第26話 人里の捜索劇
ちゃんとシリアスになってますかね?
――――――
あの後私達は、それぞれ分かれて人里の中を探して歩いた。何故人里の中限定なのかはもうすぐ日が暮れる為里の外は危険だという事なので里の中を探して歩いた。
「にしても、全然見つからないわね。」
「まったくよ・・・。もう日が落ちるわ・・・。」
今はメリーと一緒になって探しているが一向に見つからず時間だけが過ぎていく。そして太陽の方を見るとすでにほとんどの部分が隠れてしまった太陽が今。完璧に落ちてしまった。
「もう真っ暗になる!!急いで見つけないと!!」
焦った私達は当てもなく走り出した。
見ず知らずの女の子を助けるために・・・
―――――――――人里の中
〜優海視点
「日が暮れた・・・。」
そう言って見つめる先には完璧に沈んだ太陽と若干残っている夕焼けの光。しかしそれももうすぐ消えてしまい、あとは真っ暗な闇が残るだけ。そうなってしまえばあの時のような化け物がうようよと出てきてしまう。そして、もしその子が里の外に出てしまっていたら・・・。と言う最悪の結果を頭から振り払い走り出す。
途中何人かの大人の人とすれ違ったがみんな少女を探しているようだった。
「はぁ・・・はぁ・・・人里の中は・・・そんなに広くないし、こんなに探しても見つからないっていうことは・・・。里の外・・・。」
もう思いつく所と言ったらそこしかない。だが一歩でも里の外に出たら命の保証はない。
そして本当にその子が里の外に出たという保証もない。もしかしたらどこかでかくれんぼでもしているかもしれないし。とっくに家に帰っているかもしれない。
でももし・・・かくれんぼなんてしていなかったら?
でももし・・・家に帰っていなかったら?
でももし・・・里の外に出ていたら?
でももし・・・すでに*****いたら?
「ッ!!急いで見つけないと!!」
気が付くと私は走りだしていた。
何所へ?人里の外へ。
何しに?子供を探すため。
何故?
私が助けたいと思うから。難しい理屈なんていらない。もともとそんなことを考える頭何て私にはない。自分の本心に従う。ただそれだけだった。
「人を守るのが警察官の仕事・・・。」
そんな時一つの言葉を思い出した。
かつて警察学校で散々鍛えられた教官。そしてお世話になった交通課の上司。
彼らは口をそろえて言っていた。「これが俺たちの誇りだ」と。
見ず知らずの他人でも困っていたら助ける。見ず知らずの他人でも悪いことをしたらそれを正す。
「よしッ!!」
両手で両頬を叩き喝を入れると私は人里の外へと飛び出していった。
――――――――
「いったいどこへ・・・。」
これだけ探し回っても一向に見つからない。しかも日は完璧に落ちてあたりは真っ暗になっていた。
「慧音か!!見つかったかい!?」
前から走りながらそう話しかけてくる鷲子。
「いやまだだ。行きそうな場所とかを探してみたのだが・・・。」
すべて空振り・・・。今でもその子は家に戻っておらず里総出で捜索を続けている。
「あと探していないのは・・・里の外・・・。」
しかし今は完璧に日が落ちた夜。なんの力も持たない人が外に出るのは自殺行為以外の何物でもない。まさしくミイラ取りがミイラになる。
「だが、探さなきゃならないだろう?その子を。」
「当たり前だ。私の・・・大切な教え子なんだからな・・・。」
「そうかい。で、どうする?いずれにしても人里の中にはい居ないと思うぞ。」
「・・・仕方ない。外を探すしかないか。」
「慧音さん!!」
そう言って歩き出す私を引き留める声。見るとそこには刀や弓さらには鍬や木の棒で武装した里の男たちの姿があった。
「お、お前ら何を!?」
「俺達も一緒に手伝います!!だから連れて行ってくだせぇ!!」
「なッ!?」
「慧音さん一人で探すよりも俺達も一緒に探す方が早く見つかる!」
「「「「「「そうだそうだ!!」」」」」」
確かに彼らの言う事は正しい。一人で探すよりも多数で探したほうが圧倒的に効率はいいのだ。だが彼らは知らなかった。
夜の妖怪がどれほど危険なものかを。
「ダメだ。・・・たとえそんなもので武装したとしても妖怪相手に到底勝てる物ではない。」
「しかし・・・このまま放って置けって言うんですか!?」
それは私にも分かっていた。少女をこのまま放って置けないことも。そしてこのまま彼らを里の外に出せば間違いなく死ぬという事も。
「兎に角、みんなはここで待っていてくれ。夜の幻想郷は危険だからみんなまで危険になることはない。」
そう言い残して私は走り出した。一刻も早く少女を見つけなければ彼らが勝手に里の外に出てしまい妖怪に食べられてしまうだろう。そんなことを考えながら走っていた。
だが、彼女は知らなかった。もうすでに里の外に出ていたものがいたことを。
―――――――
「はぁはぁ・・・。」
あれから結構な時間が経ったと思う。兎に角里を出てあたりを探し回る。一刻も早く見つけないと大変なことになる。
「・・・・・・ひっぐ・・・ひっく・・・。」
「?・・・泣き声?」
ふと聞こえた泣き声。その声のする方に行ってみれば・・・。
「あ、・・・・」
「ふぁ?////」
そこにはピンク色の着物を着た少女が座り込んで泣いていた。
「あ、あの・・・大丈夫?」
「ひっく・・・お姉さん・・・だれ?」
泣き顔でそう聞いてくる少女。見れば着物や足は土で汚れており随分走り回った事を察しさせる。
「お姉さんは人里から来たの。一緒に帰ろう?」
「う・・・うん///」
人里に帰ろうというと安心したのか泣くのをやめて抱きついてくる。そしてその子の手を引いて戻ろうとしたその時――――
「グルルルルル・・・。」
「え?」
――――化け物がそこに立っていた。
あなたは自分に誇りを持っていますか?
少なくとも彼女は警察官としての誇りを持っていました。




