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「それにしてもここまで来るとは思ってもみなかった」


「昨日は窓を覗き込んでくることぐらいで中に入ってこなかったからね」


結界を張って一徹した甲斐があったかもしれないとも二人して話す。

……………ちょっと待って。今、彼女たちは何を言っている。

昨夜から怪奇現象が起きていたのか。それを対処するために彼女達はずっと寝ずに守っていたというのか。


「でも、あれは死物からの奴ではないね」


そうはっきり北斗はそう言った。


「死物じゃない?」


「うん。蹴った感触が人間だった」


「に、人間?」


つまり生身の人間が私を襲ってきたということなのか?

てか、なんで感触で分かるんだ?

そんなツッコミをしたいが二人は真剣に話をしている為、割り込むのは野暮だと思い口を紡ぐ。


「いや、生霊って呼んだ方がいいかな。死物を使って明衣さんのことを襲ってきた」


「生霊があんな実体化するなんて」


「かなり強力なモノかな。にしては奇妙だったよね」


これじゃあ、部屋に戻っても不味いかもしれない。

私を立たせてくれた南がこう言ってくる。


「明衣さん、申し訳ないけど今夜からホテルに泊まろう。荷物とかは取りに行って行こうか」


「え、ええ」


「ホテルはもう予約は取ってあるし、私達も泊まるんでそこから仕事場まで行きましょう」


それからは部屋に戻り、荷物をまとめて部屋を出た。

予約を取っていると言うホテルに向かうとそこは……………。


「あの、ここって」


「ん?ここなら明衣さんの会社にも近いでしょ?」


よく特集でも上がっている『エレントホテル』という有名なホテルだ。

著名人も良く愛用していると言う。

本当にこのホテルに泊まるのか?


「あ、ちなみに三人部屋にしたからね。朝食も夕食も有りでこの費用に関しても支払い済みだから安心してくださいね!」


フロントでカードキーを貰い、エレベーターで部屋へと移動した。


「結界は万全にしてますし、もし部屋を出るときは私たち声を掛けてくださいね」


そう言われてほっと安心して息を着いた。

昨日今日であまりにも色々とありすぎて疲れてしまった私を気遣ってか二人は、今夜はもう遅いのでルームサービスを頼もうと言ってきた。


「まあ、明日仕事をお休みするっていうこともした方がいいですけど」


ルームサービスを食べながら今後について話し合っていた。

明日の出勤に関しても無理して行くことは無いと言ったのだが、それでも明日行けば休みだし今日起きたことの説明もしないといけない。


「お守りの効果が一気に薄れている」


「他に交換したほうがいいわね」


お守りを見して二人揃ってそう言うのでやっぱり明日は休んだ方がよろしいか。

そう訊いてみるとだから言っているのにと南は言い返す。


「早退できるか聞いてみるよ」


「その方がいいよ。悪意が実体化している時点でかなり進んでいるし」


「にしては、親友。明日にでも本部に報告しておいた方がいいよね」


北斗がそう言うと確かに本部に言えば早いかもと南が納得し、私に伝えてくる。


「本部に行って明衣さんの早退のこと掛け合ってみますね。後は誰かに何か頼まれても断ること!」


「わ、分かったわ」


いや、どんな組織だよ。うちの会社にも影響を与えるって相当なものだけど??

兎に角、明日は出勤するが早退し、荷物をまとめてホテルでまた一泊し実家へ移動する。

お守りを絶対に手放さないこと。

基本的に南たちと一緒に行動すること。

それを再度、約束された。


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