1 入学
愛結花がマンガの事を思い出してから一年弱経った。
今日は愛結花の桜宮学院初等部の入学式の日である。
「愛結花、早く行きましょう!」
「分かりましたわ、お姉様。お姉様と一緒の学校、楽しみですわ。」
「私もよ。後で学校案内してあげる。」
「それは嬉しいですわ。」
愛結花のこれからがかかっている場所ではあるが、だからこそ学校内の施設について詳しく知っておきたいものだ。桜宮学院は小学校から高校までは同じ敷地内にあるので、初等部についいても知っておいたほうが良いと愛結花は思っている。
「それにしても、愛結花の制服姿は可愛いわねぇ。私とは大違いだわ。」
「そのような事はございませんわ。お姉様はとてもお綺麗ですもの。ですからどんな服でも似合うお姉様は制服だって似合ってますわ。」
「ふふっ、ありがとう。」
(やっぱり桜宮学院の制服は小中高とどれも有名デザイナーの方が手掛けているだけあってとても可愛くカッコいいですわね。ですから美男美女なお兄様とお姉様にとってもお似合いですわ。私は衣装に着られている感がとてもありますのに。)
愛結花は自身をそう評価しているが、愛結花だって似合っている。本人は気付いていないのだが。
桜宮学院の制服はブレザータイプとなっている。
初等部では紺色のブレザーで落ち着いた雰囲気である。中等部や高等部ではそのブレザーの色が白に変わる。
そして、ブレザーの下には丸襟ブラウスを着てピンクのリボンを付ける。そしてブレザーと同じ紺色のスカートを履くのだ。青のチェック柄となっている。
男子はブレザーが同じだがブラウスが角襟でピンクのネクタイをするのだ。ズボンは女子のスカートと同じ素材で出来ている。
リボンとネクタイには金色で刺繍が刺されていて小学校から入学した人のは桜の花とその下に桜の花びら一枚が舞っている。
リボンとネクタイはいつ入学したかによってデザインが変わり、中等部からの人は桜の花のみで高等部からの方は桜の花びら一枚と分かれている。
初等部から入っている方がまあいろいろと優遇される。制服はその目印ににもなる。学費の問題や入学のためのルールもあって初等部から入っているのは名家中の名家の子女ばかりだから粗相のないようにするためには良いかも知れないが愛結花はそこまで分かりやすいのは好きではない。それでも仕方のない事なのだ。