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東方幻探課  作者: 犬上高一
こちら幻探課探偵事務所
32/49

第30話  アリス宅に珍しく訪問者

リアルが一段落し小説の執筆もスイッチが入ってきた所。


今回から新章です。

―――――



今日も私は人形の研究をしていた。夢は完全な自立型人形を作る事。

それを叶える為にこの魔法の森の中で一人、人形の研究をしている。


滅多に人が来ないこの森の中。いつもと変わらない日常を過ごす。


だが、今日は違った。



「ごめんくださーい!!」



そう言って家のドアをノックしてくる。

魔理沙かとも思ったがそれはない。彼女は絶対にノックしないしごめんください何て言わないしまずいきなり入って(押し入って)来るし


―――じゃあ一体誰が?


警戒しつつ扉を開けるとそこには


「おはようございまーす。」

「・・・・・・。」


最近此処に来た外来人。優海がそこにいた。






「で、何しに来たのかしら?」


とりあえず立ち話も何なので家の中に入れ紅茶を出しておく。


「アリスって魔法使えたよね?」


唐突ね。


「ええ、そうだけど?」

「私にも魔法教えてほしいんだ。」

「・・・へ?」


魔法を教えてほしい・・・つまりあれ?魔法使いになりたいとか?


「そうなの。この世界じゃ力がないといろいろと不便だしさ。それに弱いとみんなに迷惑をかけちゃうし・・・。」

「・・・何かあったの?」

「ちょっとね。」


・・・まぁ深入りすることでもないか。

そう考え一度紅茶を飲むとふと疑問に思ったことを聞いてみる。


「みんなってメリー以外に誰かいたっけ?」

「うん。あとから幻想入りしてきた仕事の先輩(?)とかメリーちゃんの友達とか。」


色々と幻想入りしてるのね。でも一度にこんなに外来人が来るなんて結界が緩くなっているのかしら?

・・・それと(?)って何?

まぁなんとなく事情は分かったけどね・・・。」


「要はその人たちを守りたいから魔法を教えてって言うんでしょ?」

「!!」

「そう顔に書いてあったわよ。」

「え?嘘!?ちょっと鏡貸して!!」


こういう反応は初めて見たわ・・・・。


「嘘よ。それにしてもよくここまで来れたわね?途中で襲われたりとかしなかった?」

「ううん。全然。昼間はみんな寝てるのかもね。」


まぁ確かに妖怪は基本夜行性だけど・・・一匹も出会わないでここまで来る・・・結構運がいいのかしら?


「まぁいいわ。その紅茶を飲んだらいろいろと教えてあげる。」


別に魔法を教えるとこぐらいどうってことないし。

そう言って私達は残っていた紅茶を飲むと練習をするために外へと出た。






――――――



「で、気づいたら優海は居なくて机の上に置手紙があったと。」


そこには『ちょっと魔法を教えてもらいに行ってきます。心配しないでね。By優海』と書かれた置手紙があった。


「・・・・・・魔法?そんなもんまであるんですか?」

「なんでもありですね。この世界。」


まったくもってその通りね。まるで本の中の世界みたい。

っていうか実際に別の世界に来ているわけだが・・・。


「で、これを書いた本人は魔法を教えてもらいに出かけたと。」

「そうなりますね。」

「で、場所は何所だい?」


鷲子さんの疑問には思い当たることがあったので答える。


「あ、たぶんそれは人里から出た魔法の森って所です。」

「何で分かるの?」

「実は幻想郷に来た時にお世話になった魔法使いがそこに住んでいるんです。」


と言うのもアリスの事だけどね。それ以外に心当たりないし・・・。

それでみんな納得したような顔をしていたのだが一人だけ―――胸の下で腕を組んで若干首をかしげている鷲子さんが―――居た。

っていうかその体制だと結構セクシーっていうか悩殺ポーズっていうかあれが強調されているっていうか。・・・いいもん!私こう見えても結構あるもん!!

と、私が嫉妬心を芽生えさせている所でその嫉妬心の原因の人がこう言った。


「っていうか優海一人で里の外に出たの?」


「「「「「あ」」」」」


それってまずいんじゃ・・・?











