第三話 帰郷するモノ
「〇月▲日、深夜0時。お姉さんの兄にあたる大貴さんが何者かによって殺害されました」
喫茶店を後にし、ホテルへと戻った。
そして、聞かされたのは兄が殺害されたという。
「……………」
「明衣さん」
「警察が調査をしているようですが、恐らくは実家に行ったら色々と話を聞かれるかもしれません」
「……………うん」
失礼だが余り実感がわかない。本当に交流がなかったのだ。
赤の他人という程度であるから、心を痛めることもなかった。
「これも死物が関わっているの?」
「まだ、分かりません。現場状況に関しても情報がまだ来ていませんので判断しかねませんが、明衣さんが襲われたこのタイミングだと可能性は有り得ます」
「…………………………親友」
「うん。明衣さん、絶対に親友とペアで行動してください。この子の方が私よりも頼りになりますので」
北斗を見ると頷く。
「私、祓うだけはできます。それに、怪力です」
「うーん。親友の力こぶはまだ成長過程ですな」
全然ないよと腕を触られて遺憾ですと文句を言う北斗。
二人とも私を安心させようとしているのが伝わってくる。
「……………ありがとう」
「ん?当然ですよ」
「護衛ですもの」
二人そろってそう言った。
夜になり、ルームサービスを済ませて私は早めに就寝した。
二人はそんな様子を見て、話をしだす。
「……………で、状況は?」
「うーん。死物を使ったとは思うけど、余りにも気味悪いね」
スマホから情報が届いており、二人して見ていた。
現場は山奥の廃れた小屋の中、山菜取りをしていた夫婦が小屋の中から煙が出ているのを発見。
もしや、ボヤかと思い中に入ると大釜の中に黒焦げになった遺体を見つけた。
顔も分からなくなるまで爛れており、歯形から被害者が分かったが、どうしてこんな状況になったのかが不明である。
実家にいたというのだが、使用人曰く、当日の夕方辺りにふらっと何処かへ行ったきり帰ってこなかったと言うのだ。
「外傷はあるが、致命傷は無い」
「……………本当に火だるまになったってことか」
「ガソリンがあったってことだから、まあ思わせるように仕向けたか」
果たしてこれは人間の仕業であろうか?いいや、そんなこと有り得ない。
これは人では不可能だ。
「外傷は暴れまわったことでついた切り傷だけ。押さえつけた、縛った後は無し」
「ましてや燃やすのにこの大釜では逃げ出すことも可能だった。なのに火だるまになった」
「だから、これは人為的に無理。出来るとしたら」
人ならざるモノ、或いは呪いとオカルトチックに考える人もいると思うが、二人は冷静に分析した。
「まあ、このタイミングだと死物の線であっていると思うけどね」
「…………………何の死物だと思う?」
「うーん。今のところ、何ともだね。ちなみに親友」
「ん?」
あの時に見えたのは何だった?
その南の言葉に首を傾げる。
「えっと、黒いもやもやだったね。人型の」
「……………うーん。何とも言えない」
その答えに腕組をした南。どうやら、彼女の頭では何か分かったようだ。しかし、断定が出来ないみたいだ。




