第20話 迷探偵蓮子ちゃん
有言実行?
知らないですねそんな言葉。
・・・嘘です。ちょっと忘れてただけですハイ・・・。
――――――
ん〜・・・それにしても・・・
「何もないね・・・・。」
まさしく空き家。一通りの家具はあったが食料品などは一切ない。それに私たちも食べ物なんて一切持ってきていないし・・・っていうか持ってないし。
「はぁ・・・まさかここに来た瞬間に食糧問題になるなんて・・・。」
「たしかに・・・」
苦笑しながらもどうするか考える私。う〜ん・・・どうするかな?とりあえず仕事でも探そうかな?
「それよりも慧音さんに相談する方が先じゃないですか?」
「そうだね。」
あれ?私の心の中読まれてる?っていうか前にもこんなことがあったような・・・・。
――――――
で、結局・・・
「「迷った・・・」」
人里の中をあっちをうろうこっちをうろうろしていたらいつの間にか完全に迷子になってた。しかも・・・
「「人里から出ちゃってるじゃん!!!!!」」
何故か人里から出てしまい現在森の中だ。どうしてこうなった・・・。
「いや、優海さんについていったらこうなったんですけど・・・。」
「私の所為!?」
「ほぼそうでしょ?」
ひどい・・・。
「まぁ、問題はこれからどうするかよね。」
確かにそうだ。このまま夜までここにいるというというのは危険だろう。またあの化け物みたいなものに遭遇するのは嫌だ。
「とりあえず、人里まで戻るしかないですね・・・。」
「じゃあ、こっちに行ってみ「また迷う気ですか?」・・・・・・。」
「・・・・・・。」
思いっきり断言されて黙ってしまう私。そんな私にかまわずにあたりを見回すメリーちゃん。すると、森の奥の方を指を挿して
「ねぇ、あっちの方に川があるんだけど・・・。」
「え?川?」
そう言われて指差された方向を見ると生い茂った森の奥の方に青い水平線が見えた。
「行ってみます?見通しが良ければ人里までの道が見つかるかもしれませんし。」
「そうだね。行ってみよう。」
――――
森の開けた場所に行くとそこは
「「湖だね」」
そこには川ではなく巨大な湖が広がっていた。
何この広さ。琵琶湖とかより断然大きい気がしてくる。
と、言う所でふと思いついた。
「ところで、メリーちゃんって夢の中でこっちに来たことあるんだよね?」
「ええ。あるけど?」
「じゃあ人里までの道分からない?」
「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しばしの沈黙ののちメリーちゃんから出た回答が
「忘れちゃった。(テヘッ☆)」
めちゃくちゃイラついた。
「さて、とりあえずここからどうしようか?人里までは道が分からないし・・・。」
「とりあえず湖に沿って歩いてみましょう。もしかしたら道が見つかるかもしれないし。」
「そうだね。」
と、いう訳で私達は幻想郷の湖ピクニックツアーに出かけることにしました。
「ピクニックじゃないんだけど・・・。」
――――――
「ん・・・・」
目を開けると青い空が広がっていた。時折吹くさわやかな風が気持ちいい。
このまま眠ってしまうのもいいだろう。
と、思っていたのだが
「なんだよ。さっきからパチパチパチパチうるさいなぁ〜・・・」
さっきからパチパチとまるでたき火をしているような音が聞こえて・・・・え?たき火?
僕は慌ててその場から起き上がる。するとそこには―――
「・・・・へ?」
「あ・・・・・」
―――そこには下着姿の鷲子さんがへぶしッ!!?
――――――
バキッ!!という音と「へぶしッ!!?」という声によって私の意識は夢の中から現実へと引き戻された。
「んあ?・・・なによいったい・・・。」
つい先ほどまで心地よい水に浸かりながらゆっくりと沈んでいく夢を見たのに・・・。
「って・・・何やってるんですか///!?」
そこで見たのは下着姿で拳をわなわなと震えさせている鷲子さんと、地面に俯せに倒れている赤木さんがいた。
「・・・見られた・・・///。」
「は?」
「あたしの裸///・・・見られた・・・///。」
よしっ!!ここで迷探偵蓮子ちゃんの登場だ!!
まず状況を整理しよう。
初めに奇妙な音と、どこか腑抜けた声が聞こえた。
↓
目を開けるとそこには、下着姿の鷲子さんと倒れている赤木さんがいた。
↓
鷲子さんの「裸を見られた・・・。」という表現から察するに・・・
「要は赤木さんが鷲子さんの下着姿を見たって訳ですね?」
「・・・///////。」
すなわち事の顛末は、赤木さんが鷲子さんの裸を見てしまったために殴られて現在に至るというわけだ。
「・・・なんで服着てないんですか?」
「湖に落ちてびしょ濡れだったんだよ・・・風邪引くのは嫌だし・・・。」
ああ、なるほど。だからたき火を焚いて服を乾かそうとしていたのか。
せめて何か羽織ってほし・・・い・・・。
「・・・どうかしたかい?」
「いえ・・・なんでも・・・。」
いいもん・・・私はまだ成長期だもん・・・。まだ大きくなるもん・・・。
「にしてもさっきから一向に起きないんですけどこの人。」
「え?そんなに強く殴ったっけ?」
とりあえず仰向けにして揺すってみる。起こした際、頬に痛々しい殴打痕を見たときはじと目で鷲子さんを見た。
で、どうやっても起きないのでとりあえず湖の水で冷やしたタオルを殴打痕に当てておく。
「ふぅ・・・。」
と、一安心したところで。
「「「「え?」」」」
目の前に知っている少女が二人いた。
鷲子さんは下着姿を見られるのは恥ずかしい人。
別に水着とかならOKって鷲子さんが言ってた。
迷探偵蓮子ちゃん。
意外とこの後の展開に重要なポジションになる。
―――――予定はない。