――――――――



という訳でとりあえずまずは空を飛ぶことから教えることにしてみた。

のだが中々うまく行かない。と言ってもいきなり魔法を使えるようになるのが可笑しいのだが・・・。


「ダメか・・・。」


魔法を使って空を飛ぶイメージをし体の中にある魔力を発動させる。と口で言うのは軽いが実際はそうではない。現に彼女はこのイメージをゆうに3桁は

行っている。


「イメージが弱いのかしらね?体の中の魔力で浮かびあがるように強くイメージしてみて。」

「分かった。」


そう言って目を閉じ集中する優海。

・・・だからって両手を合わせて拝まなくてもいいと思うけど・・・。


「うぅ〜〜〜!!」


いやだからそんなに唸らなくても・・・。


「う〜か〜べ〜!!」


と、なんか変な声を上げながら必死で拝みながら集中する優海に3度目のツッコミを入れようとした時。


「・・・・・・あ。」


浮かんだ・・・。


「え?うかん・・・だっ!?」

「うわっ!?」


地面から30cm位浮かんだ所で集中が切れたのかそこから落下して思いっきり腰を打ちつけた。しかもドスンという効果音付きで。


「いった〜〜〜〜!!!」

「だ、大丈夫?」

「な、何とか・・・。」


腰をさすりながら答える優海。ああ〜これは痛いわ・・・。


「でも、ちょっと飛べたじゃない。この短時間でこれはすごいわよ。」

「え、えへへへへ///」


あ、褒められると照れるタイプね。しかもすぐ顔に出ちゃう。

実際にすごくうれしそうな顔をしながら照れくさそうに頭を掻いている。しかも若干頬が赤い。


「後はもう少しイメージを強くする事ね。それが簡単にできるようになったら合格ね。」

「よっし!!」


そう言って立ち上がろうとする優海に一言言った。


「でも今日はこのくらいにしましょう。無理をすると大変だからから。」

「え?どうして?」


そう言って立ち上がろうとしていた彼女はその動作をやめ地面に座りこんだまま聞き返してくる。


「魔力をまったく使っていない状態でいきなり使ったから体に負担がかかってるの。無理をして続けると体が急激な変化に付いていけなくて拒絶反応を起こす。そうすると丸一日苦痛で動けなくなるわよ。」


魔法は便利ではある、だが間違った方法をしてしまった場合それ相応の代償が来ることになる。本当に危険なものになると命を落とす結果にもなりかねない。


「う・・・分かった・・・。」


若干残念そうな顔を浮かべながら下を俯く。


「無理は禁物。ゆっくりとでもいいから飛べる様になりなさいな。」


そう言って倒れたままの優海に手を差し出す。彼女はその手を取って起き上がる。


「あ、ありがとう・・・。」

「さぁ、お茶にしましょう。美味しいクッキーもあるわよ。」

「え!?ほんと!?やったー!!」


・・・結構子供っぽい所があるのね。っていうかこの人は半分子供な気がする。

でもそんな所がこの人のいい所なんだな。とそんな事を考えながら二人で家の中に入って行った。











――――――――



「どうする?里の外に探しに行くかい?」

「しかし私達は外の状況をほとんど把握していませんし・・・。」

「でも、このまま放ってはおけないっス!!」

「・・・あなたそんな喋り方でしたっけ?」


と約一名の口癖の謎が浮かび上がったがそんなことはどうでもよい。

それよりも書置きだけ残して居なくなった優海さんを探しに行くか行かないかで若干揉めている。できれば早く探しに行きたいのだが場所も把握しておらずさらに外は妖怪ウヨウヨなので簡単には出れない状態。


「慧音さんとかに頼めばいいんじゃないですか?」

「でもできれば迷惑かけたくないし・・・。」


本当は私がアリスの家の場所を覚えていればいいのだが・・・。


と、言う所で一つの妙案を思いつく。


「そう言えば妖忌さんって人。あの人昔はここに居たって言ってましたよね。」

「「「「「それだ!!!」」」」」


そう言ってみんなが妖忌さんに注も・・・・・・あれ?


「そう言えば妖忌は?」


そう言ってあたりを見回してみると居ない。皆が分かれてそれぞれ妖忌さんを探し始めようとするがその時


「ねぇ、何かこんなものを見つけたんだけど・・・。」


そう言って蓮子が一枚の紙を差し出す。そこにはこう書かれていた。







『私用で多少出かけます。』






「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」」」」」




いろいろと頑張りました。


そしてやっぱり原作は3面でピチュリマス(泣)

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