第23話 そうか君が―――
なぜか消えてしまっていたのでもう一度
――――
「う・・・うぅ・・・。」
うぁ・・・頭が痛い・・・。どっかにぶつけたかな?
そう思いつつも体を起こそうとすると
「あ、赤木さん起きましたよ。」
「おお、ほんとだ。」
あれ・・・聞いたことのある声が・・・。ああ。鷲子さんか。
「あれ?ここは?」
「空き家の中だよ。」
「うん。わからんからここに来るまでの経緯も含めて話してくれますか?」
説明中〜煎餅とお茶でも飲んでゆっくりしていってね。
「・・・そうですか。」
すごく突拍子もない話だな。
みんなから説明された内容を聞いてまず思ったことがそれだった。
というかそれ以外に反応の仕方があるなら教えてほしい。
「まぁ、無事に二人を見つけたし。これはこれでよかったじゃないか。」
まぁそれもそうだな。にしても・・・。
「何か食べる物ありませんか?・・・お腹すいちゃって///」
「あ、お昼の残りありますよ。持ってきますね。」
「す、すみません・・・。」
そう言うと蓮子ちゃんは奥の部屋へと引っ込んで行った。
ほんと、結構いい子だな。いや、大学生だからもうすぐ成人か?
「あ、あの・・・。」
「え!?あ、はいなんでしょう!?」
びっくりした。いきなり横から話しかけてくるんだから。
「わ、私鳥柴優海って言います。よろしくお願いします。」
「私はマエリベリー・ハーンって言うの。蓮子からはメリーって呼ばれてるわ。」
「あ、これはどうも。私は赤木真人です。どうぞよろしく。」
なるほど、こっちの茶髪の子が優海ちゃんで、こっちの金髪の子がメリーちゃんか。
ふむふむなるほど・・・。
「・・・何ですか?」
「いや、君が蓮子ちゃんの恋人かぁ〜って思って。」
「ぶっ!!?」
へぇ〜、こういう子が好みなのか。あの子は。
「い、いきなり何を!!///」
「いや、君が居なくなったときあの子は僕らの捜査に同行するって言ってきたんだよ。
「た、大切な友達だから・・・どうしてもッ///・・・探じだぐで///」
そう涙目で言われてさ。」
いやあの時は本当に焦った。目の前で女の子に泣かれたらたまったものではない。
「だ、だからって何で私が蓮子の恋人になるのよ!!////」
「あ、赤くなった。」
「ッツ〜〜〜〜!!/////」
ナイス優海さん!めちゃくちゃいいタイミングで言ってくれた!
「赤木さん。持ってきましたよ〜。」
「あ、どうも。」
お、うまそ。
「いただきます。」
うまい!!自分が空腹の所為もあるだろうが結構うまい!
店を構えてもいいくらいうまい!
「これ誰が作ったんです?」
「さっき帰っちゃったけど慧音さんっていう人が作ってくれました。」
そう答えてくれたのは確か優海だったな。名前。
「あれ?メリーどうしたの?顔赤いよ。」
「な、なんでもないわ・・・///」
「そう?」
鈍いな〜蓮子ちゃんは。まぁ見てて面白いけど・・・会ったばかりの人にしてはこの二人は面白いな。
「で、これからどうするんですか?」
「そうさね。帰る手段もないしどうせ帰っても仕事あるからしばらくここにいる事にするけど?」
「要は仕事したくないんですね。」
そんなにやりたくないのか。仕事。
「まぁ、あの二人がここに残るって言うし。ここは面白そうだからね。しばらく住んでみることにしたのさ。」
「あ、私も残りますよ。大学のレポートめんどくさいし。」
明らかに邪悪な理由でここに残ると宣言した者が二人。
どんだけ仕事やレポートやりたくないんだよ・・・。
「はいはいみなさん。注目してちょうだい。」
パンパンと手を叩く音がして振り向くとメリーちゃんが立っていた。
「なになに?」
「どうしたのさ急に?」
「さっきまで顔赤かったのに。」
「いきなりなんだ?」
いったい何が始まるんだ?
「これから私達の生活を左右する重大な会議を行います。」
「「「「その内容は?」」」」
「ズバリ!!その探偵事務所の事よ!!」
・・・・・・・・・・・・・・は?
―――――――
「で、なんでいきなり探偵事務所の話になるんですか?」
最初に質問したのは真人っていう男の人だ。私は面識ないんだけどどうやら京都で警察官やっていたらしい。
「あ、そう言えば赤木さんは寝てたから知らないのよね。」
「ええ、まぁ。」
「簡単に言うと、こっちで食っていく為には働かなくちゃいけないから探偵事務所開いて仕事しようっていう話さ。」
「ずいぶん省きましたね。」
「で、その探偵事務所についての色々な決定事項をします。」
「具体的には何を決めるんですか?」
「名前とか。役割とか。その他もろもろ。」
まぁそういう事を最初に決めておかないとやっていけないよね。
「じゃあまず―――――――――」
この会議で人里に初めての探偵事務所ができるのだがそれはまた別のお話。
私が消しちゃったのかな~?
それともバグ?




