閉話休題 白い狼とその他大勢
このお話は白狼物語とのクロスオーバー作品であり番外編であり本編との矛盾がありまくるお話です。
だからいろいろと気にしないでください。
――――――
「〜♪」
鼻歌交じりに里の中でお使いを済ませる私こと優海。今日の晩御飯は焼き魚という訳で里の魚屋さんに買いに行っていたのだ。
ちなみに何故か魚屋さんのおじさんにおまけで一匹多くもらえた。よく分かんないけどラッキー。
そういう事があって鼻歌交じりで家に帰ると何故かみんなが一か所に固まっていた。
「ただいま〜。魚買ってきたよ・・・・・・。」
そう言ってみんなが囲んでいる物をみて驚いた。そこには真っ白な一匹の犬がいたのだ。
「ど、どうしたんですか?それ。」
「拾った。」
私の質問に答えたのは鷲子さんだった。
いや拾ったってそれは
「何で拾ってきたんですか!?」
「いや、あたしじゃなくて陸佐。」
え!?拾ってきたの陸佐さん!?
「いや、クナの整備していたら何か車の下に居たんですよ。」
「で、下に居たこいつを引っ張りだして今ここでどうするか話し合っていたんです。」
あ・・・なるほどね・・・。
ようは車の下にいたこの犬をどうするか決めかねていたと・・・。
「・・・で、どうします?野生にお帰り。って言って逃がすことも出来ますけど。」
――ナデナデ
「この人数+さらに犬一匹か・・・家計大丈夫かしら?」
――ナデナデ
「お金の事を考えるとちょっとキツイ・・・かも・・・。」
――ナデナデ
「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」」」」」
ねぇさっきから陸佐さんが白い犬の頭を撫で続けているんですけど・・・しかも無言で。そして撫でられて目を細め気持ち良さそうにしている犬を見ると・・・・・・。
「「「「「「「(捨てて来いなんて言えない・・・。)」」」」」」
はっきり言って皆飼いたいんだけど、依頼と生活費を考えるとどうしても無理だ。
だから犬を飼うのは無理なのだが・・・陸佐さんから捨てないでオーラが漂ってきている。
「あ、あのさ。陸佐。」
勇気を出して話しかける鷲子さん。
「その〜・・・、うちの家計の事なんだけどね?今の状態じゃあ厳しくてさ・・・。犬を飼う事は、ちょっと無理かな?って。」
その瞬間陸佐さんが犬を撫でる手を止めた。そして犬を抱きかかえる。そして一言
「撫でます?」
この瞬間探偵事務所に一匹の犬が新たに加わった。
「この子真っ白だよね。何犬かな?」
「サモエド・・・じゃなさそうですね。」
そう言いながら皆に体を撫でられまくる犬。
「ねぇ、この子名前何にしようか?」
「陸がいいんじゃないですか?白いし。」
「いやどうしてそうなる。」
どうせ陸佐さん覚えないじゃん。
「じゃ、コロ何て言うのどう?」
メリーのがそう言うと今まで撫でられ続けていた犬が突然首を横に振った。
「え、嫌なの?」
そう聞くと今度は首を縦に振る。
「「「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」」」」」」」」」」
「もしかして・・・人間の言葉が分かる?」
―――コクコクッ
まじか・・・。
――――
という訳で私こと優海は今この白い犬―――名前は木葉――を抱いています。
あの後名前なんだけど咥えてきた木の葉っぱで木葉って分かった。・・・たぶん。
だってそう言った時首を縦に振ったもん。
ちなみになんで抱いているのかと言うと気持ち良さそうだから。
「・・・お腹減った・・・。」
そう言えば昼ごはんまだ食べてなかった・・・。
「お昼なら今作ってますよ。」
そう言って台所から顔を出すメリー。「分かった〜」と言う私の返事を聞いて台所に引っ込む。ちなみに食事の担当は蓮子とメリーだ。
魚の焼けるいい匂いが漂ってくる。
「もうしばらくだね〜。」
「クゥ〜ン」
涎を垂らしながら台所を見つめる木葉はきっと腹ペコなんだろうと思う。
・・・服が涎でべとべとになってる・・・。
「もう少し掛かるから先にお風呂入ったらどうですか?」
「じゃそうさせてもらうよ。」
そう言って木葉を連れてお風呂へ入った。
ブルブルと体を回転させて水飛沫を飛ばす木葉。本人は気持ちいいだろうがその水を掛けられる側は結構迷惑だ。
そしてお風呂から上がるとそこにはできたての夕食が並べられていた。
ただ何か規模が・・・。
「何この料理!?」
何か満漢全席たいなものが出来てる!!
「張りきったらこうなった。」
「てへ☆」
「いや何所をどうしたらこうなるの!?」
私が買って来た食材って確か魚だったよね!?
「まぁ木葉ちゃんと出会った事のお祝いっていう事で、ほら早く座った座った。」
そう言って席に座らされる。ちなみに木葉は私の隣だ。
何所にあったのだろうか北京ダックが木葉の皿に乗せられていた。
「じゃあ、頂きます!!」
「「「「「「「頂きまーす!!」」」」」」
そう言って全員で食べ始めた。そばにあったお肉を一つ食べて見る。
「・・・うまい!!」
このこんがりとした焦げ目と肉汁がもう何ともいえない味を出している。
・・・探偵事務所やめて料亭にでもしようかな?ここ。
ふと横の木葉を見るとすでに北京ダックを平らげていた。いつの間に!?
「美味しい?お代わりもあるからどんどん食べて行ってね!!」
そう言うとメリーが木葉の皿に今度は焼かれた肉や若干の野菜が載せられた。それを幸せそうにパクパクと食べていく。さらにそれを食べ終わると次それも終わると次と言う風にどんどん食べて行った。
―――――――
「・・・・・・すごく幸せそうな夢を見ているわね・・・。」
心の声を引き出さなくても分かる。
・・・涎垂らしながら嬉しそうな顔で寝ている木葉はたぶん美味しい物をたくさん食べている夢を見ているのだろう。・・・何かお腹空いてきたわ。
そう言って私――紅葉は涎で床を汚しながら寝ている木葉を放って置いて食事の準備に取り掛かった。
・・・・・・にしてもどんな料理食べてるんだろう?
コラボしてくださった水城の士官さん。ありがとうございました。




