」

「大方恐怖で幻覚でも見たんだろ?って言いたいがそうも言ってられん。実際監視カメラの映像にはそれらしき影が映っていた。というよりなんであんた等みたいなのが出張ってくるんだ?」

「上からの命令ですよ。命令じゃあ従わないわけにはいきませんからね」


そう言うと警官隊の隊長は「ふんっ」と鼻を鳴らして


「まぁ上からの命令じゃあどうすることもできないが・・・あんたらで本当に出来るのか?たった3人で?」

「出来る出来ないじゃなくてやるんですよ。ではあとはこちらで中に突入します。外側は頼みましたよ」

「けっ・・・幻想みたいな部隊が・・・」


そう捨て台詞を残してそばにいた警官に指示を飛ばす。陸佐は踵を返してこちらに向き直ると、


「さて、とりあえず状況は今の通りです。とりあえず装備を持って突入することにしましょう。」

「え?あの、突入って・・・」


まさか私たち3人で突入するつもりじゃあないでしょうね・・・


「そうですよ。私たち3人で建物内へ突入します。」

「いやでも!!私今日こっちに来たばっかりで訓練も何も・・・」

「大丈夫ですよ。えっと・・・名前なんでしたっけ?」

「・・・・・・・・優海です・・・」

「そうそう、優海さんですね」


この人は人の名前を覚えるのが苦手なようだ・・・


「優海さんは鷲子さんと一緒にまだ中に残っている人を捜索してくだい。」

「鷲子さんと・・・ですか?」

「なるほどね。じゃあ頑張っていこうか!あたしのかっこいいところ見せてやるよ!!」


黙っていればきれいなんだけどな〜・・・


「では、私は犯人を確保に回ります。それと装備を整えてから行ってくださいね」

「装備・・・ですか?」


首をかしげる私に対し陸佐さんは


「装甲車の中に防弾チョッキとヘルメットがありますから、それを付けてから行ってください。」

「あ、はい。分かりました。」


よくそんな装備があるな。


「防弾盾とグレネードランチャーは持たせないのかい?」

「あんなのもってたら動き回れないでしょう?」

「確かに」



・・・待て待て待て待て。百歩譲って防弾盾は認めよう。だけどグレネードランチャーなんて所持していいものか・・・?



「って言うか陸佐さん・・・その装備で行く気ですか・・・?」

「そうですが?」


陸佐は全身迷彩柄の服に背中には小さい防弾盾。腰には拳銃。胸に手榴弾。頭にヘルメット。手にはライフルが握られていた。



「戦場にでも行く気ですか!?」

「まさか。これで十分ですよ。でも本当ならもう少し銃があってもいいな〜と」


うん、初めは優しいおじさんかと思ったけどやっぱりどこか頭がおかしい人だ。


「って言うか鷲子さんはなんでTシャツ一枚なんです!?」

「いやぁ〜熱いの嫌いでさ〜」


文字どうり鷲子は下はジーパン。上はTシャツ一枚と言うものすごいラフな格好だ。しかも胸が大きいため思いっきり谷間が強調され・・・要はすごく色っぽくなっていた。


「せめて上に何か羽織ってくださいよ・・・」

「ん?どうしてだい?」


そう言って腕を組んで首をかしげる鷲子さん。ヤメテ、腕を組むと胸が押し上げられてシャツから今にも出そうに・・・///


「いいんですよ。この人はいつもこうですから」

「ソウデスカ・・・」


きっと周りの男たちはみんな彼女の胸にくぎ付けだろう・・・だってさっきからそこらへんにいる警官が鷲子さんのことちら見してるもん。それを気にしてない鷲子さんもまたどこかおかしいのであろう・・・。


「どうでもいいからさっさと行こうか、中にいる人の安否も気になるし」

「そうですね。それじゃあさっさと終わらせてしまいますか」


終わらせるって何を?その格好で発言するとどう見ても犯人を殺す気満々なんだけど・・・。


「ふぅ〜・・・やっぱり煙草吸ってないと落ち着きませんねぇ〜」

「禁煙したら?吸いすぎだよ」

「私は生涯禁煙する気なんてありませんね」

「あ、そう」


緊張感のかけらも無い話をしている二人、周りの警官の痛い視線に耐えられなくなった私は


「と、とにかく急ぎましょう!!早く中に人を救出しないといけないし」

「ん〜。そうですね〜さっさと行きますかね」


二人を急かしそのまま逃げるように突入作戦を開始した。









―――しかし、私たちが突入した先で待っていたのは・・・


基本幻特課はどこからも疎まれています。

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