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東方幻探課  作者: 犬上高一
幻想郷の少女たちと、外の世界の少女たち
10/49

第9話  「シャンハーイ!!」

感のいい人ならタイトルでなんとなくわかりますよね?

――――――???

~優海視点



「・・・・・・う・・・ん?」


気が付くとそこは、森の中だった。


「・・・・・・・・・は?」


え?私さっきまで屋上にいたよね・・・。どうしていきなり森の中に


「あ、そうだ。私あの穴に・・・」


あの時いきなり足元に現れた不気味な穴に落っこちてそのまま気を失ってたんだ・・・。

・・・ちょっと待って・・・。なんでいきなり足元にあんな気味の悪い穴が出来たの?

そして、さっきまで屋上にいたのにそれがどうして落ちた先が森の中なの?

そう思い立ち上がろうとした瞬間腕に違和感を覚えた。見てみるとそこには


「う、うう・・・」


と、うめき声をあげて私の腕をつかんでいる少女がいた。


「・・・あれ?この子」


確か校舎から逃げてきた・・・名前は確か・・・メリー?


「・・・うん?」


あ、起きた。


「・・・・・・???」

「あの・・・大丈夫?」

「ひゃい!?」

「きゃぁ!?」


少女―――名前は確かメリーだったはず?――がいきなり声を上げて飛び上がるものだから思わずこちらも驚いて飛び上がってしまった。


「あ・・・あなたは・・・」

「あ、どうも」


少女・・・もうメリーちゃんでいいや。メリーちゃんはこちらに振り返るとどうやら私の事を覚えていたらしい。


「あなたはあの時、屋上で一緒に居た・・・」

「はい、鳥柴優海です。あなたはメリーでいいんだよね?」

「え、あ、はい!・・・あれ?どうして私の名前を?」

「蓮子ちゃんから聞いたのよ」

「あ、蓮子が・・・・・・ところで・・・ここは何所ですか?」

「それが・・・わからないの」

「へ?」




――――――

~メリー視点



わからない・・・?それってどういう事!?


「ごめんなさい。私あの穴の中に落ちてからどうしてここに来たか覚えてないの・・・」

「そう・・・なんですか・・・」


どうやらあの時あの穴の中に落ちた以降はどちらも覚えていないらしい。それにしても・・・ここ・・・よく見渡してみるとなんか見覚えが・・・。


「どうしよう・・・とりあえずみんなと合流しないと・・・」

「あの・・・みんなって?」

「私の仕事場の先輩方・・・っていっても知り合ったの今日なんだけどね」

「あなたは・・・警察の人ですか?」

「えっと・・・詳しくは分からないけど・・・まぁそういうところじゃないかな?」


分からないって・・・自分の仕事場でしょうが!!と突っ込みたくなるのを必死で押える。


「とりあえず・・・どうするんです?」

「どうするって・・・元の場所に戻るしかないでしょ?」

「だから!どうやって戻るんですかって聞いているんです!!」

「え〜っと・・・徒歩?」


瞬間私は悟った。この人は当てにはならないという事に。


「あら・・・珍しいわね。こんなところに人間なんて」

「「うひゃあぁあぁあぁ!?」」


後ろからいきなり声をかけられ驚く二人。振り向くとそこには肩に小さな可愛らしい人形を乗せた金髪の少女が立っていた。


「だ、大丈夫?」

「あ・・・はい、なんとか・・・」


あれ?この人どこかで・・・


「あの・・・ここは何所なんですか?」

「え?あなた達もしかして、外来人?」

「へ?」


外来人?聞いたことのない言葉だ。・・・いや、どこかで聞いたような?


「・・・まぁいいわ。とりあえずここは危ないから私の家に行きましょう。」

「そ、それはどういう」

「詳しくは家についてから話すわ。すぐ近くだし。」

「それじゃあ、お邪魔します」


そう言って少女の家へ向かって歩き始めた。





「・・・本当にすぐ近くだったのね・・・」

そう私が言うのも無理はない。出会った場所から3分もたたずに家に到着した。

カップラーメンがちょ〜どよい時間で食べられる時間である。


「そう言えば、まだ自己紹介していなかったわね。私はアリス・マーガトロイドよ。アリスって呼んでね」

「私は鳥柴優海って言います」

「・・・あ!わ、私はマエリベリー・ハーンって言います。長いからメリーでいいです。」


そう言って今更自己紹介を済ませる私達。

あれ・・・どっかで聞いたような・・・?


「それからこの子は上海」

「シャンハーイ!!」

「「しゃべった!?」」


金髪の少女―――アリスが肩に乗せた人形を指差して言うと突如人形がしゃべった。


「人形がしゃべることがそんなにおかしいかしら?」

「シャンハーイ?」

「普通人形はしゃべりませんよ!」


・・・アリス・・・しゃべる人形・・・上海・・・!


「あの・・・ここってもしかして、幻想郷?」

「え、ええそうよ。ここは幻想郷の中にある魔法の森の中よ」

「やっぱり!!」

「え?な、幻想郷?何それ?」


通りで聞いたことがある名前があったわけだ!


「あなた外来人よね?どうして幻想郷の事を知っているの?」

「私、『結界の境目が見える程度の能力』っていうのを持っていて。それで時々夢の中で幻想郷に入ったりしたことがあるんです・・・」


実際、今まで何度もこの幻想郷には来ているが、夢から覚めると元の世界に戻ってしまい私もあっちの世界に行きたいなとずっと思っていた。

だが、そんなことがあるわけもなく見たこともない世界で楽しそうに過ごしてる人々をただ眺める事しかできなかった。


「あの・・・幻想郷ってなんですか?」


と、隣から間抜けな声をかけられ回想の海に沈んでいた私を現実へと連れ戻された。

どうやらこの人は幻想郷は知らないらしい。


「ま、まぁとりあえず詳しいことはさっさと話すから、まずは中へどうぞ」

「「お、おじゃましまーす」」


家に入るとそこは簡素ながらもきれいに整えられ、いたるところに上海と同じような人形が飾ってある。アリスさんに案内され私たちはリビングへと入って行った。そこには例外なく人形たちが飾ってあった。


「ちょっと待っててね。今紅茶を持ってくるから」


そう言って5分くらいで戻ってきたアリスさんの手にはおいしそうな紅茶があった。









その後二人は幻想郷について詳しく教えられるのだが、それはまた別のお話。


今回は幻想入りした二人のお話です


感想or評価など待っております。


上海人形ってかわいいよね?

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