第18話 いざ幻想郷へ
感のいい人は気づくかもしれませんが、今までの話は付箋まみれです。(あれ?ふせんって字これだっけ?)
――――――
~真人視点
「ん・・・んん〜・・・・んあ?」
・・・・どこだここ?・・・・・・・あ、そうだ。昨日何か変な駄菓子屋に来てそのままここに泊まったんだ。
昨日起こった出来事を整理し、ふと横を見るともぬけのからになった一人分の布団があった。
「あ〜・・・そう言えば妖忌さんと一緒の部屋で寝たんだった。」
あの後の部屋割りで、鷲子さんと蓮子ちゃん。妖忌さんと僕。小此木さん。とそれぞれ別の部屋で寝たんだ。
え?陸佐さん?あの人は小此木さんに
「お前は車の中で寝とるんじゃろ?」
と言われて、泣きながら装甲車の中に入って行った。ちょっと可哀想だな・・・。
そんなことを考えているとふと部屋の襖が開かれ
「赤木殿。朝食の用意ができましたのでこちらへ。」
「あ、どうもすみません。」
そのまま朝食を食べに僕は食堂に向かった。
―――――
~鷲子視点
で、現在あたしたちは妖忌の作った朝食をいただいているわけなんだけど・・・
「「「「うまッ!?」」」」
「そうじゃろ。こやつの料理の腕はかなりのものじゃ。」
めちゃくちゃうまい!!驚きのうまさ!!あの人一流の料亭でもやっていけるよ!!
「昔仕えていた所ではよく料理を作っていましたので、それなりに腕に自信はあります。」
「へぇ〜・・・」
何故か遠い目をしながら話す妖忌。だがそれも一瞬ですぐさま妖忌も朝食を食べだした。
――――
「ふぅ〜・・・おいしかったですねぇ〜。」
「まったくだ。毎日食べたいくらいだよ。」
「御褒めに預かり光栄です。」
さて、飯も食べたことだし・・・
「そろそろ、決めませんとねぇ。」
「幻想郷行きのメンバー?」
「そうですよ。」
昨日の夜に小此木が作った御札。それを使って幻想郷に行けるはたった3人。誰が行くことになるのかねぇ?
「じゃ、鷲子さん。いってらっしゃい。」
「えッ!?いきなり!?」
「いや、なんか「行きたい!!」って顔に書いてあったから・・・」
確かに行きたいとは思ったが顔に出るくらいだったか?
「「「「「出てた(ました)(おった)」」」」」
マジか・・・。
「で、他は誰が行くんだい?」
そう言うと、蓮子ちゃんが
「あ、あの・・・私も・・・行ってもいいですか?もしかしたら向こうでメリーと会えるかもしれないので・・・。」
「「「ああ・・・」」」
そういやぁそうだ。この子は友達のメリーって娘を探しについてきたんだった。
あのときはマジで焦ったな〜・・・。(蓮子が泣いた時)
「じゃあ後一人は誰が行くんだい?」
「じゃ秋葉くんで」
「僕は赤木です・・・いい加減に覚えてください・・・。」
そりゃ無理だよ。あたしだってたまに間違えられるくらいだし。
「って事は陸佐は行かないのかい?」
「ええ。まぁ。」
ふーん。なんだ陸佐は来ないのか・・・。
「ってちょっと待ってください。僕が行くんですか!?」
「いや、私は行けませんし。なら代わりに行くのはあなたしかいないと。」
「いや、まぁそうですけど・・・」
と、なんやかんやで幻想郷に行く3人が決定したのだった。
―――――
~陸佐視点
「ところでじゃ陸佐、御札の代金なんじゃがのぉ〜。」
ギクッ・・・
「いや、今回は宿泊費も払ったのでちょっと勘弁・・・。」
「ダメじゃ。一枚10000円。さっさと払わんか。」
「さすがに四万円も持って行ってそれはないかと・・・」
「しょうがないのぉ〜。特別価格で1枚8000円じゃ!!」
このぼったくりBBAめ・・・。
と、表には出さずに黙って財布からお金を出しておく。昔からこの人お金に関してはがめついんですよねぇ・・・。
「・・・・・・おい。お主。これでは足りんぞ・・・。」
「え?そうですか?」
「・・・8×3は?」
「18でしょう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バカもん・・・」
「え?」
「取り合えずあと6000円だせ。これでは足りんぞ。大方誤魔化そうとしたんじゃろ?」
「チッ・・・。」
クッ!!・・・私の残り少ない懐が・・・!!
誤魔化せると思ったんだけどなぁ・・・。
――――――
~蓮子視点
現在私は、リュックに詰める荷物の確認を行っています。それはこれから幻想郷へ行くのに必要な荷物を持っていくためです。
「準備ができたら部屋に来るのじゃぞ。」
「分かりました。」
色々と役立ちそうなものを詰めたリュックを背負い、部屋に向かう。
これから行く幻想郷・・・。どんなところかな?
そう言えばメリーが言ってた別の世界ってもしかして幻想郷の事なのかな?
「ようやく揃いおったな。」
荷物をそろえて部屋に行くとそこにはすでに全員が集まっていた。
「ほれ、さっと荷物を持ってこい。さっさと送ってしまうぞ。その三人こっちに集まれ。」
そう言われて、部屋の中心に集められる私達。そして小此木さんが一枚の御札を取りだし床に張り付ける。すると御札を張り付けたところから何やら線が浮かんできて部屋を取り囲むように魔法陣のようなものになっていく。
「うわわっ!?」
「な、なんじゃこりゃ!?」
いきなり足元に気味悪い記号が現れたら誰だって同じ反応をするだろう。っていうかそれ以外何があるというのだろうか。
「後はこの御札を体に張り付ければ幻想郷に行けるぞい。」
「あれ?その御札を張れば即幻想郷行きなんじゃ・・・?」
「確かにそれは即幻想郷へと行ける御札じゃ。じゃがその御札は単体だと位置制御ができなくなっての。幻想郷に着いても地面に埋まったりして着いたとたんに死んでしまうぞい。」
うわぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・絶対に嫌だそんな死に方。どうせ死ぬなら・・・っていうか死にたくない。
「まぁ、この部屋に貼った暗号で位置を制御し、そこでこの御札を張れば無事に幻想郷に行けるのじゃ。」
つまりこれがなければ無事に幻想郷にはいけないという事なのね・・・。
・・・今更ながら何か後悔する気持ちが出てきた・・・。
それにしても・・・
「あなたはいったい何者なんですか?」
本当に今更ながらこの人がいったい何者なのかと思う。本当にただの駄菓子屋の御婆さんなの?
「わしか?わしは――――ただの魔女じゃよ。」
―――魔女―――今の小此木さんにはこの言葉がよく似合ってる。
ハロウィンの仮装で出てきそうな魔女なんかじゃなく、まさしく本物の魔女っていう感じがした。
「ほれ、さっさとやるぞ。」
「では、みなさん。気を付けてくださいね。」
「・・・・・・」
敬礼をする陸佐さんと無言でお辞儀をする妖忌さん。その二人の見送りで私たちは幻想郷に旅立った。
「・・・・あ、位置制御の暗号間違えた。」
「「「「「え?」」」」」
その一言に反応したときにはすでに幻想郷に送られてしまっていた。
追記*話数表記が17話だったのを18話に修正しました。申し訳ございません。(12月25日)




