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そして、いつも通りに会社に出勤したが襲われた廊下は元に戻っており、また、上司に呼ばれて今日は早く帰るようにと再三言われた。何でも社長からの直々の指示だそうだ。
何かあったのかと心配されたが巻き込むわけにも行かないのでなんとか誤魔化した。
午前中で引き続きを済ませて、退社すると出入口では南たちが待っていた。
「明衣さん、お疲れ様」
「お疲れ様です」
うーん、目立っているね。
平日の昼間に制服姿の女子高生がいるなんて……。
「あ、明衣さんが思っていること分かるよ!?私たちのこと、不良女子高生だと思ったでしょ!?」
「えー、ショック」
シクシクと泣き真似をする二人にごめんごめんと謝る。
「これは明衣さんにパフェを奢ってもらわないと!!」
「そうだね。チーズケーキ、奢ってもらわないと」
「オゴラセテクダサイ」
ぎゅっと両腕を掴まれて喫茶店へと連行されていった。
「そういえば、明衣さん。自覚は無いとは思うけど、何というか恨まれているね」
それもねちっこいとはっきりと言う南にきょとんとしてしまう。
はて、誰かにそんなに恨まれることをしただろうか。
心当たりがない。
「まあ、とばっちりですね。親友」
「もう、祓ってあるから安心してください」
あ、そうなんだ。
「しかし、お姉さんのご実家ってなんというか」
「複雑?」
「んー、そうですね。申し訳ないですけど、調べてもらいました」
まあ、護衛対象の情報なんて持ってないとおかしいよね。
確かに実家は母が当主であるが、私は昔から使えてくれたばあやと呼ばれる梅子と叔父夫婦のところで育てられた。実家には行事以外に行くことがなく、兄妹がいても全く交流がなかった。
まあ、叔父夫婦たちのおかげですくすくと育ててもらったから歪むことは無かったけど。
「まあ、色々とありますよね」
「それで締めくくるのもどうかと思うけど?親友」
「でも、不思議ですよね。何で、明衣さんだけ離れて暮らすことになったんですかね?」
理由、聞いてますか?と北斗に聞かれるが首を横に振った。
確かに子どもの頃に聞いたことがあった。しかし、三人とも悲しそうな顔をして、大人になったら話すと言われた。……そういえば、いまだに話されていないな。
「うーん。危険から離したとしたら納得いくけどね」
「どういうこと?」
「これに関してはお姉さんが皆さんに訊いた方がいいですよ?」
私のはあくまで想像ですしと言って、パフェをまた食べ始めた。
どういう意味かと北斗の方に視線を向けるも彼女も分からないと首を横に振った。
「まあ、都合よくご実家に帰られるのですから訊いてみたらいいのでは?」
「…………………………そうね」
そう言うと誰かのスマホの着信音が響く。
「…………………何でかえるの合唱??」
「気分です」
南のスマホであった。
彼女が出ると誰かと話を始めた。
「はーい、もしもし。あ、京華さん?うん、うん……………。へぇ、それはそれは大変なことになっているようですね。分かった、気を付けるね」
そう言って電話を切る。
真顔になって私の方を見る。
「……………明衣さん、落ち着いて聞いてください。ご兄弟の一人が」
亡くなりました




